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『新・エリート教育』著者・竹村詠美さんトークイベントレポート

こんにちは。母親アップデートコミュニティ(HUC)では、ゲストをお招きしてのトークイベントを「サテライトカフェ」として実施しています。

第8回のゲストは、Learn X Creation を運営する一般社団法人 Learn by Creation 代表理事の竹村詠美さんです。

7月23日に『新・エリート教育』を出版した竹村さんに1時間たっぷりとお話をお伺いいたしました。

竹村さんは、元々はビジネス領域で活躍されており、スタートアップ Peatix の共同創業者でもあります。
教育に関わる様になったのは5年前、お子様が小学四年生の時、学校に疑問を感じたことからだったそうです。

有志団体「FutureEdu Tokyo」(現在は一般社団法人 FutureEdu)を作って同じ疑問を持った人々と気持ちを共有するべく、「AIやロボットが生活に浸透する21世紀の子どもに必要な教育とは何か」をテーマにした映画「Most Likely to Succeed」を米国より日本に持ってきて上映活動を始められました。
一昨年には、この映画のプロデューサーを招聘して300名の主に教職者を中心としたカンファレンスを実施。その後、経産省の「未来の教室」の実証事業の事業者に選ばれ、ビッグイベント「Learn X Creation」につながっています。
このイベントは、4年前に竹村さんが感じた疑問と、大勢の原体験から突き動かされた、それぞれの「想い」が重なり結集しています。

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「この変化の激しい時代に、これからの学びをどのように考えるべきか」をテーマに、参加者を交えてディスカッションいたしました。

こちらのイベントのサマリをレポートしていきます。

『新・エリート教育』で伝えたかったこと

参加者より、『新・エリート教育』のタイトルを付けた理由についてご質問があり、竹村さんからお話がありました。

「エリート」は、「良い教育」という意味。
社会全体で、どの子にも届けていきたい。「教育」は、特定の誰かのためのものではない。

「エリート」と聞くと、特定の誰かのためのものと誤解を与えることもあるそうですが、「社会全体で、どの子にも届けていきたい」という思いに共感いたしました。

ご著書で伝えたかったことは、こちらの2つだったそうです。

①これからはクリエイティブに自分事として物事を動かせる人間が必要。
頭だけではなく頭と心と体全部を大切にする。
Well-beingを追求すること。

②学校の先生方へのエールでもある。
お互いの力を持ち寄り社会全体で子供を育てる。循環させる。

著書の中での「クリエイティブ・リーダー」の定義は、

自らの得意分野や個性を磨き、存在しない世界を妄想して、各国の仲間と協働しながらのびやかに新しい価値を生み出す創造性にあふれたリーダーシップを発揮する人

-『新・エリート教育』より引用

このリーダーシップを発揮できる力を身につけるために有効なアプローチが、一人ひとりの興味に合わせて心身頭を統合的にバランスよく育む「ホール・チャイルド・アプローチ」という学びの考え方。

私自身の経験をさかのぼってみると、「頭」を使った教育は受けてきたが、心や体を意識することは、ほぼ無かったと思います。

大人になってから、頭と心と体のセルフケアを体得しようとすると難しい。子どものうちから、セルフケアにアプローチしていく大切さを感じます。

竹村さんご自身の「子育ての軸」についてもお話していただきました。

子どもは、ひとりの人。できるだけ子ども扱いしない。
手間が掛かっても、「自分で決める」のを大切にする。
怒らない。
夢中になれる時間を増やしてあげたい。

好きなことを「自分で決める」。

簡単なようで、これがなかなか難しい。親としては、子どもを大切に思うばかりに、ついつい口出しをしてしまう。

子どもが、自分が得意なこと、好きなことで満たされる感覚。これを大切にされているそうです。

家庭で疑問に思ったことをオープンに話し合う

親として、子どもにどのように接していくかのアドバイスをいくつかいただきました。

学校の先生は、神ではない。
「これが正解」は無い。
大切にしたいのは、お子さんの気持ち。

子どもが出せない思いを抱えすぎないこと。
適度なガス抜きが必要。

家庭でオープンに話し合える、疑問に思ったことが言えることが大切。

たとえば、理不尽な宿題に対しては、ある程度納得したうえでルールを決める。ルールに一貫性を設ける。

参加者からも、このような経験談がツイートされていました。

学校・家庭以外の「サードプレイス」についてもお話がありました。

3つ場所があるのは良い。
居場所があると、なんとか頑張れる子がそれなりにいる。

子どもが行きたいという場所があると良い。
お子さんがちっちゃい時は、家族で行けるサードプレイスがあると良い。

「ヒップホップは良いけど、盆踊りは嫌だ」という娘さんを持つ参加者からのご質問。

「親としては年一回の運動会(盆踊り)に参加して友達との思い出をつくってほしいという想い、娘としては盆踊りは嫌だという想い、このすれ違いをどう埋めるか?」のご質問があり、アドバイスいただきました。

どんな決断にも、メリット・デメリットがある。
それを親子でじっくり話す。
小学生であれば、親からの願いを伝えるのもあり。

他の参加者からも、「うちも、同じ状況」という言葉があり、あるあるな悩みのようでした。

親が、子どもと一緒に楽しむ

続いて、「基礎学力を上げる教育が主体の学校に入れた場合、
自分の頭で考えて行動していける心と体のバランスが取れた子になるために
親ができることはなんでしょうか?」という参加者のご質問について。

どの学校でも基礎学力は大切。
どういった学校でも、ある程度やっている。
一方で「自分で問いを立てる力」は、経験値による。
学校でできない場合は、家庭でサポートすることが大切。
何も大きなことじゃなくても良い。
家庭菜園をやってみようとか、田んぼとかでも良い。
大切なのは、お子さんの興味関心に沿ったものができるかどうか。
「仮設を立てる」「問いを立てる」を日常的に親が意識していくことが大切。
砂場でも、子どもだけが遊ぶのではなく、親もいっしょに遊ぶ。
親がおもしろがっていると、子どもも楽しめることがある。
親もいっしょに楽しんでいくこと。

最後に、竹村さんご自身の「逆境の乗り越え方、それについてのアドバイス」をいただきました。

自分の心の声を大切に。
自分の心の声を尊重し、ブレないようにしている。
しんどい時に、原点に立ち戻る。

寝るとか、体を動かすとか、笑いとか。
モヤモヤを次の日に持ち越さない工夫をする。

そして、仲間の存在も大切。

参加者の方々からもツイートいただき、ありがとうございました!

これからの教育、そして親として子どもとの関わりあい方を考えるキッカケ、ヒントとなるイベントでした。

竹村さん、ご参加いただきましたみなさま、お時間いただきましてありがとうございました!


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