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「日本に馴染まなくてもいい」と言われ、飛び込んだコミュニティでの挑戦

Impact HUB Tokyoは起業家による起業家のためのコミュニティです。
目指しているのは起業家にとっての「山小屋」のような存在になるということ。山小屋は、登頂への戦略を練る場であり、ホッと一息つける場。また他の登山家と繋がり、議論を重ねながら、情報交換もできるそんな場所です。

そんなコミュニティの存続に欠かせない存在なのが
コミュニティ・ビルダー。
この単語を聞き慣れない方もいるかもしれません。

コミュニティ・ビルダーとは、メンバーそれぞれのニーズを日常的に汲み取り、さまざまなイベントを企画したり、情報を提供したり、孤独な起業家に伴走するチームメンバーのことです。起業家の問題意識や原体験を深掘りし、WHYを言語化する役割も。ビジネスの発展を模索する起業家に常に寄り添い、イノベーションが起こる可能性を見出して繋げていく重要な役割を担っています。

今回 #IHTチームメンバーで紹介するのは、2019年9月に入社してわずか1年のYukoさん。ヨーロッパで5年間過ごした彼女が、日本に戻ってきて真っ先に飛び込んだのがImpact HUB Tokyoのコミュニティ ・ビルダーという世界。

なぜ彼女は、Impact HUB Tokyoのコミュニティ ・ビルダーになることを決意したのでしょうか。そこには、ヨーロッパで芽生えた移民アーティスト支援の想いや、コミュニティ・ ビルダーとしての成長への強い意欲がありました。

三塩 佑子 コミュニティ・ビルダー
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起業を通した難民やアーティスト支援に興味を持ち、大学進学で起業精神溢れるフィンランドに移住、国際ビジネスを学ぶ。その間フィンランド、パリ、ベルリンと5年かけてヨーロッパを住み渡り、様々なコミュニティの元で起業家やアーティストの支援などに関わる。今後さらに専門的に多様な起業家のサポートをできるようになるために、日本帰国を機に2019年9月からImpact HUB Tokyoチームに新加入、コミュニティビルダーの一員としてHUBのイベント企画運営やアクセラレータープログラムなどに携わっている。

ヨーロッパで見つけた夢のベースを作りながら働ける場所

—— 長年ヨーロッパに住んでいたYukoさんが、Impact HUB Tokyoに参画しようとおもったきっかけはなんだったのでしょうか。

学生時代は、ヨーロッパ(タンペレ/フィンランド、パリ/フランス、ベルリン/ドイツ)と5年住んでいて、当時からImpact HUBの存在を知っていました。パリでは、現地の起業家と移民の起業家が協力してビジネスを立ち上げるプロジェクトを行う組織に関わっていたことも影響しているかもしれません。もともとヨーロッパにいる時から、現地で活動している移民アーティストの支援をしたいという思いはあったものの、当時は学生でどうやって支援をしていったらいいのか知識がなく考えている日々でした。 
そんな中、Impact HUB Tokyoのコミュニティを作るというところだったり、支援という文脈を使わず、起業家と伴走し助けあい、コラボレーションを生むというようなフィロソフィーに共感し、ここでなら自分の夢のベースを作りながら働けるかもしれない!とピンときたのです。また他国のImpact HUBを実際に見てきても、日本人だから、外国人だからというような枠組みなく、私のような経歴をもつ人でも受け入れてくれる文化があるように思えたことも理由です。

日本に馴染まなくてもいいと言われた採用面接

—— ちょうど1年前に入社されていますが、面接のことは覚えていますか?

長期海外滞在から日本に帰ってきてすぐ働くことになり、日本に馴染むことを求められるのではないか、すぐに馴染めないかもしれないと不安に思っていましたが、英語で喋っていいし、言いたいことはいっていいし、日本に馴染もうとしなくてもいいと言われたことを覚えています。ありのままの自分でいることが許容されることが特徴的ではないかと思います。

—— Impact HUB Tokyoは、外国にいるような印象がありますね。

日本にいながらグローバルに繋がれる場所だと思います。他国のImpact HUB のメンバーがImpact HUB Tokyoにきてくれることも時々あり、自分が住んでいたヨーロッパや他国と繋がっていることで、心の拠り所や安心感があります。

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—— 一緒に働いているチームはどのような印象でしょうか。
チームのカルチャーは本当に独特だと思います。さまざまな経歴と年齢の人が集まっていますが、年功序列などといった考えはなく比較的フラットに切磋琢磨できるチームだと感じています。

起業が当たり前のヨーロッパ

—— Yukoさんは、ヨーロッパ、日本の起業家をそれぞれをみてきて、何か感じたことはありますか。

あくまで個人的な意見ですが、起業が日本よりもヨーロッパ各国の方が身近にあって特別なものではないと感じました。当たり前のように起業して何かしらの問題意識を多くの人が持っていますし、それを言語化し実行している人が多い印象でした。学生でも就職が当たり前でなく、起業を選ぶ人が多く自由度が高いです。
とくにフィンランドは、学生が起業できるよう猶予を与えるような教育制度が整備されています。対して日本は、起業をするというのは何か特別なことのように捉えている人が多いように感じるので、日本でも自分のやりたいことができる一つの手段として、起業がさらに身近であったらいいと思います。

常に新しい学びを求めて

—— 普段コミュニティ ・ビルダーとしてどんなデイリー業務を行っているのでしょうか?

イベントやアクセレラータープログラムの企画・準備を中心に行っています。たとえば、起業家のWhyを共有して、メンバー同士が価値観の部分で繋がれるWhyセッション、近日9月30日に行う起業家の失敗談から得た学びをシェアする大人気の「FuckUp Nights Tokyo」という公開イベントなどの準備や実施などです。今後、起業家プログラムのファシリテーターとしても関われるように日々勉強中です。

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またImpact HUB Tokyo公式Facebookページの執筆も行っていて、主にメンバーさんの事業活動の宣伝や拡散を手伝う記事を執筆しています。言語化の練習にもなりますし、メンバーの活動についてアンテナを張ることにも役立っています。 他にも施設の管理など含め、ここに書ききれないくらいたくさんのお仕事があり幅広く行っています。


——入社して1年と思えないほど、いろいろな業務を行っているのですね。

常に新しいことばかりなので、同じデイリー業務はなく、新鮮で新しいことがたくさんあるのはおもしろいと感じます。常に自分の頭でさまざまな角度から色々なことを想定し、思考して解決しなければならないので、きちんと考えたことが結果につながった時にはやりがいを感じます。まだ入社して1年足らずですが、色々なことにチャレンジができる環境です!

伝書鳩にしかなれなかった悔しい契約交渉

—— 印象に残っているお仕事はありますか。

「Le Wagon Tokyo」というフランス発祥のプログラミングスクールで、「コーディングで人生を変える」というスローガンを掲げているメンバーの事業があるのですが、私はそのコミュニケーションフロントを担当しています。

最近一番印象に残っているのは、少し複雑な内容の対話と交渉を行ったことです。求められていたのは、現場でコミュニケーションしているからこそ、話したことをそのままチームに流して意見を求めるのではなく、私の考えや現場でどこまで交渉が起きているのかもしっかりとチームに伝えつつ、相手とどんどん話しを進めていくことでした。

初めは根本的な課題を理解せず、その他の細かい要素に気を取られて交渉の向かう先をイメージできず、さらには伝書鳩のようにチームにもコミュニケーションをしてしまい悔しい思いをしました。

ですが、目の前にある最重要課題を再認識/整理し、ゴールをイメージしたことで、交渉も現場のコミュニケーションで進めることに少しずつ自信が持てるようになりましたし、チームへの意見の聞き方も、効率の良さと自分の意見もきちんと反映してから伝えるようにするなど意識し工夫するようになったと思います。

なんでもYESではだめ。サービス業とは違うコミュニティ ビルダーの役割

——コミュニティ・ビルダーとして、メンバーとのコミュニケーションで普段意識をしていることはありますか?

メンバーとのコミュニケーションでは最初苦労しました。サービスを提供するというよりは一緒にコミュニティを作っていくという立場なので、何でもYESと答えることが良いわけではないし、心を鬼にしてはっきりダメな時はダメだと伝えることが必要であったりします。
 
新規会員希望の方へのコミュニティや施設の説明をするオープンハウスは、HUBのフィロソフィーや魅力を伝えながら体感してもらいつつ、新規会員希望の方の事業やHUBに何を期待しているのかなどを聞く機会です。その後メンバーになってからの関係性にも影響するので、初めてHUBにきた人の体験は非常に重要なため、雰囲気をみながらその場でメンバーを紹介してみたり、できるだけコミュニティを巻き込んでみたり、考えながらコミュニケーションを行っています。


—— 今後の目標を教えてください。

自然体でありながらも、起業家の事業の伴走や、事業の悩みを引き出すファシリテーションができるコミュニティ・ビルダーになることが目標です。
 起業家の本音や、悩みをどうやったら引き出せるかなというのは常に考えています。

「Yukoは忖度しない」といわれることが多く、それが強みかもしれないと最近気づいたのですが、ただ経験もない自分に何ができるだろうかと急に自信を失うことも時々あり、その壁は超えたいといつも思っています。
またどうやったらメンバーの皆さんとおもしろいことができるかなというのは考えていて、アイディアを企画してすぐ行動し、ビジョンのあるイベントをどんどん行えるように頑張りたいです。

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ヨーロッパ でみつけた移民アーティストを支援するという夢のベースを作りながら、いろいろな角度から常に思考し、起業家に伴走しているYukoさん。一般的なサービス業とも違う、コミュニティ ビルダーとしての役割ややりがいなどより一層理解できました。

そんなYukoさんが準備したイベント、
FuckUp Nights Tokyoは9月30日(水) に実施されます。

FuckUp Nightsは2012年にメキシコで始まったグローバルムーブメントです。現在は世界中80カ国、250都市以上に広がっています。

コンセプトは、ビジネス上の「失敗」を取り巻くタブーを取り除くこと。失敗談からの学びの方がより価値があり、役に立つものだと考えます。失敗について耳にすることがほとんどない中、学びをシェアし、ビジネス上での失敗を価値あるものとして受け入れるようなオープンなイベントです!

ぜひ専用のイベントページをご覧ください!
9月30日(水) 開催 FuckUp Nights Tokyo Vol.22 



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