熊本から世界へ!11歳の天才スケーター松本雪聖さんのこれまでとこれから
熊本市内から南へ車で約45分。
今回は、昨年2022年からHub.craftが公式メディアスポンサーとなっている、八代群の小学校に通う天才キッズスケーター・松本雪聖(いぶき)さんに会うため、宇城市にある複合レジャー施設『UKIUKI PARK』へとやってまいりました。
車を降りると、早速コンクリートを走るウィールの音が聞こえてきます。奥に目を向けると、そこにあるのはおよそ1000㎡ほどの広さを持つ屋外スケートパーク。
少しどきどきしながら奥へと向かうと、ご両親と一緒にスケートの練習中だったすらっとした少女が、ボードを止めてこちらに向かってきてくれました。
熊本県氷川町の星!
11歳の天才キッズスケーター松本雪聖さん
こちらのはにかむ笑顔が素敵な少女が、いま、日本中がその成長を見守る、期待の超新星スケーター・松本雪聖さん。
2021〜2022年に開催されたキッズスケーターの登竜門と言われる「FLAKE CUP 」では、予選では九州地区3位、全国大会ではなんと女子2位を獲得。
2022年に開催された公式戦「第1回マイナビスケートボード日本オープン」の女子ストリート部門では、最年少参加で小学生で唯一予選を突破。オリンピックのメダリストなど、日本のトップスケーターが参加する大会でなんと全国6位。
そして、取材に伺った2023年4月には、「第2回マイナビスケートボード日本オープン」でなんと1位とわずか0.12ポイント差で、東京オリンピック銅メダリストをおさえての準優勝!
パリ五輪の強化指定選手にも選ばれ、その勢いは止まることを知りません。
本日は、雪聖さんがどのようにしてスケートボードに出会ったのか。そして、どんな目標や想いを持ってスケートに取り組んでいるのか。雪聖さん、そしてお父さんの貴光(たかみつ)さん、お母さんの沙織(さおり)さんにお話を伺いました。
スノーボーダーの両親の影響で、
小1からスケートボードに目覚める
共通の趣味であるスノーボードがきっかけで25歳の出会ったという、貴光さんと沙織さん。貴光さんは、若い頃はスイスやニュージーランドなどへ3ヶ月にわたってスノーボードをしにいくくらい、スノーボード漬けの日々を過ごされていたのだそう。
子供が生まれてからも「家族でスノーボードを楽しみたい」と、まだ幼い雪聖さんを連れて、宮崎の五ヶ瀬ハイランドスキー場や、大分のくじゅう高原スキー場などへ通い、保育園のころからスノーボードへ。
貴光さん「保育園くらいの頃は、スノーボーダーにさせたくて。毎日スノーボードやスケートの練習ができる近所のUKIUKI PARKに連れてきて練習していました。でも小学校にあがった頃から、『スノーボードじゃなくて、あっち(スケート)がやりたい』と言って、スケートパークの方から戻ってこなくなっちゃったんです。」
お友達と遊びたいお年頃だった雪聖さん。九州はスノーボードをやる子供の人口が少ないこともあり、子供が多くいたスケートの方に興味を持つようになったのだとか。
そしてそれが、雪聖さんのスケート人生のはじまりでした。
学校が終わると毎日夜まで練習!
平日は5〜6時間、休日は10時間になることも
貴光さん「スケートの練習は毎日です。1日でも休んでしまうと、体がついてこれなくなっちゃうんですよ。週に6日はスケートをして、残り1日はスケートは休んで、体幹を鍛えるための体操教室へ。とにかく反復練習をして、体に覚え込ませることが大事です。」
雪聖さんは、毎日朝6時半に起きて、1時間かけて地元の小学校へと通っています。学校を終えて帰宅した後は、家族で練習に。練習が終わるのは夜の21時。そこから帰ってお風呂に入って、ご飯を食べて、宿題をして寝る毎日。
すきま時間もあまりないので、テレビをつけることも、せっかく買ってもらったゲームも、する時間はほとんどないのだとか。
沙織さん「信頼関係と一緒ですよね。信頼を築くのには時間がかかりますけど、なくすのは一瞬。だから毎日とにかく練習を続けています。」
毎日、休まず練習を続けている雪聖さん。その1日1日の積み重ねが、11歳という若さでの驚異的な結果につながっているんですね。
練習のパートナーはお父さん、
負けず嫌いな雪聖さんのライバルは自分自身
貴光さん「この坂の中央のところにあるレールは、僕が作ったんです。前に参加した全日本の大会があった会場には行ったことがなかったので、練習場にも作ろうと。映像を見て『こんな感じかな?』って作ってみたら、本家のレールより大きくて急だったんですよね(笑)。このレールは今、日本一のサイズかもしれません。」
練習場に材料を持ち込み、自前でレールまで作ってしまったという貴光さんは、雪聖さんの最強の練習パートナー。あまりテレビやiPadなども見ない雪聖さんに代わって、技の研究をしたり、大会の情報を集めたりしているそうです。
沙織さん「雪聖自身は、あまり他の選手の映像を見たりしないんです。大会中なども、自分の出番が終わると会場に出ている屋台に食べに行っていたり。彼女は誰かのプレイを見るよりも、自分で滑ることが好きなんですよね。すごく負けず嫌いだけど、それは自分がいま挑戦している技ができるかどうか。他人と比較して落ち込むことはありません。」
強みはスピードとダイナミックさ
誰にも負けないRUNで、ストリートを攻める
1940年代ごろのアメリカで生まれたスケートボードは、東京オリンピックで注目を集め、今、日本でも競技人口が激増しています。
競技としてのスケートボードは、地面をくりぬいたような凹凸ある坂や局面などを走る「パーク」と、階段や手すり、スロープなど街の風景を再現したコースを走る「ストリート」の2種類。
雪聖さんがエントリーしているのは「ストリート」で、「RUN」(制限時間45秒で自由に滑り技を加点方式で競う)2本と「BEST TRICK」(難易度の高いトリックの制度を競う)5本のうち、RUNで1本、BEST TRICKで2本の高得点3本の合計点数で順位が決まります。
沙織さん「強みは、スピードとダイナミックさ。とにかく技を素早く次々に繰り出すことができるので、『RUN』は本当に強いです。」
まだ小学生の雪聖ちゃんの成長速度の速さに、「雪聖ちゃんは、次にいったい何をしかけてくるかわからない」「いったいどうやってRUNを考えてるの?」と言われることもあるのだとか。
沙織さん「ただ、雪聖は最初からストリートのコースで練習をしてきたので、平面トリックはまだまだこれからな部分もあります。ひとつひとつのトリックを磨いていって、BEST TRICKでも高得点を出せるようになっていくことがこれからの課題です。」
目指すは日本一、そして世界へ
雪聖さんのこれからの目標
パリ五輪の強化指定選手に選ばれた時、雪聖さんが感じたのは「嬉しい、海外行きたい!」という前向きな気持ちだったそう。不安な気持ちはなかった?と聞くと、「英語喋れるかなという不安はある」と、コミュニケーションに対しての不安はチラリと覗かせました。
雪聖さん「スケートは、技を決められるようになったり、友達と滑ったりするのが楽しい。これから海外遠征に行けるようになったら、スケートできる子とたくさん友達になって、一緒に滑りたい。『これから何する?』とか話しながら滑りたいから、英語も話せるようになりたいです。」
家族の絆と、純粋な「楽しい」の気持ちが
エネルギーの源泉
インタビューを通して感じたこと。それは、雪聖さんのスケートボードに対する「少しずつ技ができるようになっていくことが楽しい」という、シンプルかつ素直な思いでした。
雪聖さんは背は高がすらっと高い、やわらかい雰囲気の女の子。でも繰り出す技はダイナミック!と、そのギャップも合わせてたまらなくかっこよかったです。
ご両親の貴光さん、沙織さん、そして弟の昊旺(そお)くんの明るさに、雪聖さんが家族の存在にも支えられているからこそ、こうやって全力でスケートに向き合えるのだなとも感じました。
貴光さんは「僕はスパルタですよ」とご自身でいうくらい厳しいということでしたが、その指導を自分のものにしてスケートの技を磨いていっている雪聖さんとのそのパートナーシップはさすがでしかないと、松本一家全員の大ファンに。
最後に、雪聖さんのこれからの意気込みを伺いました。
雪聖さん「世界に行って、1位になります!」
雪聖さんが2年後のパリ五輪にもし出場できれば、日本選手の史上最年少記録になるとのこと。これからの雪聖さんに、ますます目が離せません!!
Hub.craftはこれからも松本雪聖さんのチャレンジを応援していきます!雪聖さん、貴光さん、沙織さん、昊旺くん、ありがとうございました!
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