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マメルリハインコと動物嫌いな私の地獄の留守番~Day6

同居の母が入院したことにより、母が面倒を見ていたマメルリハインコのシャルとその世話をしなくてはならなくなった動物嫌い(鳥も嫌い)の私。この状況は私とシャルにとっては、とてもストレスの多い留守番生活である。

シャルは私との留守番生活2日目にして、母が在宅していた時より不自由な生活(放鳥時間の減少)になったにも関わらず、事態を理解しおとなしく新たな生活パターンに適応していた。

おかげで鳥嫌いの同居人でやむを得ず世話をしていた私は、想定よりシャルに手を焼かずに済んでいた。

そんなシャルの楽しみは、おそらく私が仕事などから帰宅した後の母との通話。留守番5日目の母との通話時、普段喜びをストレートに表すのを良しとしないシャルが、母に呼び掛けてもらって大喜びしていた。

朝もお利口

さて、そんな留守番生活6日目。
母がいる時は「起きる!」という意味で、起き出した母に鳴いて合図していたシャル。だが、私しかいない状況では、私がシャルの合図に返事すらしないと知り、黙って朝の水と餌換えを待つようになっていた。

母は合図があると「待って」などと反応していたので、シャルの呼び鳴きがエスカレートしていた。私は出かける前にいつもは母に任せていた家のことをしないといけないので、シャルにかまっている余裕はなかった。シャルには悪いが結果的にシャルを無視することになっていた。

忙しなく動き回る私の出す物音や気配から、私が忙しいことくらいはシャルも察していたようだ。かわりに鳥籠の遮光カバーを開けた時に「待っていてくれてありがとう」と言うようにした。

シャルは朝の水と餌換えの時に気に入らないことがあると、その作業を邪魔する。しかし、留守番中ほとんど籠外活動(=放鳥)もなく、不満はあるだろうに私が水と餌換えをする邪魔はしなかった。正直なところ意外だった。

そんな風にされると多少鳥嫌いの気持ちもほだされる。出かける前に意識してシャルに声をかけた。

「ごめんね、今日も私はでかけていつもくらい時間に帰るよ。お母さんは明日の午前中には帰るから、もう少し頑張ってね」

シャルにどこまで伝わったかは不明だが、「ふーん」て顔をされて私は会社に行った。

楽しみすぎる母との通話

夜に私が帰って家のドアの前に着くと、「ピピピピッ!ピピピピッ!」と家の中からシャルの鳴き声が聞こえた。だが、シャルは以下記事で書いた通り、「おかえり!」の意味で鳴いたりはしない。

案の定「早くお母さんに電話して!」の意味だった。家に入り、母に電話するためスマホを操作していると、鳥籠の中からシャルが目をキラキラさせながら、片目だけで下からクイッとこちらを見あげている。

普段、シャルが鳥籠から出たくてたまらない時などに人間に対してたまにする媚びる動作だ。私が「下から上目遣い」と呼んでいるシャルのほぼ必殺技である。ちなみに「ほぼ必殺技」なのは、たいていの人間に有効でも私には効かないからだ。

スピーカー状態にして聞こえるコール音だけで、シャルは「キュッ!キュッ!」と興奮して鳴いている。ちょうど折悪しく看護師さんが来たタイミングだったか、母は電話に出ず留守電に切り替わった。母ともうすぐ通話できる喜びで興奮状態のシャルは、留守電のアナウンスにすら喜んで鳥籠の中を歩き回っていた。

数分後、やっと母と通じるとシャルは鳴くのをやめて母の声を聞いていた。そしてまたいつものように母に呼びかけてもらうと、嬉しそうにこの日も返事した。母に話しかけられたから嬉しかっただけなのか、それとも母に「翌日には帰るから待ってて」と言われたからなのもあるのだろうか。

シャルは「帰る」や「待ってて」という日本語は知っている節があるので、どこまでわかったか分からないが、電話が終わってもシャルは前の5日間の通話後よりも満足気に見えた。

次回の母が退院して帰って来た日とその後の話で、私とシャルの地獄の留守番の話は最後になる。もう少しお付き合いいただけると幸いです。

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