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オカルトと都市伝説の庭で「次元上昇」を考える

◇約5,400文字

 神の存在についてや、重力と時間の関係など、まだ考察してみたいことは多いのですが、このシリーズは今回で一区切りといたします。お読みくださった方々に、深く感謝いたします。

我々は何次元に存在しているのか

 アポロ計画での通信記録がNASAから公開された2016年に前後して、連邦捜査局(FBI)では1947年~54年の文書で機密指定が解除されている。まさに本物の"X-ファイル"であるが、それらの文書にはUFOや宇宙人の特徴に関する情報および調査結果として、9項目が記述された重要メモが含まれていた。まず、そのメモの一部から紹介したい。

1. 搭乗員がいる円盤もあれば、リモートコントロールされている無人機の円盤もある。
2. “彼ら”のミッションは平和的なものであり、地球のどこかに腰を落ち着けて定住したいと考えている。

のように始まるが、定住を希望している異星人と言えば(衛星の崩壊で壊滅した)惑星ジャノスが有名なので、おそらく2番での"彼ら"はジャノス星人の来訪を意味しているであろう。

 そして、個人的に興味深いのは以下の2項目だ。

5. 彼らの“出身地”は我々が知っている惑星のどれでもない。我々には知覚できないが、すでに地球を浸しているエーテル体の母星から来ている。
6. 我々の世界の振動率と濃密物質の環境に入り込むことで、彼らも円盤も自動的に物質化する。

 ジャノス星人を「我々が認知できていない次元や空間、エーテル世界を自在に往来することができるエイリアン(幽体?)」であると規定していることから、彼らが高次元の知的生命体であることが垣間見える。
 そして、我々が(物理的に)観測できない惑星や宇宙物質の存在、振動率という波動の概念についても言及されていることが、この文書が本物だという印象を伝えてくる。

 次元という概念で頭に浮かぶのは、SF映画インターステラーの後半で登場するブラックホール内部で遭遇する5次元空間である。その空間に放り込まれた主人公 ジョセフは、愛娘のマーフが暮らす部屋の過去に移動してメッセージを送るシーンがあり、映像化された5次元という世界は強い印象として残っている。かなり難解な設定となっている映画だが、奥深い内容なので1度と言わず観るべき映画だと断言しておきたい。
 余談だが、NASAが2019年9月に公開したブラックホールの映像が、インターステラーでブラックホールとして描かれた「ガルガンチュア」に瓜二つだとして話題になった。(左下のガルガンチュアの方がリアルに思えるほど)

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 理論物理学者が監修しているインターステラーも含めて、物理学の観点での定義には諸説あるが、ここでは次元を以下のように定義しておきたい。

0次元 座標系のない素粒子が存在する空間
1次元 1つの座標軸で長さを持つ直線空間
2次元 2つの座標軸で面積を持つ平面空間
3次元 3つの座標軸で体積を持つ立体空間
4次元 3次元に時間軸の次元を加えた空間
5次元 3次元に無数の時間軸を加えた空間

 いま我々が暮らしているのが3次元空間であり、時間軸を過去や未来に移動できる次元を加えたものが4次元とされる。ドラえもんの4次元ポケットは何でも入る異次元空間のような描かれ方だったが、そういう定義は当て嵌まらないようだ。
 そして、3次元でAという事象が生じた場合と生じなかった場合のそれぞれに時間軸が存在するようなパラレルワールドが5次元と言えよう。3次元の世界がx-y-z軸のボックス形状だとして、それが平面状に無数に存在しているイメージを持っている。それが立体になると6次元なのかも知れないが、まったく想像が追いつかない亜空間である。

 我々が存在する3次元にも、(遡ることはできないが)時間という軸が存在するので、それを加えて4次元世界であると言う人もいる。また、超弦理論などの最新物理学では、素粒子がヒモ状になって存在するところから次元が始まり、現在の世界を10次元または11次元のように定義している。
 このように、我々が存在する次元を定義するにも一筋縄ではゆかないようであり、このテーマを考察しようと思ったことを後悔し始めている…。


アセンションはオカルトなのか

 最近、耳にする機会が増えた人も多いであろうアセンションは「次元上昇」と訳されるため、物理学の次元と混同しがちで誤解を生みやすい定義となっている。次元の説明にインターステラーまで持ち出したが、アセンションで超える(上昇する)べき次元とは、もっと概念的なものであるらしい。
 物理学とは違って、スピリチュアル世界では現在の世界を4次元(第三密度)と定義しており、5次元(第四密度)へと意識レベルを上昇させることがアセンションの定義とされる。
 その上昇の果ては「慈愛に満ち溢れた宇宙的意識の世界」のようにも表現されるので、どうも宗教っぽい香りがして怪訝な顔をする人も多いのではないだろうか(かく言う自分がそうである)。

 一説では、我々の太陽系はプレアデス星団を26000年周期で公転しているとされ、そのプレアデス星団に対して垂直に存在しているフォトンベルトと呼ばれる素粒子の輪を横切るという仮説がある。つまり、公転周期の半分である13000年周期でフォトンベルトの輪の中を2000年かけて通過することになる。フォトンベルトを通過するときに人類はアセンションを完了させるのだという。つまり、アセンションとはフォトンベルト説から始まっている。

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 前回に通過した約12000年前(BC10000年)では大洪水に見舞われ、アトランティス大陸やムー大陸が水没したとされる。(アトランティス大陸の消滅については「古代文明」を考える(コチラ)に記載)

 この説では、2012年から地球はフォトンベルトに突入したとされ、その年の前後には数多の関連書籍が出版されたようだ。マヤ暦が終了することで人類が滅亡するという説が流布されたが、実際にはそうならず、2012年の地球に大きな転換点が有ったようには感じない。宇宙に流れる時間での10年や20年は瞬く間であり、今後、長いスパンで徐々に突入してゆくのだろうか?

 かなりの行数でフォトンベルトを考察したが、現代科学ではフォトンベルト説に科学的あるいは天文学的な根拠は無いとされる。だが、仮にそれが科学的にナンセンスであったとしても、アセンションという概念までも完全否定することはできないだろう。
 その概念には、これからを生きる人類にとっての示唆的な思想が含まれているのではないかと感じている。つまり、格差や戦争・紛争、自然破壊などによって物質社会が限界を迎えるときに、「地球自身が惑星規模でのリセットを行って、それを経ることで人類もアセンションを成就する」という考えは、自分としては比較的に受け入れられやすいように思えるのだ。

 地球のアルマゲドン(破滅)は、例えば「風の谷のナウシカ」で地上の生物を飲み込んで絶滅させようと拡大する腐海の胞子が、実は水や空気を浄化する役割を担っていたとするパラドックスにも似ているかも知れない。王蟲の襲来とナウシカのアセンションも含め、我々が置かれている環境を啓発する物語としては、現在でこそ考えさせられることの多いストーリーである。


誰がアセンションできるのか

 我々がアセンションをする段階に近づいていると仮定して、全人類が一斉にそれを享受できるのか?それとも何らかの審判が下されるのか?という点について触れておきたい。

 最悪の想定としては、2030年までに「大選別」が実施されるという説があり、それによると人類の95%は淘汰されるのだと言われる。つまり、次のステージに行けるのは4億人弱ということだ。例えば、我々が普段から口にする食物や薬、とりわけ飲料水に関する化学物質によって既に選別が実行されており、ごく限られた耐性を獲得した人々と対策を履行してきたエリート層(富裕層)のみが生き残りに成功するのだという。
 これは陰謀論に近いが、Mr.都市伝説の関暁夫氏は人工知能が(SNSへの投稿などの情報で)個人の道徳性を判断して人間選別を行うとしており、選別の方法は異なるが、やはり「大選別は不可避だ」との警告を発している。

 地上波で放送された「クレイジージャーニー」でも紹介されたことがあるので、「ジョージア・ガイドストーン」(下の画像の右上)という石碑については知っている人も多いのではないだろうか。1980年のジョージア州に、8つの言語で「10のガイドライン」のメッセージ書かれた石板形状のモニュメントが設置されたのだが、その1番目は「大自然と永遠に共存し、人類は5億人以下を維持する」と彫られている。その8つの言語には日本語は含まれていない。

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 一方で、地軸の変化による地殻変動で大規模なリセッションが行われるが、希望するすべての人がアセンションを成就できるという説もある。
 日本は地球でも霊的な中心地であるとされ、1960年ごろから人知れず続けられている『湧玉の祝事の儀式』の祈りをささげることで、最終的に、神によって行わた全人類の卒業試験(のようなもの)に合格したのだという。
興味ある方は、"金星からのメッセージ"に目を通していただきたい。

 YouTubeなどでは「日本すごいぞ!」的な動画を見かけることが多く、正直、それらには賛同する気にはなれないのだが、日本が霊的な中心地であるとする視点は、完全には否定できないように思える。
 上記のメッセージでは明言されていないが、そうした"祈りを捧げることを人知れず続けている集団"は天皇を中心とした皇室のことであろう。皇室には年間を通じて様ざまな宮中祭祀があるが、そうした中の1つとして神への正解答を導き出したのかも知れない。自分自身は(神道も含めて)無神論者であり、皇室を敬ってはいるが一般参賀に参列する習慣すらないことは、申し上げておきたい。これは、可能性の1つとして記しておくに留める。


パラダイムを超えて

 アセンション後の人類についてが気になるが、検索すると「瞑想で意識レベルを高めて、そのときに備えましょう」のような個人視点のスピリチュアル(法話)を多く目にする。動画で検索すると特に。
 もちろん、現時点では科学的な予測や考察ができる筈もなく、先に紹介した「金星からのメッセージ」でも、後半はカルマという単語が頻繁に使われる精神世界へと傾注してゆくのは、その意味では仕方のないことだろう。希望する全人類と動植物を金星を始めとした惑星のUFOに乗せて、地球の環境が整うまで退避させるという説については(そうであって欲しいと願うが)首を傾げたくなってしまう。

 地球をマクロ的に見ると、大国間での戦争は収まっているが局地的な紛争は減っておらず、地域の覇権を安定化させたい国家は圧政し、自国の拡張に野心を剥きだしにさせ、他国を顧みない保護主義が蔓延し、国家間や地域間での貧富の格差は増大し続けている。
 そのような状態で、人類がアセンションを迎えるに足るレベルに成熟したとは言えず、それとは逆に、リセットボタンを押さないと仕方のない状態に陥った結果と言えるだろう。ましてや、フォトンベルトのように宿命的な要因で、定期的にアセンションが起こされるという説には懐疑的である。

 もう少しミクロ的に見ると、世界では数十年に一度のような自然災害が頻発し、地球規模のパンデミックが発生するなど、地球のフェーズが変わり始めていることを実感できる。それに伴って、高度経済成長以降の日本では変化することが無かった「労働」や「居住」などへの意識(パラダイム)が、少しずつ変化する兆候が芽生えている。
 その延長線上で、今までのパラダイムを完全に瓦解させるような、壊滅的なアルマゲドンを迎えるのかは解らない。ただ、人類が新たな価値観を共有することが不可避なのであれば、(アセンションの有無は別にして)そうした審判が現実として訪れることを覚悟するしかないだろう。

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 物理的な概念では、次元の上昇を「新たな座標軸に垂直な無数の既存レイヤーが存在する構造」のように捉えらえることができる。そしてスピリチュアルの世界にも、アセンション後の世界では新しいレイヤーを認識できるようになるという、同じような視点が存在する。
 今まではレイヤーが違っていたので見えなかった来訪者(異星人)とのコンタクトが可能になったり、荒廃したように見える火星や金星の表面にも文明を認識することができたり、現在では解らないことだらけの宇宙の真理に近づくことができるような内面(周波数)の変化だとされる。

 いまのタイミングで、自分がこのような事象に興味を持ったのには必然がある可能性を否定できない。そして、この駄文を目にしている方に於かれても、最後まで読み進めたことに何らかの意味があるかも知れない。
 ここまでに記した程度のイメージさえ持っていれば、誰しもが「(アセンションを経ることで)どのようなレイヤーを通して世界や宇宙を認識することができるのだろう」と、思いを馳せることはできるだろう。
 やはり、裕福な5億人だけとは言わず、何かを超えた先にある世界を希望する総てに見せてくれる寛容さがあることを、(無神論者であるが)祈るべき神に向けて手を合わせたい。
【了】

シリーズの目次と序文は コチラ です!


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