符亀の「喰べたもの」 20211003~20211009

今週インプットしたものをまとめるnote、第五十五回です。

各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。

考察がまとまらなかったため、日曜日に更新しています。


漫画

呪術廻戦」(17巻) 芥見下々

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何気に第三十二回以来の久々の登場。

この巻は面白かったですね。特に後半の某キャラの大暴れが良かったです。やはりキャラを贅沢に殺しまくるアクションシーンは興奮します。

とは言ったものの、ただキャラが暴れているだけではストーリーが進まないストレスの方が大きく、爽快感も半減でしょう。この話では、ぱっと出ながら暴れているキャラとは明確に因縁のあるキャラが出まくって死にまくり、そのキャラが因縁にケリをつけるというストーリーがちゃんと進んでいる点が、そうした「で?」感を抑えています。そのキャラにとって倒すべき相手を蹴散らしているのが、やられ役をただのモブでなくし、両方の格を落とさないようにしているのも注意すべき点でしょう。このように気持ちいいシーンで興がそがれないようにする工夫は、演出面で勉強になります。


マッシュル-MASHLE-」(8巻) 甲本一

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ハリー〇ッターの世界でムキムキのマグルが下剋上する話。こちらも第三十二回以来。

この漫画、「魔法バトルをなぜか筋肉で解決する」という設定のおかげで、読者の関心が「どうやってこのピンチを解決するのか」に向いているのが強いと思います。ピンチと解決を繰り返されるだけで満足できるので、タメの回を作らずに山場を連発させているだけでいいのが週刊連載と相性が良すぎます。解決法が面白くないといけないというハードルこそありますが、筋肉の印象が強すぎて応用的な魔法やシンプルな巨大魔法とかでも意外な解決法として面白く感じてしまうのがズルいです。


藤本タツキ短編集 17-21」 藤本タツキ

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チェンソーマン」などの作者である藤本タツキ氏の短編集その1です。

4作が納められていますが、私的には「庭には二羽ニワトリがいた」と「恋は盲目」の2作が好きです。どちらも序盤で話の大筋が掴め、その上で終盤に予想外の方向に飛び上がるからでしょうか。

こう書いておいてアレなのですが、この2作の「飛び上がり方」は正反対に近いかもしれません。「庭には二羽ニワトリがいた」の方は大筋とズレこそしないものの想定外のオチに着地し、「恋は盲目」の方は予想した方向へ予想外にずっと突き進んでいく感じです。これらの相違点をじっくり味わうことで、より「予想通りすぎてつまらない」「何言ってるかわからない」を避ける方法を学べたらなと思います。


インプットに割ける脳のキャパが足りず、十分な分析ができなかった感じが強い週になりました。なんなら面白かったのにここに書く内容が浮かばずに載せられなかった作品もいくつかあり、ふがいない限りです。


一般書籍

同時並行で読んでいた4冊に、新たに歴史書が加わりました。完全にキャパオーバーだろおい。


Web記事

ボードゲームレビュアーが陥る3つの大きなバイアス(1)
ボードゲームレビュアーが陥る3つの大きなバイアス(2)・終

ボードゲームの商業レビュアーたちが陥りがちなバイアスについて、BGGに書かれたコラムの邦訳です。

挙げられているバイアス自体もそうですが、独自性バイアス(「新しい」かが面白さに直結すると過信するバイアス)がレビュアーだけのもので消費者には関係ないと言われているのが刺さりました。私も独自性バイアスのしもべですので。


「大山ドラ」前の「ドラえもん」の複雑な経緯

日本テレビ版の「ドラえもん」のアニメが不評だった理由について、F先生の作風との不一致を「郊外」というキーワードに基づき考察されたツイート群です。

新たな観点からの「ドラえもん」の分析として、とても面白いと思います。


どうすれば、ターン制バトルで『戦術性』を作ることができるのか?

RPGなどのターン性バトルが、ゲーム前の準備である「戦略性」に重きを置きすぎてゲーム中に考える「戦術性」に欠けているのではないかと考察されたnoteです。

ボードゲーム的にはこの「戦術性」が重要かと思われますので、深く読み込みたいnoteです。


週報 彫刻のようにゲームをつくる

ボードゲームデザイナーのミヤザキユウさんが書かれた週報です。

最初に書かれている「観察力」について、最近落ちてきている気がしていたので、参考文献を挙げていただいたのが助かりました。

最後に書かれたジョジョリオンの、素晴らしいラストシーンは、読者が何気なく読んでいた途中の話の意味まで塗り替えて、作品全体を素晴らしいものにしてしまう」という部分も面白く、アイデアのフックになりそうなnoteだったと思います。


Yahoo!チャットって場所があったんだよ

昔のYahoo!チャットにあったオナニー部屋における小事件を語ったはてなダイアリーです。匿名ダイアリーではありますが、筆者は以前紹介したこれとかと同じpatoさんだそうです。流石や。

序盤からガンガン伏線回収し、読者を前のめりにさせているのが上手いですね。参考になります。


バックハンダー

新作のゲームページです。宣伝です。

これを書いて、投稿直前に全部消えて書き直してをやってたせいで体力が尽きて、昨日こっちが書けなかったという説があります。


ゲムマやその試遊イベントへの準備のため、また余裕がなくなってきました。というかこれも配信に参加しながら書いていますので。

来週もイベントに参加する予定ですのでまたしょぼしょぼな更新になってしまうかもしれませんが、精いっぱいマシに仕上げようと思いますので、よろしくお願いいたします。

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