符亀の「喰べたもの」 20220821~20220827
今週インプットしたものをまとめるnote、No. 101です。三桁になると見にくいので、今回から回の表記方法を変えました。
各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。
漫画
「クロシオカレント」(1巻) こかむも
変な世界の変なヤツらの変わらない日常を描いた作品です。(帯文より引用)
なんか、無茶苦茶面白さの言語化が難しい作品でした。結構好みで今年ベスト10に入るかもぐらい気に入ってますし、読み返すほどさらに味が出る作品だと思いますが、じゃあ何が面白いのかと言われるとなんもわからなくなります。今回の作品群で、コイツに一番時間食われました。
で結論なんですけど、感情変化が超高密度なことが、面白さの理由な気がしてきました。本作は、コマ割りがすごく細かいわけでもないのに1ページで平均2〜3回もキャラの感情が変わる、感情コロコロコミックです。つまりそれだけキャラが何かにリアクションを取るのですが、その対象が「変な世界」なので、その度に本作の世界観を味わわされるんですよね。謎の世界観が、無駄な説明もなく謎のままキャラのリアクション生成器として大量に提供される。その結果、次は何が来るのかが楽しみになるように調教されてしまう。変な設定もただキャラの感情を引き出すためだけに贅沢に使われる作品だからこそ、家族が喧嘩するだけの設定もクソもない回すら、感情がコロコロ動いていれば本作っぽいと受け入れてしまえるのだと思います。なんならその回が一番面白いまであるし。本当に変な作品です。
「ジーンブライド」(2巻) 高野ひと深
不思議な学園、自分と同じ名前同じ顔の少女、謎や世界と戦う女性の物語です。第六十七回以来の登場です。
前回も書きましたが、主人公の相方役である男キャラの設計が上手いと思います。この巻最後の対談に書かれていますが、本作は世界へのフェミニズム的な怒りを持って描かれつつも、目の前の男を悪役として糾弾したり何かを倒してスッキリしたりはしないように作られています。非常に真摯に描かれている作品だと思うのですが、明確な敵がいない分、誰彼構わず怒り散らしたり、何の話かわからなくなってしまうリスクもあると思います。そんな中で、フェミニズム抜きに読者もムカつくキャラ、しかし彼なりに誠実なところも伝わるし変人すぎるしで怒ってもしょうがないキャラを相方役として据えることで、主人公の怒りを理性的に見せストレスを感じにくくしていると思います。おかげでSFやミステリーの要素が入ってきても、それにフェミニズムのテーマを無理なく共存させられていると思います。
「ウマ娘シンデレラグレイ」(8巻) 久住太陽(漫画)、杉浦理史(脚本)、伊藤隼之介(漫画企画構成) (原作: Cygames)
オグリキャップを主人公とした、「ウマ娘」のコミカライズ。第八十七回以来の登場です。
最終決戦での主人公の覚醒シーンが熱かったですね。このシーン、2種類のタメが2回ずつ使われてるんですよね。まず最初の2回が、下1/4を使った「ドクン」と「もっと…」のタメ。ここでコマ割りが縦基調に変わり、今度は黒背景が割れるタメが2回来ます。この面白いところは、「前半のタメ2回の間で使えるのは2ページだけ」「後半の方は、前半と後半の間も含めて4ページ使える」ところ、つまり同じ2回ずつのタメなのに使っているページ数が違うところだと思います。
まず前半のタメ間の2ページは、幼少期の回想に使われています。そしてこの後、縦に割られたコマの中では、過去巻の読者も知っているシーンが回想されます。新規描写の回想は短めにすませ、読者が記憶を呼び覚まして一緒に盛り上がれるところは長めに流す。そして長めとは言っても、先に2回タメているところを見せているので、もう一回連続でタメても「まだやんのかよ!」とスカされた気分にはなりにくい。こうしてストレスを減らしながらタメにタメた分、見開きの覚醒シーンが輝くのだと思います。
その後、ライバルがビビってるところからの笑顔で終わるのも怪物っぽくていいんですよね。本当に、この話はよくできていると思います。
「税金で買った本」(3巻) ずいの(原作)、系山冏(漫画)
学びたい心を刺激されたことをきっかけに、ヤンキーの少年が図書館の魅力に気づいていく物語。第九十七回以来の登場です。
図書館という1人で本に向き合う静かな場所を舞台としながら、キャラクターがみんな表情豊かなのがいいですね。特に、相手のどの感情を担当するか、メインキャラそれぞれがそれぞれの役割を持っているのが面白いです。その行動力から相手をワクワクさせたりドン引かせたりする主人公をはじめとして、筋肉でビビらせるキャラや理不尽な利用者に怒られがちなキャラと、見事に役割分担ができています。おかげでキャラの組み合わせを変えるだけでゲストキャラの感情曲線が調整でき、各回で読み心地が変わってマンネリ化も防げています。
何が面白いのかの言語化に時間を食う作品が多かったのですが、その分いいインプットができた気がします。文字起こしまでちゃんとできてるのかどうかは知りません。
一般書籍
なんであと数ページのとこまで来て止まってるんですか?
Web記事
画像生成AIが無料公開されることの影響についての備忘録的なnoteです。
現時点ではどうなるかわかりませんが、今後見返すためにメモしておきたいと思います。
「魔術として理解するお絵描きAI講座」
「TRPG卓の背景をMidjourneyに生成させてみた→最大の欠点と呪文の参考」
「Tileable texture from Stable Diffusion」
画像生成AIのプロンプトの作り方や利用方法に関する記事たちです。
権利面と成果物に意図を込められない点からまだ画像生成AIを使う気はないのですが、今後利用したくなった時用にメモしておきます。今週メモばっかやな。
「カービィ」シリーズや「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの生みの親である、桜井さんのYoutubeチャンネルです。
「桜井政博のゲームについて思うこと」シリーズを読んでゲームを作り始めたようなファンなので、今後の展開に超期待しております。
「星のカービィ ディスカバリー」をプレイし始めました。本作はボスをノーダメージでクリアすると実績が開くのですが、どうやっても某ボスでダメージを食らってしまい、回避もないゲームでどうすりゃええねんとやり直しまくっていました。で、調べたら回避あって一発でいけました。バカヤロー。
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