符亀の「喰べたもの」 20220724~20220730

今週インプットしたものをまとめるnote、第九十七回です。

各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

税金で買った本」(1~2巻) ずいの(原作)、系山冏(漫画)

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学びたい心を刺激されたことをきっかけに、ヤンキーの少年が図書館の魅力に気づいていく物語。

「自分で調べてごらん そのほうが勉強になるから」という本作の軸になるフレーズを受け、1巻最後の話中に出た「なんで十六夜と十七夜にだけ特別な読み方があるんだ?」という問いの答えを明かさず終わったのには笑いました。一応2巻で答えは出ますが、1巻読み終わった時点で降参して調べましたし、おかげで読みも含めて覚えてしまいました。こういう筋の通った作品は好きです。

主人公が図書館に関わっていく流れも面白く、知りたいという読者が好感の持ちやすい感情を根幹にしながらも行動は独特であり、差別化しつつ独りよがりでない絶妙なバランスが見事です。他キャラも魅力的で、キャラデザに性癖を感じるキャラが多いのも特長だと思います。「こどもにはママ系大人には教官系の巨乳少年呼びお姉さん(ビジュアルは成長した輿水幸子)」とかもう、誰かしらかの癖の権化でしょもう。


ガクサン」(1巻) 佐原実波

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夢中になれるものがない中途入社のOLが、同僚となった参考書オタクとぶつかりながら奮闘する物語。

参考書の使い方がわかっていなかったお客さんをボコボコにし、満を持してオススメの参考書を紹介する場面で他社のを勧めるシーンがよかったです。ギャグ、自社の営業という仕事を無視する参考書オタクのキャラ説明、実在の参考書を取り上げることによる本作の内容への信頼感の構築と、1シーンで多くの仕事を「兼ねて」います。その後も参考書関連のエピソードよりもキャラの深掘りを優先するなど、仕事が丁寧で続きが気になる作品です。


特別じゃない日」 稲空穂

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日常のちょっとした幸せを描いた短編集です。

タイトル通り特別な事件が起こるわけではないのですが、それでもストーリーを感じられる構成が上手いなと思いました。その理由ですが、1つはそれぞれの話が謎や葛藤といった課題を解決する形であり、そこに物語を感じやすいことかなと思いました。もう1つは、各話が実は共通したキャラクターの話であり、そのつながりが伏線を見つけた時のような意味の再発見として働いてストーリーっぽさを生んでいるのではないかと考えています。これらのテクニックでストーリーっぽさを作れるのか、自分の中でもう少し検討してみたいところです。


今週から行きつけの書店で漫画のまとめ買いセールが始まったため、大量に注文しました。まだ注文分が届きませんでしたが、来週以降その消化に追われることになるはず (執筆が1週間ずれているので、既に追われている) ですので、ただでさえ遅れている本連載がより地獄進行にならないよう頑張ります。


一般書籍

ギリッギリ読み終わりませんでした。あとちょっとな時に来週に回せるからと読み切らない後回し癖やめたい。


Web記事

論文の読み方 / How to survey

指導教員に読むべき論文を支持された学生向けの、論文の読み方をまとめたスライドです。

研究の流れをつかむのはやっていましたが、直接の親となる研究については意識していなかったので勉強になりました。


『もう全然食べられないけど、いいですか?』“大食いを諦めた”ジャイアント白田43歳がそれでもバラエティで愛されるワケ『最初は抵抗もあった』
ジャイアント白田『大食いはボクシング。殴り合いなんです』ガチすぎるフードファイターが大食いを諦めた日『もう僕の時代じゃないなと』
身長195センチ、体重95キロ…“史上最強のフードファイター”ジャイアント白田43歳が『大食いは才能8割、努力2割』と語る納得の理由

大食い選手として一時代を築いたジャイアント白田さんへのインタビュー記事です。

2番目3番目のストイックな現役時代の話が面白く、特に勝負としての大食いの公平性を作っていく話が刺さりました。そのストイックさがエンタメを面白くするというのは意外で、ですが言われるとそうだなという気分にもなり、価値観が変わったなと思います。


今週はコロナでイベントが飛ぶなどキツい週ではありましたが、ヤバいゲームをヤバいまま行くことが決まったりゲムマ秋用の新作のルールを固めたりと、制作にしっかり向き合えた週でもありました。そのせいでせっかく冊数が少なかったのに執筆スケジュールを戻せなかったのは秘密だ。

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