符亀の「喰べたもの」 20201101~20201107

今週インプットしたものをまとめるnote、第七回です。


漫画

姫様"拷問"の時間です」(4巻) 春原ロビンソン(原作)、ひらけい(漫画)

目の前で美味しいものを食べたり楽しく遊んだりというむちゃくちゃやさしい拷問をする魔族たちと、その度に秘密を話すチョロすぎる姫騎士とのコメディー。

出オチ設定ながら4巻まで続け、未だに面白いのが素晴らしい。それも設定と画の力を使った直球の話も、これまでのパターンを逆手にとった変化球の話も両方描いてらっしゃるのが強い。どっちも面白いからなおすごい。

この漫画、とにかくフリが上手いんですよね。そもそも設定からして「私は絶対に屈しない!→姫様は話した」というパターンのフリなわけですが、それ以外にもギャグの前にちゃんとフリのコマを入れてるんですよ。これ結構面白くないギャグ漫画では怠りがちなところでして、ボケの力だけでもっていけるところも丁寧にフってからボケて、その上テンポは落とさない。この丁寧さとスピード感の両立が面白さの秘訣だと思いますし、コマ割りが上手ければテンポを崩さずに1ネタ加えられる漫画というメディアの強さだと感じました。


くらげバンチ7周年記念座談会レポートまんが」 中村朝

何度かとりあげた中村朝氏による、くらげバンチ7周年記念座談会のレポート漫画です。「今回は真面目に取材させてもらいますよ!」とは1ページ目で中村朝氏も言っています。

これもフリが上手いですよね。上のセリフと中盤で「あっ」と思わせ、そこからの急展開を納得させつつも「いやそうはならんやろ」と予想を外し、ラストのオチにつなげていく展開力は見事の一言です。てかこれで扉絵込み10ページってマジすか。

本当に一瞬で読めるので、是非リンク先からのご一読をオススメします。


チェンソーマン」(9巻) 藤本タツキ

最悪(誉め言葉)すぎて声出して笑っちゃいました。


今回ここに挙げた作品は少な目ですが、その理由は読んだ漫画の半分ぐらいがハズレだったからです。あとは「かげきしょうじょ!!」の10巻買ったら9巻買ってなかったこと気づいてなくて読めなかったからです。

ハズレの作品(名前は出しません。今週の新刊じゃないのも多いので、推測はお控えください。)ですが、手に取るか試し読みするかまではいってるので、絵が下手だったり設定がつまらないor二番煎じだったりはしないんですよ。じゃあどこがダメかというと、「フリが利いてない」か「コマが足りない」か「描写が効果的じゃないか」で、読者が置いて行かれるんですね。つまり作中で起きていることが悪い意味で「いやそうはならんやろ」となってしまっているんです。予想のナナメ上を行くのではなく、予想する間もなく目の前から消えられているイメージです。

ハズレだったやつの中には買ってしまってう~んだったやつもあったのでそこは残念ですが、その分しっかりとダメなパターンが勉強できたのでよかった(ということにしたい)ですね。月に1回ぐらいはこういうのもアリでしょう。


一般書籍

読み始めたものの、読み終わりませんでした。というか読んでいる本が思ったより難しいうえに思ってたのと違う方向に論が進んできたので、下手するとそれをここで紹介しない&他の本を読む時間まで吸われるのコンボで来週も何も紹介できない可能性もあります。まあ来週ゲムマですし、本読んでる時間あるほうがおかしいということで。


Web記事

上階の住民の騒音をサンバカーニバルにするためにタンバリンを買った話

タイトルオチ。タイトルで期待したものがそのまま読める良noteです。

こういう前提から狂っている話に小ボケを重ねてくる書き方いいですよね。私も大好きです。この名義ではある程度真面目にやりたく、そうするとやったところでスベるか炎上するのでやってませんが、別名義でこういうの書いてはっちゃけたいですね。


【価格差30倍】9万円と3千円のシャツを本気で比較する【ジルサンダーvsユニクロ】

ダルビッシュ選手にもわかるようにGeForce RTX 2080 Tiの解説記事を翻訳してみる

プロが素人にわかりやすく解説してみた系の記事2本です。上はどんな視点で見るべきかをわかりやすく解説し、下は最低限な部分以外は全力でカットするスタンスとアプローチは異なりますが、読者の知識レベルに合わせて良い記事を書いてらっしゃる点は共通しており、そこが面白いです。

なお、下の方は第三回で紹介した滝啓輔氏のnote経由で読みました。やっとかよ。


8月15日『だからこそ』戦争の記事を出してもいいのではないか。ネットメディアの現場から見えること

陰謀論の『甘い夢』を打ち砕いた文豪

『地球の歩き方』を100冊読んで発見した、『最も詩的な一節』を発表する

同じく滝氏のnote経由で読んだうち、個人的に好きな記事3本です。

それぞれ全然違う文章ですし、まずはタイトルで気になったものを読んでいただければと思います。ただし全部そこそこ長いのでそれだけはご注意を。


経営者の孤独/ポプラ社・千葉均「宗教を持たない私たちは『哲学の徒』として生きる」

滝氏のnote経由で読んだ中で一番良かった文章。お前今週そればっかやな。

ポプラ社の社長の哲学についてのインタビューなのですが、自分のいる業界というものの存在が認識できている人は全員読んだ方がいい文章です。正直地の文で「?」となる構成のところはありますが、対話部分はどちらも興味深いお話をされており、必見です。

ちなみにこの連載をまとめた本が出てるみたいですよ。たぶん今月末ぐらいに買って、3ヶ月後ぐらいに紹介すると思います。


鬼滅の刃は何故面白いのか=作品の感想を自分で考える時代は終わった→そして起きること

最近の若者な俺らって、周りの人の感想を見て初めて自分の感想が持てるんすよね。ざっくりまとめるとそういう話。

若者に限る話かは置いておいて、これは正しいと思っています。そして、私が自分の作品について裏話を語りたくないのも、ボドゲ―マに作品ページは作るけど紹介文は書かないのも、面倒だからではなくこの傾向への反逆心のようなものから来ています。作者が作品について語るとそれが正解になってプレイヤーが「そう遊んでしまう」ので、せめて他の人がレビューを書くまではがんばって自分で面白さを見つけてくれというめんどくさい心理の発露なわけです。同じ理由でキャッチコピーも作りたくないですし、ぱっと見以上のギミック(「ツミカブリ」がデッキ構築的な要素が入っていることなど)もプレイヤーに発見してもらいたいので自分からは言いたくないです。

このnoteも、面白さとして挙げている部分はそういう人たちが求めていそうなところ(何話のこの場面ってあれが伏線になってるから泣けるんすよとか)をわざと外して、感想を作らせるシステムのみを考察しているのもそういうことです。あと単純に「〇〇 ネタバレ」で検索して読みもせず筋書きだけ摂取して満足する人が嫌いなので、試し読みリンクを貼って具体的な内容は自分で読めよというメッセージを発しています。

あ、こういうやり方してると今の時代なかなか売れないので、ちゃんとこの道で生きていきたい人は「〇〇が面白いんですよ!」と説明してあげてくださいね。


【ゲムマまとめ】不得手でもアタシしゃ好きなんですよトリックテイキングが。だからゲムマ秋で個人的注目のトリテ7選 だっ!〈気になるボドゲ・ゲームマーケット2020秋〉vol.4

10/31ゲームマーケット事前PR会ー双六小僧の新・ボードゲーム放浪記

11/1アサシュピ(池袋)ー双六小僧の新・ボードゲーム放浪記

むちゃくちゃなこと書いたので、宣伝して中和しておきます。

私が面倒なやり方にこだわっている分、こういう皆様の宣伝が本当にありがたく、助かっております。明日も試遊会あるのでよければお越しください。



今週はいつもと毛色が違って、私の脳内垂れ流しの恥ずかしい感じになっている気がします。ゲムマ前でブレーキが壊れているのでしょうか。

もしかしたらまた見返して一部削除するかもしれませんので、残しておきたいという方は今のうちにpdfで書き出すか魚拓を取っておいていただければと思います。

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