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理由なく溢れてくる涙を探る


明確な理由がわからない涙が、溢れて止まらなくなることがある。

そんな夜は眠れないし、正体不明の涙はなんだか気持ちが悪いので、今にも物理的に叫び出しそうな身体を押さえつけて頭を冷静に回そうとしてみる。

いくつか理由が見えてくることもあるが、そういう涙は大抵、ひとつの物事に起因しているわけではない。
今日の私の場合、あらゆる出来事に対して無意識のもとに自分を否定し続けてしまっていたのが原因のように思う。
仕事がうまくいかないのも、プライベートのあれやこれも、私がダメだから、と。
 
でも、「私には何もないし何もできないし、どうしようもないなあ」って、私は今夜そう思ったわけではない。
いや、正確には、そう思ったけど、ちゃんとその後頭の中で否定した。
一旦否定はしたのだ。

昔はそのまま自分を否定しっぱなしで落ち込んでいたが、「26歳になった私はそうではないぞ」と言わんばかりに、ちゃんと否定した。

「何もなくたっていい、人と比べなくたっていい、どうしようもなくなんてないよ〜」と、歳を重ねるにつれ、自分に優しくすることもできるようになった。

でも、脳って結構根に持つみたいだ。

無意識下で「ほんと私はダメだな」「しょうもないな」という一度持ってしまった感情が、ふとした時に顔を出す。
出てこないように頭を押し付けていたのだけれど、何かの拍子にぷつんと切れて、堰き止めていた感情が涙としてすべて溢れてきた。きっとそういう感じだ。

涙腺は、ダムと似ている。堰き止めていればいるほど、大量に溢れ出す。
これを書いている今でさえ、「私が書く文章なんて…」とかいう感情が顔を出してくる。

自己否定を否定してあげたのに、ただ堰き止められていただけで正体はダムだったなんて、じゃあどうやって感情を処理すれば良いというのだろう。

今夜は、文字にすると落ち着いてきた。きっと処理の仕方は人によるのだろうな。

明日は寝不足で目覚めるのだろう。こんな涙は流さずに済むようになりたいな。

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