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イラストで解説:自然を見るということ

HTMFの植生調査を2回してくれた植物学者のBen ベンの話をご紹介します。彼は植物学者であり、アーティストでもあり、植生調査の傍らプロとして絵を描いています。20枚のスライドは彼自身が書いた絵やイラストをふんだんに使っていてとてもわかりやすいものになっています。日本語も彼がGoogle translateを使用してスライドの中に入れてくれました。

私たちとはスコットランドつながり。
自然を見るということ。なぜ自然を見ますか? 自然は美しいからですね。
私たちは(あらゆることを)自然に頼っています。
そして、自分のことばかり考えがちな毎日から私たちを解放してくれます。
自然を理解するのために調査をしています
毎日自然の中へ”通勤”し植生調査をしているというと、
「あなたの仕事ってまるで毎日遊んでいるみたい」と言われることもあります。
左:Ben のスケッチ 右:まとまった休日が取れると家族みんなで”遊びに”大都会に出かけます
(休日というとこぞって自然の中へ出かけていく一般ピーポーと逆ですね)
イギリスで使用されている植生分類。一言に自然と言っても実は専門的な分類があり、
専門家の目に自然はこのように映ります。
コドラート=方形枠(正方形枠)を使用して植生の変化を観察するのはよく使用される植生調査の一つです。このイラストもBenによるものでベンの家族が描かれています。
仕事のうちの一つに自然を”評価”するものも含まれます
Benは植物学者には珍しくコケ類も見ることができます(普通は苔の種類が多いのと、顕微鏡学的な精査が必要なため、コケ学者はコケ専門になることが多い)。
イラストはBenによる風刺画。自然開発に伴う利益追求話はWin&Winで、開発者も消費者もみんな楽しめますよ〜といいお話を持ってくるけれども、そこでいつも自然が犠牲になっている。

「small print」=契約書などの一部で、小さな活字で書かれた細則のことです。この部分には、署名する人にとって、その書類が不利になるような、詳細な説明や条件が含まれていることが多くありますが、誰も契約の際に小さな文字の部分を読まない、ということで有名。左のネコたち=開発者がNo small print!と営業スマイルでやってきますが、右の自然=Mother natureが私のことを忘れているでしょう、と怒っています。
Benはアートを通して、自然を見ています。アートを通して、自然の良さを伝えることができると考えています。
日本でも理系、文系と二つに別れ理系(科学)とアート(文系)とは別物のように捉えられることが多いですが、実はなぜ、どうして、という探索的思考を必要とするのはどちらも同じです
Benのジョーク。
自然について講義してくださいと頼まれることが多いのですが、ついついスライド=PPTを作っていると箇条書きになり、専門用語だらけになり、真面目すぎて、型式ばっていて、細かすぎて、想像力にかけ、悪い脅し文句ばかりになり、上から目線で、退屈なものになるよね、本当!
自然というとついつい綺麗でかわいい物ばかりに注目しがちで、普通の自然を忘れがち
自然は面白い、なんていう決まり文句は古臭いので、若い人々にはこっち、こっち、面白くもおかしくもない自然はこちら、とか言った方がいいと思う。
特別なことがいいような気がするけれども
存在しているだけでいいのです。
自然を見る。特別なものを目指す必要はありません。

いつもありがとうございます。このnoteまだまだ続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。