事業再生に認定支援機関が関与しても成功しないケース
前回、事業再生は全ての企業が成功するわけではないという話をしました。
今回は、事業再生の専門家として国が認定する「経営革新等支援機関」が関与しても事業再生が成功しないケースについてお話したいと思います。
まず最初に、「経営革新等支援機関」についてご存じでしょうか。
略して「認定支援機関」と呼ばれています。
認定支援機関とは、平たく言うと「国から事業再生に関する知識を有していると認められた支援事業者」のことです。
これに認定されるには試験に合格したり、実務経験が必要になります。
この認定支援機関には様々な人がいます。
経営コンサルタントだけでなく、税理士、会計士、社労士、行政書士などの士業、金融機関の職員など。
さて、この認定支援機関ですが、どういったスキルがあれば認定されるかというと、
「税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、支援機関等」
となっています。
ここが問題なのですが、
以前、事業再生には「財務的な改善」と「事業本体の改善(売上の回復)」の
2本の柱があるとお話しました。
ところが、認定支援機関になる条件は、「税務、金融及び企業財務に関する専門的知識」といった「財務的な改善に関するスキル」が定められているだけで、事業本体の改善、すなわち、「本業の売上を回復させるスキル」は含まれていないのです。
つまり、「売上の回復」に関しては、全ての認定支援機関ができるわけではなく、「できるところ」と「できないところ」があるということです。
一口に認定支援機関と言ってもベースはさまざまです。
それぞれに得意分野があります。
税務、会計、人事、法律、金融など・・・。
売上を回復させるというテーマを扱うのはマーケティング系のコンサルタントです。
マーケティング系のコンサルタントにはこの分野のスキルと経験がありますのでそのための手立てを持っています。
事業再生を図る企業は、そこに至るまでに既にいろいろ努力をしてきてますので、そこから売上を回復させるにはやはり専門的なスキルがないとそうそう上手くはいかないものです。
事業再生に向けて自社が解決すべき課題を見極めて、それを叶える認定支援機関を選ばないと根本原因の解決ができず、期待する結果を得られなくなります。
これが認定支援機関が関与しても全てのケースでうまくいかない理由の1つです。
あともう一つ、認定支援機関に関して理解しておくべきことがあります。
それについては次回お話ししたいと思います。
★今日のまとめ
認定支援機関はさまざま。
自社の再生に必要なスキルを有する認定支援機関を選ぶこと。
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