閑話休題 冬の夕暮れ
この時間帯はなんていうんですかね。とりあえずこんばんは。
ふと窓から見えたので、冬の夕暮れのはなしをしたいと思います。
私は冬の夕暮れが嫌いだ。
冬の夕暮れだけが嫌いだ。
冷たい風が吹く中、橙色に染められていく建物が嫌い。くらい影が地面に落ちるのが嫌い。
理由はよくわからない。
夕暮れは人を感傷的にさせるらしい。
受験期の気持ちを思い出すから、とかだろうか。
なにかに追われているような焦燥感と、後戻りが出来ない道をあるく不安感。
あの頃が頭でチラついて、息が苦しくなる。過呼吸になったこともある。
冬の時期、学校から帰る時は、どうしても夕暮れの時間帯だから、嫌だな、と思う。
心に冬の空気が入っていくような感覚。身体の芯がすっと冷たくなる。
古傷に寒さが滲みて、昔のことを思い出す。
1番楽しかった中3の頃を。
もしかしたら、私はそのときから変わらないままなのかもしれない。今に置いていかれて、過去にずっと縋ったままで。
あと何回、冬に手を引かれるんだろう。
あと何回、この冷たい空気を吸い込んで、その場で立ち止まったりするんだろう。
思い出したくはないけど、忘れたくはない感覚を、私はいつまで引きずっていくんだろう。
部屋が暗くなったから、カーテンを閉めた。