あなたがもし音楽で売れたいなら

今回は少しニッチなレコーディングに何度か触れている人向けだけど一人一人に考えて欲しいお話。

SNSでたまに見かける"エディット"や"トリガー"に対して嫌悪するプレイヤー。さも”悪”のように書く人も見かけます。

※”エディット”=編集:演奏のタイミングやピッチを補正、修正する編集作業。
”トリガー”=主にはドラムのスネア、キック、タムなどの太鼓類にサンプリングを足したり、差し替えたりすること。

そもそも何故この作業が必要なのでしょうか。エンジニアはレコーディングやミックスよりもここに作業時間をかけることもあります。そんな労力までして何を目指しているのか。
まずあなたはクリック(メトロノーム)に対して100%ぴったりと演奏が出来ますか?そしてその上で少し前や後ろに狙って的確に演奏が出来ますか?
多分こんな芸当が出来るのは地球上探しても1%いるかいないかでなはないでしょうか?よく耳にするグルーヴとはこういうコントロールが狙って出来る事です。
それぞれの楽器のタイミングを機械とエンジニアの感性を使って補正してあげる事で曲のグルーヴをアーティストが目指したい所まで作る事が出来るのがエディットという作業だと思って私はやっています。
全て機械では無くしっかりとプレイヤーが目指すグルーヴを理解してリズムを補正するのが大切なのです。なので時間がかかるのですが。

トリガーが嫌われる理由は恐らく録音した音をサンプル音源にリプレイスだけしてしまうエンジニアさんがいた時代があったからではないでしょうか?ドラムを生音で録音したならそれを元に足りない部分をトリガーで補正してあげるのが私は好きです。何故EQで音色を変えるのはOKなのにトリガーを足してあげるのがNGなのかは私は分かりませんが曲を聴いて良い音源になればOKだと私は思っています。

例えば、あなたがもし美術館に行って「まぁ作品が見てえればいいからそこら辺に置いといて、額もなくても問題なさそうだし外しとくわ」だったらどうですか?
演劇を観に行って「芝居がみえてればいいでしょ!」で蛍光灯がついたまま、大道具も小道具も照明も音響もないような舞台は観たいですか?

あなたがもし音楽で売れたいと考えているのなら使える手段は全て使って100%の作品を作ってみませんか?思い描いた音源は今の時代の技術なら作れます。そのために私たちエンジニア、エディター、プロデューサーがいるのです。

最高の作品を世に出しましょう。

この記事が何か役に立てれば幸いです。

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