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地域循環 木質バイオマスー木材乾燥Cycle カーボンサイクルテクノロジー(12)

地域に潜在する未利用な木質バイオマスを新しい価値に変換する産業の創出が必要である。地域の木質バイオマスのエネルギー利用を活かした事業で活性化を図る。中山間地域は、森林資源が豊富でかつては森林を基盤とした生活が営まれていた。人口減少の過疎化の波が押し寄せている。これを食い止めるためには、地域資源を組み合わせた新しい産業の創出が課題である。

かつてないウッドショックが起こった。安価な輸入材を安定的に持続的に供給することには、輸送に膨大なエネルギーコストを支払い、二酸化炭素を排出することを考えると、国産材を利用し(=省ウッド・マイレージ)、地域の森林を育むことが国土強靭化に必要なのではないか?折しも集中豪雨で熱海で大規模な土石流災害が起きた。昨年は長野県や飛騨高山でも河川の増水による災害が生じている。森林土壌が降雨の緩衝作用を失い始めている警笛ではないのか?

飛騨高山は日本を代表する家具産地である。ところが原材料のほとんどを輸入材に依存している。これを国産材に切り替える場合、地域での木材乾燥が必要となる。木材乾燥には重油ボイラの熱が使われることが多いが、これを木質バイオマスボイラの熱に置き換えて木材乾燥に取り組んでいる。薪ボイラなどでお湯を沸かし、その熱を用いて木材乾燥することができれば、地域の資源を組み合わせて新しい雇用を地域に産むことが出来る。乾燥木材は、無垢材の家具となって二酸化炭素を身近なところで一生にわたり貯蓄することができる。排出二酸化炭素の大幅削減にも繋がるであろう。

「地域の木質バイオマスの熱で地域の木材を乾燥して価値を産む」、これこそ過疎化で消滅する地域を救い、地方産業の再興となる切り札になると考えている。さあ!地方から反撃の狼煙(のろし)を挙げようではないか!

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