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先生を好む心理&恨む心理「防衛機制の転移」

今はやっていないのですが、数年前にライティングの講師業をしていたことがありました。

「自分には縁遠い」と感じていた講師のお仕事でしたが、やってみると非常に刺激的で、見える景色がまるで異なっており、当時かなりのやりがいを感じていました。

マインドブロックの存在

最初は「テクニックを身につけたい」「こういう仕事や案件を獲得したい」という目的で来てくださる方が多かったのですが、だんだんとマインドをブロックしているものが姿を現します。

マインドブロックとは「知らないうちに自分で自分に課した天井」という意味で、ご本人が自覚するのは至難の業。

「成長したい自分」と「今のままでい続けたい(成長したくない)自分」が拮抗しており、ひとりの人間の中で戦い始めるんですね。

このブロックを自覚しており、外し方を心得ている人は、成果が早く出せるようになっており、リニアモーターカーばりの速度で成長を遂げられます。

もちろん地頭のよさもありますが、驚くほど成果を出すのが早い方もおられました。

中々マインドブロックが外せない方は、幼いときに親から掛けられたネガティブな呪いのような言葉が、ずっと心に残っており、それが歪んだ認知や自己認識になっていることもあります。

陽性転移と陰性転移

さてここからは、講師のポジションに立つと向けられやすい感情について。

例えば、週に1回の講義を数カ月間に渡り行うとしましょう。

このプロセスで、講師ポジションの人間は好悪というふたつの感情を向けられることがあります。

「この先生めっちゃ好き! 最高! もっと色々教わりたい!」となるときもあれば

「なんやねん。髪型からしゃべり方、しゃべる内容まで全ていけすかんわい!」となることも…。

これは心理学でいうところの防衛機制の転移

防衛機制とは……「受け入れがたい状況、または潜在的に危険なと感じる状況に遭遇した際に、不安を軽減しようとする無意識的の心の働き」です。

転移には陽性転移、陰性転移の2種類があります

教師やドクターなどが、生徒やクライアントから疑似的な恋愛感情を抱かれやすいのは、陽性転移されやすいポジションだからなのでしょう。

以下、転移についての説明を、ウィキペディアから転載させていただきますので、詳しくは下記をお読みいただけると幸いです。

転移(transference)とは、幼児期に存在した重要な人物への感情を、現今の目の前にいる治療者人物(医師やカウンセラーなど)に向ける(転じて移す)事 [6]。この概念は精神分析における臨床現象として特に区別される。この現象には同一視と投影、置き換えと退行などが同時に複数発生する。

転移は次の二種類に分別される[6]。

陽性転移 - 好意、親しみ、甘え、依存、信頼、愛情、性的感情、尊敬、理想化など [6]
陰性転移 - 敵意、嫌悪、馴染みにくさ、腹立ち、不振、軽蔑、恐怖など [6]
たとえば患者-治療者関係において、以下のようなやりとりがある[6]。

「眠れないんです、薬くださいよう」(陽性転移) - 患者は治療者に「やさしい母親」を期待している(理想化)
「眠れないぞ、薬くれ!」(陰性転移) - 患者は治療者を格下げしている(脱価値化)

「防衛機制」ウィキペディア

先日、「異性の親と似た伴侶を無意識に選びやすい」という記事を書きました。

これは、ある意味で過去の重要な人物である親の面影を、親以外の人間の中に見つけているわけで、「恋愛の始まりに陽性転移が含まれている」という見方もできそうです。


尋常ではない怒りは陰性感情!?

こちらも人間ですので、ときに矛盾した発言をすることがあります。

このとき陰性転移の陰性感情を向けられることになり、「前と言っていることが違うじゃないですか? ふざけないでくださいよ!」と烈火のごとく、怒りを向ける方がおられました。

こういう方々は、最初、相手を極端に理想化するケースが少なくありません。

過度に理想化したかと思うと、急に価値引き下げ(こき下ろし)をしてしまう人は、自身の感情を相手に投影(※投影も防衛機制の一種)しているといえるでしょう。

「自分の理想と違っていた…」というショックから、「裏切られた」と脱価値化を起こして、恨みなどのネガティブ感情を抱きます。

このとき相手を亡き者にしかねないほどの勢いで憤激する人も…。容赦のない罵詈雑言は何度やられてもダメージが大きいですね。

もちろん矛盾することを口にし、混乱させてしまった落ち度はこちらにあります。


中には謝罪しても、怒りがどんどん加速していき、ついには抑制できなくなり、席を立って退席していく人もいました(仮にAさんとしましょうか)。

あとで知ったのですが、このAさんは色々なカルチャーセンターで問題を起こしており、出禁になっている方でした。

あとで他の講師の方から聞いて知ったのですが、Aさんはだいたい4回目か5回目の講義で憤怒の感情が表出してしまい、激怒して部屋を出ていくことが多かったそうです。

恐らくご本人の中でバイオリズムがあるのでしょうが、怒るタイミングが完全にパターン化していますね。

顔を紅潮させて苛烈にこちらを罵るAさん。「こっちは一度怒ると自分でもコントロールできないんだ。どうかあんたはこの怒りを受け止めてくれよ!」と叫んでいるようでした。

ギャルの先生を好きになった過去

さて、こちらの記事を書きながら「自分の学生時代の頃はどうだろう?」と考えてみました。

20歳くらいの頃、ギャルっぽい女性教師を猛烈に好きになり、その先生を神格化した恥ずかしい思い出があります。

若き僕にとって、そのギャル先生はまさしく女神だったのでしょう(笑)。

あれは今、振り返ると陽性転移を起こしていた気がしてなりません。

おかげでギャル先生の授業のテストだけ満点でした。

いっそのこと先生を全員ギャルで固めてくれたら、「僕の成績はもっと良かったのに…」と、今さらながら恨めしく思っています(笑)。



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