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【UX名古屋Salon】ペルソナの項目を考えよう

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【日にち】 2020/6/21
【主 催】 @uxnagoya さん
【内 容】 ペルソナの項目を考えよう
【テーマ】「天気アプリ(Yahoo!)の改善」
ある特定の人向けにアプリを改善する際、どんなペルソナの項目を設定するか?
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共通認識のための人物像であるペルソナ。
自分と他者(チームメンバー等)全員が、同じペルソナを思い浮かべる必要があるが、どのようなペルソナの項目を設定すれば、それが実現できるのだろう?をテーマにした回でした。



1.ペルソナについての注意事項

■ペルソナ個人の特徴に注目しよう!
ペルソナは深さが命!ありがちな人物像を描くのではなく、ペルソナ個人の特徴に深~く注目する必要があります。

(例:ペルソナ)
× 電車通勤の会社員
○ 通勤時間が片道2時間の会社員。通勤時は満員電車(JR+地下鉄)を利用して、台風のときはJRが止まって、通勤難民・帰宅難民となった経験がある。


■ペルソナ設定の段階では収益性は考えない!
個別解から一般解に広げる段階で収益性を考慮したサービス設計を行うので、ペルソナ(個)の段階では収益性は無視して、とにかくペルソナと向き合うことに集中するべし!!

■ペルソナの使い方
ターゲットを設定し、そのターゲットの代表者であるペルソナの人物像を深掘りして検討します。検討した情報を検証するためにインタビューやリサーチ等を行った上で、ペルソナを設定します。

ペルソナはごく限られた人物像のため、個別解(ペルソナ)から一般解に広げて、収益性を確認した上で、サービス設計を行います。

※今回のワークでは「ターゲット設定 から ペルソナ検討」までが対象でした。

(全体図)
ターゲット設定
 ↓
ペルソナ検討 > ペルソナ検証 > ペルソナ設定
 ↓
個別解から一般解に広げて収益性を検討後、サービス設計を実施する



2.個人ワークで私がやったこと

ペルソナの項目

①ターゲット選定
まずはターゲット(グループ)設定から始めました。
天気をすごく気にする人ってどんな人なんだろう?釣り人・サーファー…海?波?潮?…私には知識がなさすぎて、よく分からん。という事で、まずは私が多少わかる分野に絞ろう!と思い、私がこれまでに天気で嫌な気持ちになった出来事を思い出して、そこからターゲットを選定する事にしました。

【注目シーン】天気で嫌な気持ちになった出来事
【私の実体験】水溜まりを踏んで足元がずぶぬれになった体験
【私以上にこの体験を嫌う人】着物を着ている人(と予想)

着物の人をターゲットに選定したのは以下のような理由から。
・草履は靴よりも濡れやすい
・着物は歩幅が狭く、水溜まりを大股で避けられない
・着物は洋服のように気楽に洗濯できない


②ペルソナをイメージ
ターゲット「着物を着る人」から対象範囲を絞る際、はじめに頭に浮かんだのは「カジュアルな着物姿の女性」でした。彩度が高い大きな花柄、レースの襟、ヒール等の靴と合わせて着たり、金髪もOK!というイメージが浮かびました。
(以前から私はカジュアル着物に興味があったので、この映像が浮かんだのだと思います。)

イメージ出来るとすぐに頭の中でペルソナが、喋り出してくれました。
「せっかく新しい着物で外出したのに、急な雨…。雨宿りして雨は収まったけど、水溜まり踏んじゃって着物の裾と草履がぐちゃぐちゃ…最悪だよ~。こんなことなら着物+ブーツとか、リメイク着物(膝丈スカート)を着れば良かったな…」と。


③ペルソナの検討
次に、このペルソナっぽさ(個性)を表すにはどんな項目が必要かな?と考えながら、ワークシートを埋めていきました。
ペルソナと向き合ううちに、ペルソナが常識に縛られるのを嫌がっている感じがしました。そこで「女性に限定する必要もないかな?」と思い、ペルソナを男性Ver.でもイメージしましたが、特に違和感がなかったので、性別という縛りは不要と判断して、ペルソナの項目から性別を削除しました。



3.反省点「ペルソナの内面の共有」

ペルソナの項目を選定する際、見た目にインパクトがあるペルソナだったので、外見を伝える事ばかりに気を取られてしまい、内面が全然伝えられていなかったと、反省しました…

行動はあくまで結果。
ユーザーは、考え+思い+価値観から無意識に行動を起こす。
そのため、ペルソナの外見よりも内面に注目することが大切!!

考え+思い+価値観(内面) → 行動として現れる(外見)
考え+思い+価値観(内面) → 外見も変わる(外見)

<ポイント>
ペルソナの内面を表すには、【ユーザーの価値観】で、「なぜペルソナはそう思うのか?」という価値観を追記すると良いとアドバイスを頂きました。
この「なぜならば」があるだけで、ペルソナの価値観が他の人にも共有され、他の場面にペルソナを置いたときでも「あのペルソナなら○○するよね~」と判断ができるようになるためです。

(例:ユーザーの価値観)
× 雨で着物を汚したくない
○ 雨で着物を汚したくない
 ・なぜなら着物は気軽に洗濯が出来ないものがあるから(生地にもよる)



4.反省点「生きたペルソナ・死んだペルソナ」

実在の人物と同様に、ペルソナが勝手に動き出して喋りだすくらい、ペルソナの人物像が自分以外の人に共有されるには、ペルソナの価値観を全員が同じように把握する必要があります。
これを実現するには、ペルソナの設定項目から不要な項目を排除して、必要最低限かつ重要な項目に絞る必要があります(不要な項目があるとノイズとなって、ペルソナの人物像を把握する上で混乱を招くため)

つまり、生きたペルソナには生きた項目が設定されており、死んだペルソナには死んだ項目が設定されているのです。

<ポイント>
個人的な感覚ですが、【属性情報】は、死んだ項目を設定しやすいと感じました。
’(年齢・性別など一般的に使用頻度が高いセグメントを記載しがち…)

そのため【属性情報】の情報を、価値観や心情を書きやすい【ユーザーの役割】や【ユーザーの特徴】に書き替えたほうが、生きた項目になると感じました。

(例:生きた項目・死んだ項目)
×【属性情報】年齢
○【ユーザーの役割】年齢の代わりとなる情報を記載
  (例)・着物好きコミュニティに入っている
    ・コミュニティ立ち上げ当初からのメンバー
    ・コミュニティの新人のアドバイザー的存在



5.反省点「個別解から一般解へ広げる」

■個をどこまでマニアックに深掘りするか?
「ターゲット:着物をきる人」→「ペルソナ:カジュアルな着物をきる人」に深掘りする際、ここまでピンポイントに絞り込んで良いのかな?「個別解から一般解」へ広げたときに、収益性が低くならないかな?と心配になりました。ですが、個はもっと深掘りした方が良い!とアドバイスを頂きました。
(ペルソナの範囲が広いと収益性が高そうに見えますが、それは他社も把握済だったり、ペルソナにとっても小さなペインで商品化・サービス化してもあまり必要性を感じない可能性が高いためかな?)


■個別解から一般解に広げる
個別解から一般解に広げる際には、『3.反省点「ペルソナの内面の共有」』で記載した、「なぜならば」を共通項として、該当ペルソナとは別ジャンルの人と組み合わせると広げやすい!とアドバイスを頂きました。

(例:個別解から一般解に広げる)
雨で着物を汚したくない。
なぜなら着物は気軽に洗濯が出来ないものがあるから。

「気軽に洗濯できない」をキーワードにして、個別解から一般解に広げてみると…
・着物
・ハイブランドの服
・コスプレの衣装 など

↓ 私のイメージだとこんな感じ ↓

個別解から一般解へ広げる



6.個人的な感覚

今の仕事では自担当のマーケ戦略考えるのは私一人なので、他者への共有をメインとしているペルソナは業務では使わないかな?と思っていましたが、今回のワークをやってみて、自分の頭の中のペルソナがどんどん鮮明化される感覚があったので、「ターゲット > ペルソナ > 一般解への適応(収益性) > サービス設計」と一連の流れを検討する上で、自分の深掘り用にペルソナを使いたい!と思いました。