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恋人が、初めて仕事で病んだときのこと。



彼氏が、26歳にしてようやく"人間"らしい悩みを持ってくれたと思った。


私の彼氏は、基本的に落ち込まない性格をしており、嫌味を言われても笑って受け流すような人である。


怒ったり機嫌を悪くしたりすることもなく、寝たら忘れる楽観的タイプなのである。(私と正反対でまるで磁石のよう)


踏まえて仕事人間であり、家にいても勉強をし、残業して夜遅く帰ってくることも稀にあった。「休日なんていらない」と言うくらい、仕事にのめり込んでいたのだ。


そんな彼が、とうとう「仕事がつらい」と愚痴をこぼすようになった。


家でも勉強をしなくなり、最近は職場でも上の空でなかなか集中できない状況になっているらしい。


理由を聞くと、周りの先輩たちのレベルが高すぎて自分の能力の低さに落ち込んだり、文章力がなく自分の伝えたいことが伝わらないことが辛かったりするようだ。


他にも色々な理由があり、対人関係も上手くいかずストレスを抱えているようで、甘いものを爆食いしたり、そうかと思えば昼食は全く食べたなかったりと、不安定な状態になっている。


そんな彼の姿を見るのは初めてだったので、ただただ驚き、心配し、少しホッとした。


ホッとした、というのは、彼も私と同じように仕事で悩み、"辛い"という思いを持っていたことを知れたからである。


人は仕事をしていると、どうしても対人関係で悩んだり、上手くいかなくて凹んだりすることがある。


私も、どうしても仕事を頑張れない時があり、仕事中に泣いたり、朝から涙が止まらなくなり休んだりしたこともあった。


気分が落ちている時は、彼が気分転換にと言ってドライブに誘ってくれたり、休日には花畑や海など、色んなところに連れて行ってくれたのだ。


あの時の彼の優しさは今でもずっと覚えていて、彼の支えがあったからこそ辛くても乗り越えていけたのである。


今度は私が支える番だな、と彼を励ましたり、甘いものを買って帰ってきたり、バッティングセンターに一緒に行ってストレス発散したりと自分なりにできることをした。


私以外にも、電話で話を聞いてくれる友達や、1対1で話をして励ましてくれる職場の先輩など彼の周りにいる人も温かく、聞いてもらった安心感からか少しずつ気持ちが落ち着いてきたようだった。


彼は今まで人に悩みや相談をしたことが無かったらしく、今回のこの件で、人に話をすると気持ちが落ち着いたりすっきりしたりすることを知れたようである。


完全に本調子に戻った訳ではなく、まだまだ悩みは解決していないようだが、以前のような明るい彼の姿を少しずつ見られるようになり、私もなんだか嬉しくなる。


こうやって、これからも仕事で悩んだり落ち込んだりしている時に、支え合っていける関係性でいたいなあ、と今回で改めて実感したのである。






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