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大人になった今の方が、母の優しい気遣いが染みる。


23年間の実家暮らしがいよいよ終わり、4月からは彼氏と一緒に同棲をすることとなった。

自分で言うのもなんだが、私はマザコンである。

私の姉は早くに一人暮らしを始めたため、しばらくは母と私と2人暮らしをしていたのだ。

私が晩ごはん作り係で、その他全般を母がやってくれていたのだ。

母と一緒に過ごす毎日は、本当に楽しかったなと家を離れてから思うことが多くなった。

マシンガンのように次々と話す娘の話を退屈な顔をせずずっと聞いてくれていた母。

仕事の愚痴を言う時は、必ず私のことを肯定しながら話を聞いてくれていた母。

しかし私が悪いと思った時ははっきりと助言をしてくれた母。

たまに母が話してくれるちょっとした仕事の愚痴を聞くのも嬉しくて、母のような気の利いたアドバイスをしようと必死に話を聞いていたのも懐かしい。

今は実家には車で1時間ほどで帰れる距離に住んでいる。

先日、忘れ物を取りに帰ると理由をつけて1ヶ月ぶりに実家に帰った。

久しぶりに帰った家は見事に綺麗になっており、色々好き勝手に模様替えをしていたので、思わず笑ってしまった。

母の日が近かったこともあり、カーネーションを渡すとすぐに花瓶に飾ってくれていた。

実家からお古のテレビをもらったので、代わりに新しいテレビが置かれていたのだが、あまりにも大きすぎて変に違和感があった。

夕方頃に帰り、ずっと母と2人でたわいのない話をしていた。

「このテレビな、ユーチューブ観れるねんで」
と嬉しそうに教えてくれた。


そして夜ご飯はすき焼きだった。



LINEでは
「ご飯テキトーでいい?」
って言ってたのに、ちゃんとすき焼きを準備していてくれていたことも嬉しかった。

「引っ越ししたばっかりやから、鍋とか出来てないやろうなーと思って」
と言って美味しいすき焼きを作ってくれた。




大人になった今の方が、母の優しい気遣いが染みるようになった気がする。

あっという間に帰る時間になり、最後に母が買っていたシュークリームをお土産に持たせてくれた。

「あー楽しかったなぁ」

と思わず口に出してしまうほど、久しぶりの実家は楽しくて、温かかったのだ。

母を1人残して、同棲を始めることに最初は戸惑いもあった。

しかし、久しぶりに帰るとなんだかんだ1人暮らしを楽しんでいる母を見て、なぜだかほっとした。

次はまた夏休みにでも帰ろうかな。


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