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衛星データを用いた、ベトナム・ダナン市の土地利用の経年変化の可視化

現在、ベトナムのダナン市を対象とした業務に関わっているので、たまには開発コンサルタントっぽい記事も書いてみます。利用するデータは、ALOS/ALOS2 解析研究プロジェクトにおいて、課題分野型研究:生態系研究グループが作成した、高解像度土地利用土地被覆図とALOS全球数値地表モデルです。今回紹介する地図類は、上記のデータをGIS上で可視化させたものです。

まずは結果から、1990年から2020年までのダナン市の土地利用図を1年ごとに進めていくタイムラプスのようなファイルを作ってみました。

ファイルを落せない方のために、1990年と2020年のみスクリーンショットを下に示してきます。

キャプチャ5
キャプチャ6

とてもわかりやすい結果となりました。農業用地は開発がすすめられ、沿岸の観光地、工業地、商業地、居住地として建築物や構造物が密に建設されて行っているようです。特に南東部はもともと水田であったにもかかわらず、高度開発が進行していますが、果たして大丈夫なのでしょうか。

一方で、西部では、森林面積が増えています。現地の方によると、台風が多いため、土砂崩れ対策として、植林を推進しているのだそうです。データでも裏付けされたため、彼らの地道な活動が成果に表れているようですね。

将来的には降雨量と土砂崩れ発生回数なども経時的に計測していき、森林の増加が土砂崩れの抑制にどれほど寄与しているかなどが分かれば、彼らの活動は政府からの後押しなども得られるかもしれません。

では次に標高図を見てみましょう。

キャプチャ7
キャプチャ8

やはり、南東部は水田として使われていたというのもあり、標高は低いようですね。ほとんどのところで海抜5メートル以下で、3メートル以下のところもかなりありますね。

堤防の建設計画もありますが、これらでせき止めた水はどこへいくのでしょうか。計画を進めるまえに、排水まで検討されているのかも確認しないと、より低地なところへ水が集まってしまいますね。

個人的にここまで海抜の低い土地(かつダナン市は台風の好発地)に住居をかまえたいとはなかなか思えませんが、交通網が十分に発達していない中、仕事場である工場や町中のオフィスに高地(=遠方)から通勤するというのは中々タフな話なのだと感じました。実際バイク事故も多いです。

このような分析を重ねて、都市の将来像を定めていくわけですが、皆さんはどういった提案ができると考えますか?

今回、ベトナムということもあり、30m×30mが1マスという少々ラフな可視化しかできませんでしたが、日本においては国交省がPLATEAUというブラウザ上で高度な可視化をできるプラットフォームを整備しています。

我々の税金を投入して整備しているソフトインフラですので、皆さんもご自身やご家族の住んでいるところの災害情報などチェックしてみてはいかがでしょうか。

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