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聞く読書のすゝめ

今年の1月に倒れてから、数ヶ月本が読めなくなりました。学校にも行けず、毎日寝て過ごす毎日でご飯や排泄をするので精一杯だった日々の中、私の支えになったのは「聞く読書」の存在でした。

芥川賞を受賞された「ハンチバック」の影響もあり、読書バリアフリーという言葉が広まってきました。私は身をもってそれを体感して、紙の本はもちろん大事だけど、それ以外の手段も検討していかなくてはいけないと思いました。

そんなこんなで今日はオーディブルのおすすめを紹介します。新たな読書のきっかけになれば嬉しいです☺️

オーディブルっていうのは「聞く読書」という通り、プロのナレーターや声優・俳優が朗読してくれるアプリです。無料ではないので手が伸びづらい人もいるかもしれませんが、正直2冊聞けば元が取れるお得システムです。
個人的には、倍速やタイマーなどがあるのが嬉しいです。寝る前に、みたいなことも出来るので。

オーディブル作品おすすめ3選!

オーディブルでは文字は表示されないので、言葉が想像しにくい作品はオーディブルには向いていません。やはり展開のある作品の方が話は掴みやすいし、オーディブルに向く作品、向かない作品というのはあります。だからおすすめの作品を紹介することにしました。

1.その日のまえに

重松清/文藝春秋

連作短編の形で、区切りがあることがおすすめポイントです。その日=死ぬ日 の前を描いた作品なので、切なくもあり苦しくもなります。
私は寝るまえに一編ずつ聞いていたのですが、作品を聞いていた期間はやるせない出来事たちに感情を翻弄された日々でした。とくに一番最初に収録されている、「ひこうき雲」はきっとこれからも忘れない、心に残る作品となりました。子供たちの感情の機微を描くのが上手い、さすが重松清です。

2.春のこわいもの

川上未映子/新潮社

この作品はオーディブルファーストと言って、紙版の前にオーディブルで発表された作品です。オーディブルのために作られた作品なので、文字がなくても作品への支障はないように思います。こちらも短編集なので、聞くのにハードルは低いかと思います。
この作品を朗読されている岸井ゆきのさんの声が、不穏な不思議な世界観とマッチしていてとても良かったです。私はこの声を聞きに、何度も「春のこわいもの」を読んでいます。

3.家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

岸田奈美/小学館

岸田奈美さんのエッセイです。車椅子になってしまった母、早逝してしまった父、自閉症の弟との暮らしの中で、岸田さんの大きな愛が書かれたエッセイです。
軽快なエッセイで、くすっと笑える展開もあります。私は掃除をするときやお風呂中に聞いていました。
この続編の「傘のさし方がわからない」もオーディブルにあり、私はその中の全財産を使って外車を買った話がお気に入りです。岸田さんの考え方やセリフが素敵で、なんだか前向きになれそうな気がして作品からパワーを貰いました。


如何でしたか。
紹介した三作品は紙の書籍でもあります。
まだ私はオーディブルを使い始めて半年ほどですが、もっとたくさんの作品がオーディブルや電子書籍に入り、「絶版」する本を無くしてほしいと思っています。

また、文字を読むのが苦手という方、読書を普段しないという方もこういう読書の形があることを知ってもらえると嬉しいです。読書人口がもっと増えてほしい!

読んで頂き、ありがとうございました☺️

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