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ついにUAをフジロックで観れた日

2023年7月、ついに人生初のフジロックへ!
という話は別記事で(しかも前後編に分けて)書いたのですが、
その中でもUAのステージは特段素晴らしく、想いが溢れすぎたためこのように1つの記事にすることにしました。
ぜひUAファンの方にもそうでない方にも届くといいなと思います。
そしてUAを見に行こうというきっかけにもつながれば、なおのこと嬉しいなと思います!

フジロック初参戦あとがき(前編) はこちら↓

(後編)はこちら↓

それでは本編をどうぞ!!!!

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2023年7月29日。第2日のフジロック。
この日のメインステージであるGREEN STAGEのトリはFOO FIGHTERS。
フーファイ好きの友人(同じく初フジロック)とともに参戦した今年のフジロック。最後まで生き延びてフーファイを観ることを約束し、昼過ぎには完全に別行動に。

お互い初参戦となったフジロック。もちろん2人の約束は "FOO FIGHTERSをこの目で観る" でしたが、私個人的にも1つ目標が。




「フジロックでUAを観たい!!!」



UAは興味がありつつなかなかライブを観られていなかった人生。そんな中昨年2022年リリースされたEP『Are U Romantic?』がとんでもなく素晴らしく、ライブに行かなければと一念発起し大阪まで神奈川から日帰りでライブに行ったほど。
初めてのUAとなったそのライブもとても素晴らしかったのですが、UAといえばフジロック。フジロックといえばUA。あの大自然の中でまた聴かなければ、と次なる目標を持って2023年を迎えたところ、なんと自分がフジロックに行く日にUAが出るというミラクルが起こりました。

FOO FIGHTERSはGREEN STAGEで21:10から。UAは19時から1時間10分のステージ。場所はGREEN STAGEとほぼ対極にある、FIELD OF HEAVEN。少しだけハードルの上がる初フジロック。

時刻は18時。
GREEN STAGEでAlanis Morissetteを観終わり、少し空腹を感じました。UAのステージまではあと1時間。FIELD OF HEAVENの近くでご飯を食べてもいいが、並んだら終わり。一方でGREEN STAGE近くのYELLOW CRIFFのお店は比較的空いているはずだが大移動が発生する。
迷っている時間はなく後者を選択。幸いにして食事にありつけることができました。今回のフジロックはあまり食をじっくり楽しめなかったところは反省ですが全てを一度には成し得ない。UAのステージ中にへたれてしまっては元も子もない。まさに "腹が減っては戦はできぬ" を地でいく夕暮れでした。

Are U Romantic? のツアーTシャツに袖を通す。
緑というのがなんだかよい。

時刻は18時30分。
食事を済ませ飲料も調達し準備は万端。あとは30分後のUAのステージに間に合うため、フジロックの会場を端から端まで歩くのみ。体力は十分残っていたので30分あれば着くだろうがきっとギリギリだろうな、と思っていたら早歩きで本当にギリギリ到着でした。


急がば回れのボードウォーク。

FIELD OF HEAVENに着くやいなや、サポートミュージシャンの皆さんが登場。いかんいかん。後方の着席観覧エリアを小走りで回り込み前方のスタンディングエリアに入り込もうとすると、続いてステージに出てきたのはこの日FIELD OF HEAVENのMCを務められていたジョージ・ウィリアムズさん。
そうだそうだ、まだ前説があった。少し歩みを緩め、息を整えながらスペースを探す。程なくしてジョージさんのMCが始まる。ジョージさんはUAとも親交が深く、フジロックの数日前のUA出演のイベントでもMCをされていました。

「皆さんこれから誰のライブですか!?私もこの方をこのFIELD OF HEAVENで紹介できること、とっても嬉しく思います!この大自然に、登場してもらいましょう!UA〜!!!」

このMCだけで既に泣きそうになった。なんとか場所を確保し、息切れの中歓声の渦に飲み込まれる。ついに、ついに現れるのか。UAが。一面森に囲まれ、神妙な顔つきの空。上空の雲の切れ間から登場するんじゃないかと思うほどに雰囲気が形成されていく。
オープニングが始まり重圧なコーラスワークが展開され、本袖からゆっくりとUAが登場。歓声につつまれながら華美な衣装に身を包んだUAが現れたときには、鳥肌中の鳥肌が立ちました。開いた口が塞がらない。このステージに立つために生まれてきたような神々しさ。

この時ばかりは曇り空すら絶景。

オープニングが終わると軽快なギターから始まるのは『太陽手に月は心の両手に』、ここから演奏される数々の曲はいくつものアレンジが重ねられ、この曲も間奏が大幅に広がりずいぶんと壮大な1曲になっていました。しかしUAの歌声が素晴らしいこと。木々に囲まれたこのFIELD OF HEAVENのステージからまん丸い上空に向けて、神話の昇り龍のごとく舞い上がっていくような異次元の歌でした。これが、これが聴きたかった!

間髪入れずに演奏されるのは『お茶』、これは2022年にリリースされたEP『Are U Romantic?』に収録されている表題曲の一つであり、このEPにハマったのは先述の通りですが、この『お茶』はフジロックでぜひ聴きたいと熱望していました。イントロの浮遊感から始まり、曲全体のしっとりとした雰囲気が、この苗場という場所にとても合うだろうな、と想像を膨らませていました。期待どおり、会場の雰囲気にドンピシャ。曇り空くらいがちょうど合うのかもしれないとも思いました。

このあとも同EPから『微熱』、ほかにも『閃光』『スカートの砂』と怒涛の演奏が続く。特に『スカートの砂』のアレンジはすごかったです。原曲はレゲエ調をベースとし、スティールパンの音色が印象的で軽やかなサウンドですが、この日のアレンジはとてつもなくダウナーで、ベース・ギターのリフが厳かな仕上がりになっていました。ある種真逆の世界観となるアレンジかと思いきや、ボーカルラインは一切変わらない。こんなにコントラストが美しくでる曲なのか、ととても驚きましま。このアレンジもステージではベースを担う、バンマスの鈴木正人氏の仕業なのだろうか。

このステージはいくつものinterludeを挟んでいました。これは昨年のツアーなどでも同じ。「なんだこの間奏は!?」と思っているとふと元の楽曲に戻ったり、いつの間にか楽曲が移って行っていたり、と。コーラスワークや時折挟む踊りなども洗練されており、目でも耳でも存分に楽しめるのがUAのステージなんだなとここでも改めて感じました。

刻一刻と表情を変えていく上空。

中盤過ぎ、これまで時間を取ってのMCがなかったがここでUAが口を開く。「このフジロック、天国でみんなとまた会えるなんて、こんなにも幸せなこと、ある?」そうここは天国、FIELD OF HEAVEN。ネーミングも素敵なステージだなと改めて思いました。UAのMCは続く。


「ところで、雨、降ってほしくない?」


ん?どういうことだ?と一瞬考えてしまいました。オーディエンスも同じように、やや反応に窮する。
そこでふと、次の曲はもしや、と心がざわつきました。ここまでは正直『Are U Romantic?』のツアーやそれ以後のフェスで観たUAのセトリと似通っていました。ただ1時間10分という長尺のステージ。もし変えてくるとするとこのタイミングかも?ただ真新しい曲は聴けないのではなかろうか?でも雨?ひょっとして・・・


「夏がこんなにも暑いのも、なにか地球からのメッセージなのかもね。聴いてください。"プライベート サーファー"」



プライベート サーファーだ!!!!!!!




歌い出された瞬間、会場の空気は2-3℃グッと下がったような気がしました。ゆったりとしたリズムと一文字一文字嚙み締められるようなメロディー。確かに雨は降らないに越したことはないかもしれない。けど、この瞬間は降っていたらどんな光景が見られただろうか、と少し夢想だにしてしまうほどに麗しい1曲でした。こんなにも苗場の湿気に寄り添えるだなんて。
フジロックを知り尽くしているUAだからこそ、今日という日がもし雨に打たれて精神的にも厳しいフジロックだったとしたら?と聴衆を思っての1曲だと個人的には受け取りました。なんというピースフルな空間だろうか。そんな真心は伸びやかな歌声に乗せてこのFIELD OF HEAVENに響き渡りました。"ねぇ誰か この世界を 全部洗って" 

暗闇を帯びていくFIELD OF HEAVEN
変わりゆく空を感じるのも楽しい。

そろそろ終わりなのだろうか、と感じたくなかった気持ちと戦いつつ聴こえてきたのは『情熱』。沸くオーディエンス。UAといえば、な1曲です。リリースは1996年とのことですが、懐かしくもあり新しくも感じる、というなんとも不思議な1曲だなと思います。思い思いに揺れるフロア。『プライベート サーファー』で湿気が洗い流された空間にホットな風が吹き込むような、ステージの抑揚が爽快でした。

「苗場の湿気と、八百万の神たちと。またこの天国で会いましょう」とMCも交えつつ、最後に演奏されたのは『ミルクティー』。『情熱』で終わりかな、と勝手に思っていたのでこれは嬉しいサプライズでした。始まる時は薄暮だった空も今はもうすっかり夜の色。そんな暗闇の中に小さく火を灯すようなこの曲は、これからまだまだ夜を深めていく苗場の地にピッタリでした。
全ての演奏を終え、メンバー全員がステージ前方に並ぶ。一礼をすると、全員で手に肩を乗せる形で縦一列に並び、「前、うしろ、前、前、前!」と、ジェンカのリズムに乗せて陽気に退場していきました。登場の一歩目から退場の最後の一歩まで楽しませてくれるという、これぞプロという演出でした。

終始、苗場の空気を大好きになれる素敵なステージだった。仮に雨が降っていたとしてもその雨すら愛せただろう、というのは少し都合がよいかもしれないけれど、それほどにこのフジロックでUAを聴くことができたのは、心に深く刻まれる素晴らしいひとときになりました。場所も時間帯も気候も音色も、全てが運命的に惹き合ったミラクルなステージ。またこの苗場で見られること、楽しみにしたいです。

UAおしまい。すれ違う人たちの表情が皆美しい。


【おまけ】
さてそんなUAですが、今後は10月にビルボードツアー、そして同じく10月には日比谷野音100周年イベント "SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2023 in TOKYO" に出演!日比谷野音で聴くUAもきっと最高でしょう。ぜひその甘美な世界観を少しでも多くの人に感じ取ってほしいなと切に願います。

【祝・日比谷野音100周年
SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2023 in TOKYO】

日時:2023年10月14日(土)、10/15(日) 
OPEN 14:15 / START 15:00
会場:日比谷野外大音楽堂

10/14(土)
出演:サニーデイ・サービス / 岸田繁(くるり) / OKAMOTO’S / chelmico
OPENING ACT:浦上想起・バンド・ソサエティ
10/15(日)
出演:UA / ハナレグミ / ROTH BART BARON / iri
OPENING ACT:グソクムズ


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