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フジロック初参戦あとがき(前編)

来たる2023年7月29日、FUJI ROCK FESTIVALに行ってきました。

通称フジロック。国内有数の大規模音楽フェスで、毎年7月最終週の金土日の3日間で開催され、国内外から多くのアーティストたちが出演します。会場は新潟県・苗場スキー場。辺り一面を大自然が囲み、3日間夜通しでライブが行われています。

そんなフジロックに今年、人生初参加しました。
ずっと行ってみたいと思っていながら、気候の難しさや自分自身の音楽知識の浅さ、距離の遠さなどを挙げながら勝手にハードルを上げてしまい、足が遠のいてしまっていました。
しかし昨年、コロナ禍が落ち着きアーティストたちの来日が解禁されはじめ、フジロックも徐々に賑わいを取り戻している様子をYoutube配信で見て、行かなかったことを後悔来年は必ず行こうとそこで決意しました。

そして29日土曜日のヘッドライナーはFOO FIGHTERS。フーファイ好きの友人に声をかけ力を貸していただきながら(友人もフジロックは初でした)、人生初のフジロックに臨むこととなるのでした。
そんな人生初のフジロック。初だったからこそ色々と感じたことなど、生々しい感想をせっかくなので残しておこうと思います。そして来年以降の自分や同じくフジロックに興味はあるもののこれまで足を運んだことがない、というような方にも何かの巡り合わせでこの記事が後押しになれば、という思いもこめて、書き残していこうと思います。

当日まで -自身のプロフィールと事前準備-

まず、簡単ではありますが私の自己紹介です。

年齢;20代後半
性別;男
職業;会社員(土日休み)
音楽以外の趣味;野球
お酒;飲まない
アウトドア経験;あまりなし

今回の土曜日単日参加にあたっては、普通に金曜の夜まで仕事をして、翌朝自家用車で向かう、という段取りでした。日頃よりお酒を飲まないこともあり、往来の運転をすること自体は全く苦ではありませんでした。
野外フェスは森道市場やサマソニの経験があることや、趣味で真夏の炎天下でもスポーツをしていることから、体力的な自信はありました。ただ登山やキャンプといったアウトドアにはあまり精通しておらず、アップダウンの多い自然の中で1日過ごすことにはやや不安な気持ちはありました。

当日までの準備について。
細かな持ち物などは別記事で詳しく紹介させて頂ければと思いますが、前日に一気にやるのではなく少しずつ準備をしていこう・・・と進めていたものの、トレッキングシューズを買ったのは1週間前、前日も夜11時までパッキング・・・と、どうして荷造りというのはいつも後手後手になってしまうのでしょうか。(私だけ?)
実は当日の1か月ほど前に一緒に行く予定の友人と買い出しにいこう!とアウトレットに行ったまではよかったのですが、8割がたフジロックとは全然関係のない買い物をしてしまったあたりから意識の低さが垣間見えています。
ちなみにそのアウトレットでお互いTシャツを買いましたが、お互いそのTシャツを示し合わせもなく当日着てきたのは少し面白かったです。

とにもかくにも何を持っていけばいいのか分からず、ただ車で行くということもあり、「迷ったらとりあえず持っていく!当日要らないと思ったら車に置いていけばいい!」と問題の先送りをするかのごとく車にあれやこれやと詰め込み、日付が変わるか変わらないかの頃にようやく寝床につけた前日なのでした。

出発・会場入り

今回フジロックの参戦にあたり友人と掲げた目標については

"とりあえずFOO FIGHTERSまで確実に生き延びること"

何時までに会場に着く、とかあのアーティスト観たいとかあれ食べたいとか目標を多く持ちすぎないこと、これをとにかく心掛けました。

もちろん観たいアーティストたちはたくさんいましたが、最悪観られないことも頭に入れながら動くこと。タイムスケジュールもかなり余裕をもって組むようにしました。

そんな感じでダラっと「午前中に着ければよいな」と思いながらAM6時前に池袋に集合し出発。

この時点で当初の予定より1時間半遅れています。

まあそんなことも折り込み済。颯爽と高速に乗るもいきなり逆方向に進んだり、軽い渋滞に2度巻き込まれたりなどは余裕の想定内。特に大きなトラブルもなく車を進めていくことができました。
途中三芳PAによりましたが、ベーカリーがありたくさんパンを買い込んだこと、これが結果的にかなりよかったです。道中美味しくて楽しい朝ごはんになり、かつ会場でもスムーズな食糧調達もできずだったため、日中のおなかの支えになりました。

道中は友人と今日観る予定のアーティストの話などを。FOO FIGHTERSはもちろん、お互いがオススメをシェアしあう非常に楽しい時間で眠気は気になりませんでした。嬉しかったのは、私がスケジュールがかぶっていたAranis MorisetとGO GO PENGUINのどちらに行くか迷っている、という話をし両アーティストの音楽を流したところ、友人はGO GO PENGUINに興味をもち結果ライブを観に行った、ということにつながったことでした。こういったことができるのも車で行くことの醍醐味であります。

都内から高速にのり関越道をひた走り、降りたのは月夜野IC。そこから山道をのぼっていき会場近くの駐車場に停める作戦です。駐車場は事前の苗場プリンスの駐車場を予約していたので、不安は会場前の渋滞のみ。
しかしこの渋滞懸念も、月夜野ICから向かったことでこれといった会場付近の混雑には見舞われることなく、10時半ころに駐車場に到着。とても順調です。

駐車場から会場入り口まではおよそ歩いて30分の計算。民間の駐車場だとこの少し歩く距離があるのがネックですが、行きは下り坂、帰りは上り坂にはなりますがその頃には夜で気温も下がりそこまで苦ではないだろう、と割り切り歩くのを承知で民間の駐車場にしました。
オフィシャルも駐車場はありますが、少し高いのとシャトルバスでの送迎あり、ですがそのバスが混んだりするのかなとも思いやめておきました。


苗場にくること自体が初めてでした

歩きながら、ここに自動販売機か、ここにトイレか、と事前チェックしているようで会場に向かうワクワクでほとんど覚えていないような、な感じで歩みを進めます。
この徒歩で向かう最中も特に大きな混雑はなし。リストバンド交換まで非常にスムーズでした。入場ゲート手前、Yellow Criffの屋台があまり混んでいなかったため、ここでも少し腹ごしらえ。私は牛つくね串を食べ、準備OK(写真なくてすみません)。

正午少し前、いよいよエントランスゲートをくぐります。


写真ではよく目にしてきたエントランス。いざ!

フジロックを満喫① 縦横無尽に駆け回る


そもそもどこに何のステージがあるか全く知らないので、まずは位置関係を友人とともに確認。入場したのは12時で、観たいなと思っていたのは14時からRED MARQUEEでのD4VDのステージだったので、時間に余裕はありました。入場し、RED MARQUEEをチラ見し、おおここがGREEN STAGEか、と。


正午過ぎのGREEN STAGE。素晴らしい景色!

色んなフェスには足を運んだつもりでしたが、GREEN STAGEの壮大さには少し身震いがしました。ここでFOO FIGHTERSなどを観られるのか。楽しみだ。
そしてそのまま奥に歩みを進めます。目指すはWHITE STAGE。ここもちょうど木々の開きがバックになっていて山間の大きな空が見える。ステージはいくらかコンパクトですが、それをも凌ぐ雄大な景色。ちょうどTHE ITACA BANDというアーティストがライブを始めるところだったので、少し一息つきがてら観ることとしました。

小さなモニターが地味に助かる。

これまで曲を聴いたこともなくこの場で初めて観ましたが、スカの要素を持つラテンミュージックを存分にロックで表現をした、非常にノリのよい明るい音楽でした。
非常に盛り上げ上手なフロントマン、そして盛り上がり上手なオーディエンスの息もぴったりで、灼熱もつゆ知らず、飛んで跳ねての大盛り上がりでした。今まであまり深く聴いたことのなかったジャンルの音楽を早速楽しみました。こういう偶然の出会いもフジロックの楽しみのひとつ。

そしてさらに歩みを進めFIELD OF HEAVENへ。GREEN → WHITEもアップダウンがあることから距離以上に遠さを感じましたが、FIELD OF HEAVENへはそれと同じくらいの道のりをWHITEから歩くことになります。上りも下りも。そして舗装は完全ではないので歩きごたえがある。初心者はトレッキングシューズ必須だなとここでも改めて感じました。

木々に囲まれた道を抜け、FIELD OF HEAVENへ到着。これまでの2ステージと異なり、円形に開けた広場にステージがあり木々に囲まれていて、しっとりと音楽を楽しめそうな空間です。広大なステージもよいですが、こういった人の往来もあまりない静かなステージもとても趣深いです。ここでは夕方にUAを観ます。楽しみだ。

GREENと比べると少しコンパクトだけどそれもまたいい。

ここではthe TOYSが演奏していました。タイのミュージシャンで、ギターの腕前は抜群でしかも甘いマスク持ちという才色兼備っぷり。実はここで観る前にJ-WAVEのイベントで彼のステージを見かけており、その時はthe TOYSの弾き語りとこの日も共演予定のichika nitoとのセッションも披露していました。
この日はバンドセットでの演奏で、後半でichika nitoが登場。このichika登場のタイミングくらいで、14時のステージを目指し泣く泣くRED MARQUEEに歩みを戻すことになりました。こればっかりはフェスですとしょうがないですね。

こうして、入場からいきなり会場のほぼ端から端まで歩いて移動。それも往復。先の体力は持つのだろうか。なにせここまで一切曇らず日差しが降り注ぐ苗場。ここ近年では珍しく30℃を超えていたそう。日付が変わる頃までの戦いは続きます。

フジロックを満喫② 水分補給


RED MARQUEEでD4VDのステージを満喫。ラジオでちょくちょく耳にしていたこともあり少し気になっていた。いわゆるハウスミュージック出身でまだ10代。しかし楽曲の振れ幅はすさまじく、色とりどりの演奏が披露された。ステージでバク宙をするミュージシャンを観たのはこれが初めてだったかもしれない(笑)

ところでフジロックといえば、でいくとよくあるのが「そんじょそこらにミュージシャンがいる」ことである。当日までは荷造りもよそに「好きなミュージシャンの人にばったり鉢合わせたらどうしよう、どう声をかけよう、かけていいのかな・・・」とくだらない心配ばかりしていましたが(結局誰にも会わなかったため杞憂に終わる)、
ひとつ、RED MARQUEEの近くのブースで各ラジオ局が入れ替わり立ち替わりで公開生放送や公開収録を行っていたため、このあたりにはラジオDJの方が多くいらっしゃいました!私のよく聴くFM802のDJの方たちも、このあたりでちらほらお見掛けをするなど。
この日は終わってから番組宛にメッセージを送る余力・気力が全くなくて何もできなかったのが悔やまれる!そこは来年以降の課題ということで。

馴染みのあるラジオ局たちが入れ替わり立ち替わりで放送していました。

時刻は15時過ぎ、次観たいTESTSETのステージまでは1時間少しあったのでここで休憩タイム。空腹は感じなかったのでただゆっくりするだけ。今振り返るとこういった休憩タイムが最後まで体力を持たせたカギだったように思う。
いったんエントランスまで戻り、Yellow criffを目指します。このあたりのフードやトイレ、自販機はあまり並ばないということに気が付きました。そしてアーティストグッズも列がほとんどない。特に欲しいものはなかったがとりあえず覗いてみるとすぐに購入に進むことができました。これは覚えておこう。


Yellow Criffの飲食ブース。シンプルに牛串が美味しかった。

このフジロックはとにかく水分補給に苦戦しました。色んな方のレポートを見ていると、何年も来ている人でもここまで水分補給に苦労した年はない、と書いてあるほどでした。それもそのはず、ここまで雨は降らず気温も高い。例年の流れで場内で調達する人も多かったのでしょう。飲料を売る店舗はいくつもあったが、いずれも長蛇の列をなしていました。
個人的に失敗だったな、と思ったのが場内でのメインの飲料販売がポカリスエットなことを甘く見ていたこと。私自身炭酸系飲料が飲めず、こういった体力的な場面ではだいたいアクエリアスや麦茶などで凌いできており、ポカリスエットはあまり日常的に摂取していませんでした。こういった時は日頃自分が口にしている飲料の環境を作り出せることが大事だと痛感しました。
救いになったのは前述のYellow Criffの近くに、水と麦茶の自動販売機が潤沢にあったこと。ここで何度も補充しました。1本250円というのはやや痛手かもしれませんが、追い風になったのはこの自動販売機がCoke-Onアプリに対応していたということ。貯まりに貯まっていたドリンクチケットがここぞとばかりに活躍しました。

なんとか水分補給も間に合ったことだし、TESTSETのステージに向かおう!と会場の方の空を見渡すと、

先ほどまで晴れていた空が嘘のように、暗雲が立ち込めているではないか・・・


そっとレインウェアに袖を通し、再びエントランスをくぐっていくのであった。

(後編に続く)


フジロックの醍醐味?が顔を覗かせる。。。




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