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2021年私的ベストソングTOP10(第3位〜第1位)

ここまで第10位〜第4位、特別賞と紹介させて頂きました。いよいよTOP3の発表です!本当に迷いました。それではどうぞ!(※以下、敬称略)

第3位・・・デビュー30周年記念トリビュートアルバムの先頭を彩るブラスアレンジ

第3位は原田知世『朝日のあたる道』です。

この曲は9月にリリースされた、Original Loveオフィシャルカバーアルバム『What a Wonderful World with Original Love? 』に収録されています。なんといってもアートワークの存在感!その通りの素晴らしいカバーアルバムとなっているのは言うまでもありません。

前もって曲目と参加アーティストが発表されていたのですが、この「原田知世」『朝日のあたる道』の組み合わせを見たとき、期待を裏切られることはまずないだろうという気持ちとともに、ある程度「あんな感じなのかな」みたいな、原田知世の曲を聴いたりして想像してしまうこともありました。そして本作はアルバムの1曲目。いよいよだ、と再生ボタンを押すと、なんと原曲では考えられない音階でのブラスアンサンブルから始まるイントロ!驚いている間に地上に降り立ったかのようなサウンドへ変わり、原田知世の歌が始まる。あまりに奇をてらったアレンジにとても興奮を覚えました。

メロディー自体は原曲からほぼ何も変えておらず、原曲はシンプルなコード進行であっただけに、少し外してくるようなイントロ・間奏がなおのこと際立ちます。それでいて原曲の穏やかさは消さない。完璧なカバーだと思いました。そんな本曲から始まるこのアルバム自体も勿論各曲素晴らしいものとなっています。ぜひ聴いてみてください。


第2位・・・2021年も止まらない"再生" 振舞われた至極の一杯

第2位は東京事変『緑酒』です。

2012年に解散宣言をするも2020年、同じ閏年に「再生」と称し再結成します。ちょうど今日のような、年を越した瞬間にこの再結成の知らせが飛び込み、喜びとはまた違うどこかソワソワする気持ちだったことを覚えています。そして全国ツアーも発表されました。しかしその直後、コロナ禍に突入。予定されていたツアーも東京公演しか開催されず、記念すべき再結成元年はファンの私としては少し物足りない1年となりました。

そろそろ新しいアルバムが出来上がるだろうか、という数のリリースが集まった3月末、リリースされたのがこの『緑酒』でした。元から『キラーチューン』『絶体絶命』といった伊澤一葉サウンドが好きだった私にとってはどストライクでした。単純な個人的趣向もあるのですが、再始動をした2020年ではなくそこから1年経った2021年にこの世界観をもつ曲がリリースされた、というところにどこか感慨深さを感じました。

緑酒とは「よい酒」という意味だそうです。MVでは屋敷にメンバーが集い、楽しげに食事と酒を交わすシーンが描かれます。ただそのシーンのみならず、車で到着したり挨拶を交わしたり装いを整えたり、と一同に会するまでの描写があったことから、この東京事変の "再生" というのは、クラッカーが飛び出すような派手なものではなく、コツコツと積み上げられた日常を経てようやく再会できた密やかな悦びなのだろうか、と勝手に想いを巡らせました。そんなうちにコロナ禍の世の中とも照らし合わせると、めでたいことの裏側に欠かせない地道な日常の暮らしの大切さ、「ハレ」と「ケ」という母国情緒をあまりに丁寧に歌い上げた曲だとしみじみと感じ、今年の中でも特に印象的な1曲となりました。

最初はこの曲が1位でした。しかし熟考の末2位としました。正直どちらも甲乙つけ難かったです。熟考しただけに、後悔はありません。


第1位・・・離れていても音楽は紡げる 9名のシンガーによって歌われる愛の形

大変長らくお待たせしました。栄えある第1位は・・・





冨田ラボ『MAP for LOVE』です!

冨田ラボ、数々の名曲を生み出した名プロデューサー。一番有名なところでいくと、MISIA『Everything』でしょうか。特有のハーモニーが各曲の中に散りばめられており、歌が非常に響きやすい、そういった曲が多い印象です。そんな冨田ラボの本作が2021年ベストソングの第1位となりました。

本作は冨田ラボプロデュースのもと、坂本真綾、長岡亮介(ペトロールズ)、長塚健斗(WONK)、Naz、bird、藤原さくら、堀込泰行、吉田沙良(モノンクル)、Ryohu(KANDYTOWN)といった9名のアーティストが参加。当初は2020年のJ-WAVEの特別番組「J-WAVE HOLIDAY SPECIAL #音楽を止めるな ~STAY HOME FESTIVAL~」の特番内1日限定でかけられたものでした。その後2021年に入り、音源化が決定します。

元々この特別番組というのが毎年J-WAVEが主催するライブ「TOKYO M.A.P.S」と連動したものでしたが2020年はコロナ禍によりライブが中止。それに合わせて立ち上がったプロジェクト「#音楽を止めるな」に合わせて作られたのがこの『MAP for LOVE』で、レコーディングもリモートで行われたり、とこの時代を象徴するような制作を辿ったのも印象的です。

1日限定で流れていたものを聴いたときは「いい曲だな~」くらいで留まっていましたが、改めて聴くと感じるサウンドの柔らかさ、各シンガーのハーモニー、そしてなんといっても歌詞がとても良いです。

君がいつか罪に飲み込まれて負けそうな時に いつだって君の味方につくことを信じてて欲しい

サビの一説ですが、昨今は一つの行動を取るにも非常に勇気のあることが多かったのではないかと思います。その中できっと価値観が合わないことによる衝突や、思わぬ形で疎遠になってしまったことも世の中きっとあったでしょうし、自分の2021年の出来事とも照らし合わせたときに、「少しの愛があれば世の中もっと幸せに溢れる」これはとあるライブでとあるアーティストが発言したものですが、そういった気持ちの大切さをこの歌詞で思い出しました。

良くも悪くもコロナ禍でなければ生まれなかった曲かもしれないし、生まれたとしてもここまで刺さらなかったかもしれません。曲そのものの素晴らしさもとい、制作された背景から今の世の中にリリースされたことの重要性まで何もかもがもう私にとっては必要不可欠な一曲となりました。年の瀬にかけて聴き続けたこともあり、大逆転で1位、という結果となりました。


さいごに

このような形で自分が今年1年聴いてきた曲を書くのも初めてですし、誰でも閲覧可能な形で残すのも初めてです。書く前はここまで書く必要はあるか、開けた状態にしておく必要はあるのか、色々考えましたが、一つの表現の試みとして、書いていてとても楽しかったです。

ラインナップを考えたとき、世の中の流れとも切っても切り離せないのが音楽なのだなと改めて感じました。それはやはり音楽というものが人が作り、人が聴くものだからなのだろうと考えています。2022年のことは、何も分かりません。でも昨年もそんな状態から2021年に入り、これだけたくさんの素晴らしい曲に出会えました。ここに紹介できなかった曲もたくさんあります。2022年も素敵な出会いがありますように!

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