「ことのはたんご」にハマる(ハマらない)

「ことのはたんご」という単語あてパズルゲームがWebに公開されている。
https://plum-chloride.jp/kotonoha-tango/index.html
1日1題出題される、5音(おん)つまり読み仮名の文字数が5文字の日本語の単語を、推理して当てるゲームである。詳しいルールはゲームのサイト↑を見ればわかる。

名古屋文理大学の学生たちの間で流行っていて各自の結果がTwitterに上がっている。中の人は極秘である@hasekenにもUPされている。

「メンドウミ」(図1参照)のよい大学教員としては、お節介にも、ゲームの攻略法について考えて公開しようと思いたち、不用意にも2022年のアドベントカレンダーの1日分を確保してしまった。
https://adventar.org/calendars/7785

図1 「メンドウミ」という正解に4回でたどり着いた例

そもそもゲームに時間を割くつもりは毛頭ないのだが、Twitter上でK橋先生が自分より早く正解にたどり着いたことを知ると、明日は負けないぞ!という闘争心が湧き、また、たとえば図2のような、ほとんど偶然の正解を経験するとドーパミンが自然と分泌されてしまうというギャンブル性を持つゲームである。注)闘争心(競争心)=外的動機、個人の達成感=内的動機

図2 まさかこれはないだろうという死語が正解でしかもたった2回でたどりついて驚いた例

そして、ときは「データサイエンス」の時代である。

そこで、データ解析によって、効率の良い攻略法が提案できると考えたのであった。まず初めに、攻略法1を想定した。

攻略法1:過去の出題をもとに傾向を探る
ところが、
https://note.com/plumchloride/n/n1fcddc29b00c
https://note.com/plumchloride/n/ne63e1d3d193c
のように、すでにゲームの作者が考察していることを知り、過去の正解のデータも公開されていて、単に正解に出現した「仮名」の頻度を数え上げる作業には気が乗らなくなった。
1〜5の何文字目にどの「仮名」が出現しやすいのかも作業は大変そうだ。

そこで、攻略法1は、自分が経験したわけでもない過去のデータから傾向を知ること自体が、フェアでない(ゲーム本来の解決法を超えた姑息な手段)と自分で理由を正当化し、攻略法1(過去の正解データを解析する)を放棄した。
なお、全く関係はないが、「必ずしもフェアでないが解決策として極めて独創的な例」として思い浮かぶのが「コバヤシマル」シミュレーションである。言わずと知れた、若き日のジェームズ・T・カーク船長によるシミュレータプログラムのハッキングだ。興味があればググってみて欲しい。

さて、
攻略法2:過去の出題などを参照することなく、自身の知識と知恵やゲームと関係ない知見を利用して攻略する。こちらの方がフェアであると勝手に考える。

ここで思い出すのが、コナン・ドイル著「シャーロックホームズ」シリーズの「踊る人形」である。

踊る人形の暗号解読法は、英語の文章に使われるアルファベットの頻度から、記号(人形の絵)がアルファベットと一対一に対応することを見出すのである。

そこで「ことのはたんご」のオリジナルでもある英語版「Wordle」

では、私は、Eの入った単語を主にはじめの単語に選ぶようにしている。
ただし、いつも決まった単語で始めるようなことをしないのは、一発の偶然にも期待するためである。これはギャンブルにハマる性格の現れなのかもしれない。

攻略法3 経験による
この記事を書き始めたのは、アドベントカレンダーの指定日当日の昼休みである。昼休みの前半だけでこの記事を書き終えないと昼食を逃すので、「データサイエンス」に基づく「データ駆動型社会」など忘れて、経験・伝統工芸・一子相伝・暗黙知・ヤマ勘・第六感などにたよって考察することにする。卒業研究や学会発表、いわんや論文執筆には最も向いていない(やってはいけない)考察法である。しかも私の「ことのはたんご」の経験は学生たちより短く、何の権威もない。以下に根拠のない「それって個人の感想ですよね」と言われる攻略法を列挙する

(1)図1の回答1回目のように5文字全てが外れる事態は極力避けたい。なんとなく、「ウ」「エ」「ン」「シ」「ョ」(拗音)
などが頻度が高い気がする。
外来語が正解の場合には「ー」(長音)も登場しやすそうに思える。

(2)1文字目が確定できると色々な候補を思いつきやすい(私の場合)
なので、図1の2回目のように1文字でもヒットしたら次にその文字で1文字目が特定できないかすぐ試す(ただし図1の例では試しは失敗)。

(3)正解に出されそうな単語をカンを働かせて読む
「ユキドマリ」が正解の回があった。Twitterを見ると「行き止まり」を想定しながら「イキドマリ」と回答して1回損したプレイヤーが多くいた。出題者の嗜好を読み切り、ネガティブな意味の単語や固有名詞は除外して、ときに少しマニアックな(たとえば図2の例のような)回答をするとよいような気がする。

結論:競馬と同じだ。理屈をあれこれ言っても、結局は予想は気分や偶然にたよるのだ。ギャンブルに勝って大穴を当てるほど喜びも大きい。

いや、もう足を洗います。

以上

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