見出し画像

015:精油のブレンド学とフレグランス的調香と商品化(?)

前回、ホリスティックアロマテラピーが、単なるいい香りでマッサージをすることではない話を書いたと思いますが、そこで、アロマセラピストは、香りの好ましさ(芸術性=アート)と、精油の薬理作用(薬学、解剖生理学、病理学=サイエンス)の双方バランスよくブレンドする事をお話したつもりです。

少なくとも、IFA認定アロマセラピストは、この哲学をもとにブレンドを処方する為に、精油の化学、解剖生理学、病理学を学習します。

一方で、薬理作用を重視して、クライアントにとって「好ましい」と思えない香りを処方していいか?と聞かれれば、私が受講生の時には、はっきりと回答してくれる講師はいなかったので、これは、後に私が自分で学習していく中で導き出した結論なのですが、好ましいと思えない香りに、どんなに有用な薬理作用があっても、それを使い続けることができない事、「良薬口に苦し」なんだから、我慢して使うべきか?と言えば、我慢することが既にストレスとなり、あるいは、海馬や扁桃体の負担となり、欲しかった薬理作用ではなく、ストレスホルモンの方が上回るようでは、まったく意味がない。と言うことになると考えています。

この為、有用な作用のある精油のグループから、より、クライアントの大脳辺縁系が心地よいと反応してくれる精油を選ぶことに意味が出てくるのです。
しかし、目的とする作用がないのでは意味がありません。
この絶妙なバランスが大事だな。と言うことです。

ただ、人間は不思議なもので、良くなりたい!と強く思っていることに対して必要な精油を心地よく感じます。本当に不思議で、これは、多くのお客様のおかげで知り得たことなのですが。
逆に、体調を悪くする臭気成分もあるのも事実です。
これは、特に近年『香害』と、言い得て妙なワードが作られた位に、体調不良を感じる人が増えています。
化学物質過敏症の私としても、大変困っています。合成香料もさることながら、何日も同じ香りが続く処方に使われている化学物質、抗菌と謳われる処方に使われている化学物質、いずれも前頭葉に鋭く刺さります。

私の第一トリガーは副流煙なので、脳のどこが痛いかでタバコの銘柄も当てられるのではないかと思っていた時代もありますが、今は、脳のどこが痛いかで、使用されている洗剤柔軟剤が当てられるのではないかと思うくらいです。
話は、それましたが、そんな風に、嗅ぎ分ける知覚認知だけでなく、脳のどこかが痛いと言う弁別も私にはあって、精油のように自然界のバランスに従って配合された成分も重なりすぎて、尖ると「痛い」に変わります。
え?こう言う研修をしているのはマゾなのかって?いやいや。筋肉育ててる人と同じですよ。多分。


そんなわけで、私は、市販の香水のサンプリングはなかなか難しいのですが、ゲランのインペリアルや、ミツコは、試香が可能でした。

そもそも「香水」を紐解くと、最初の「香水」は、ケルンの水(オー・デ・ケルン→オー・デ・コロン)で、あったと言う説もあります。このケルンの水は、水ではなくアルコールに柑橘類やハーブの精油を希釈したもので、完全に、現在の香水の原型となっています。これは、薬用の用途で使用されており、現代の香水とは、微妙に違う気がします。

現代の香水は、ただただ香りのアート性を追求して、調香師や香料業界によって作り出された単離成分や合成香料などを複雑に計算して、香りを自由自在に変化させていくものだと思います。
これを精油だけで組み立てようと言うのは、難しさのベクトルが全く違う方に向いていると思いますが、むしろ、精油の構成成分と比率とをしっかりと脳に叩き込むには、とても良い研修となりました。

あ、私は、アブソリュートは、溶剤がなんであれ、ホリスティック・アロマテラピーには、使っていません。体に塗布する事を考えると、エッセンシャルオイルのみでブレンドしたいと思っています。たまに、過緊張すぎるクライアントに、芳香のみでジャスミンサンバックを利用した方が緩みそうだなと思う方がいると、使うこともあります。でも、塗布は控えています。

そんなわけで、ホリスティック・アロマテラピーには使わない天然香料としての精油も、ついつい購入して、研修費用がかさんでいます(笑)

この研修の成果を、是非、販売させてください!

これを書いている今現在は、卒業制作とでも言うのでしょうか?最終提出課題に取り組んでいるところですが、そもそも、ブレンドする前のコンセントレと言う部品を作るのに2週間から1ヶ月、ブレンド後に熟成期間が2週間から1ヶ月と言う、長い時間がかかる制作工程なので、作品が仕上がったら、商品棚に置くか、オーダーメイド(受注生産)かのどちらかになると思うのですが、めっちゃ希少な精油とか、二度と手に入らないかもしれない精油もあるので、前回と同じものをください!と言われても、できないかもしれません。
大量生産的には考えておらず、精油も産地や年度で構成成分の比重も変わることもあるので、多分、処方は同じでも、基本1点ものです。

そして、薬機法に抵触しないように『雑貨』として、ルームフレグランスとして販売していこうと考えています。

でも、IFRAのチェックも、精油の安全性ガイド2Eも参照して、安全である事は確認しています。
研修費用として買ってください。お願いします。

とは言え、作品の出品はまだ先です。続報を書きますので、引き続きよろしくお願いします❤︎


フォロー&いいね、コメントなどで応援してくだれば、気が向いて、仕事と研究の合間に、研究成果を書いていくと思います。
もし、ご感想、ご質問など頂けましたら、そのテーマも考察してみたいと思います。
ただ、ヒトミシリーなので、気軽にコメント欄でお返事はできないかもしれません。あらかじめご了承ください。


ご支援ありがとうございます。いただいたご支援は精油の購入や「アロマケア」の臨床研究費としてありがたく頂戴して、研究成果を発表していけるように頑張ります。今後ともよろしくお願いします。