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La Primera Montana

 日本時間5月8日、一つ目の天王山が終わった。

FCバルセロナ VS アトレティコ・デ・マドリー

試合結果はスコアレスドローでお互い勝ち点1を分け合うことになった。

今回の対戦は優勝を決めるのに重要な意味を持つ一戦であったがために、両者にとって引き分けは苦いものであっただろう。

ちなみに、主審はクラシコでお馴染み(?)マテウ・ラオスさん。先月嵐の中で行われたクラシコで本来笛を吹くはずが、直前の体調不良により急遽ヒル・マンサーノさんにバトンタッチ。

以下本日の目次

《プレイバック・ザ・マッチ》

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試合展開としては両者チャンスこそ作り出したものの決定打に欠けるものであった。

前半12分アトレティコのMFトマ・ルマルがボールを持ち、ドリブル中バルセロナMFペドリに接触した直後左足のもも裏を押さえ筋肉系のトラブルにより早い段階での交代となった。また、前半26分にはアトレティコのDFサビッチと競り合ったバルセロナMFブスケツが鼻から出血。一時はピッチに戻るも止血することができずに交代となる。(※ルールでは完全に止血が確認できるまでプレーができない)両者前半の時点で交代カードを早々に切る展開になった。

前半18分にアトレティコはディフェンスラインから上がってきたエルモソがサイドから低めのクロスを供給し、エリア内のコレアが合わせるもバルセロナDFラングレが間一髪でブロックしゴールを阻止する。

前半終盤40分にはハーフラインでパスをもらったバルセロナFWメッシが自ら相手陣内に切り込み、シュートまで持っていくもボールはゴールの右側へ反れてしまう。

このまま前半はスコアレスで終了。

後半バルセロナはDFミンゲサを下げて、DFアラウホを投入。アトレティコは交代選手なし。

立ち上がりバルセロナは相手陣やや深い位置でメッシが倒されてフリーキックを獲得。そのキックにペナルティエリア内へ走りこんだラングレが合わせるも、やや体勢がブレて力のないヘディングになってしまう。53分にはアトレティコがコーナーを獲得し、蹴り込まれたボールはバルセロナの守護神シュテーゲンがパンチング。そのこぼれ球に反応したコレアが威力のあるボレーを打つも、バルサMFイライシュ・モリバがブロック。

アトレティコは後半60分台にサウール、コレアを下げてFWジョアン・フェリックス、MFコンドグビアを投入。現状を打開すべく投入されたフェリックスもこの日は精彩を欠くプレーが続いたため起爆剤とはなることができなかった。

バルセロナは74分にペドリ、デストを下げてセルジロベルト、ウスマンデンベレを投入。この采配の意図としては、相手陣深くまで切り込み中へ持ち込めるデンベレとパスを供給できるセルジロベルトでサイドからの攻撃を活性化させるためであると考えられる。

その後もお互いに一歩も譲らない展開が続き、試合はスコアレスドローで終了。

《レビュー・ザ・マッチ》

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優勝のために重要なこの一戦は両者決定打に欠けるプレーで私が望んでいたほどの白熱する展開とはならなかった。

この試合のボール支配率はバルセロナ54%、アトレティコ46%でややバルサがボールを持っていた印象であった。前半ではバルセロナが一時ボール支配率60%を超えるもアトレティコのソリッドな守備に悩まされ、ゴールが遠かった。一方のアトレティコは今シーズン得点を量産していたスアレス、フェリックスが不発気味であった。さらに、今季のアトレティコの攻撃を支えているジョレンテも、終始モリバのマンマークを振り切れず思うように動けない状況になっていた。

《因縁の天王山》

今回の試合が引き分けに終わったことで、5/10日本時間早朝キックオフのセビージャ VS レアルマドリーが大きなカギを握る。

セビージャが勝利すればまだ優勝の可能性が残り、マドリーが勝利で首位に躍り出て優勝に大きく近づく。

凄く個人的な話になるが、今回の一戦に「因縁」の二文字をつけたのには意味がある。マドリディスタからすれば現在セビージャで指揮を執るロペテギ監督はマドリーの監督を務めた18‐19シーズンで思うような結果を残せずクラシコでは1‐5の歴史的大敗記録を作った。そういった意味から、この一戦は私個人としては「因縁」と銘打った。

それでは、お互いの現時点のコンディションを見てみよう。

まずはホームのマドリーから見てみると、5/7にチャンピオンズリーグ準決勝チェルシー戦をアウェイで行ってから中3日での試合となるため、体力の消耗が懸念される。更に、隔離期間明けのMFバルベルデ、怪我から復帰したDFメンディのコンディションがどの程度回復しているかも心配である。そして、メディカルチェックの結果DFラモスおよび現在療養中のヴァランがチームを外れることになり再びカンテラ出身の選手を起用するほどの人員不足になる。

アウェイのセビージャは前節こそアスレティックビルバオに敗北を喫するも、直近5試合では4勝1敗と好調である。さらに、現在首位のアトレティコに一度勝利しているため手ごわい相手になることは十分に想定される。また、冬にアタランタより加入したパプ・ゴメスが好調を見せているためにマドリーは十分に注意したい選手の一人である。

彼にまつわる面白いエピソードの一つに、前所属のアタランタはガスペリーニ監督がとても厳しい練習をすることで知られている。ある時のインタビューでパプ・ゴメスが記者から「一番楽な瞬間は?」と聞かれた時に「土曜か日曜のゲームです」と答えた。この回答の通り彼は試合を通して走れるガスぺりーに仕込みのスタミナを持っているだけに、消耗気味のマドリーをかき回すことになるであろう。

果たして勝利はどちらの手に渡るのであろうか。必見である。

「!HALA MADRID¡, HASTA EL FINAL」

読了後、以下のアンケートにお答えいただけると幸いです。

《参考記事》


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