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労働生産性の低さ

30年以上前から日本の労働生産性が低いことが指摘されていますが、一向に改善が見られたという話は聞かれません。なぜ日本の労働生産性は低いのでしょう。改善可能かどうかは別にして、実は原因はそんなに難しいことじゃないと思っています。

まず、あなたの隣で業務に精を出している(と思われる)方にこう聞いてみてください。
「会社で仕事をするとなんでお金がもらえるのでしょうか?」
たぶんこの問いに正答できる人は10人に1人もいないと思います。
正解は「直接的であれ間接的であれ、あなたの仕事がなんらかの社会貢献となっているからです。」
そうなんです。あなたもしくはあなたの所属する活動が世のため人のためとなっていて、その仕事に対して対価を払ってくれる人たちがいるからこそお金がもらえるのです。
仮にあなたは電機メーカーに勤めているとしましょう。あなたの会社が作ったクーラーのおかげで夏でも快適に過ごせて熱中症になることを防いでくれています。
あなたの仕事が公園の清掃であれば、公園を掃除することで地域社会に役に立っています。あなたが掃除をしなければ、すぐに公園はゴミだらけになってしまうでしょう。
あなたの仕事が日本国総理大臣だとすれば、国民のために尽力し社会貢献しているはずです。(そうあって欲しいと思います。)
本当はあなたの上司である雇われ管理職の自己顕示欲を満足するだけの仕事とかでお金をもらっちゃいけないのです。

考えようによっては恐ろしいことです。会社員の90%が「会社で仕事をすること」と「学校で算数ドリルを解くこと」の違いがわかっていないのです。そりゃ生産性なんて考えているわけがありません。

話はかわりますが、アメリカでは頻繁に解雇処分が下されます。先月まで、「あの人は勤勉で優秀だ」と言われてた人が、今月雇った人がさらに「勤勉で優秀」だったりすると、月末には私物をいれた段ボール箱を抱えて会社を去っていく姿が見られたりします。
日本ではまずこんなことは起こりません。新しく来たひとがさらに「勤勉で優秀」だったとしても、相当の期間は前の人も同じ業務を続けていくのが普通です。(最終的には他の部署へ異動になったりしますが、よほどのことがないかぎりクビにはなりません。)つまり新しい業務が創設されない限り二人で一人分の仕事をすることになります。ハイ、これで労働生産性はアメリカの半分ですね。

アメリカではある程度のポジションでは常に解雇の可能性を意識しなければいけません。逆にポジションが高いほど結果が出なければ解雇されてしまう可能性が高くなります。なのでそこには継続的な努力が必要となってきます。日本のサラリーマンで「継続的な努力」してるひと、多くはないですよね。(ゴルフを継続的に努力している人はたくさんいるみたいですけど。)

アメリカの方が必ずしもいいという訳ではないと思います。経済が成長を続けられなければ失業率も時には高くなるでしょうし、貧富の差も大きくなる一因だと思います。ただ労働生産性を上げることが必要であれば、やっぱりそこには犠牲にしなければいけないことがあるのだと思います。

公平、平等の名のもとで、みんなで400円の牛丼を食べてつつましく生きていくことを選択した国家ですから、いまさら国力の低下だとか言っていること自体が場当たり的な感じが否めないですが、少なくとも「会社で仕事をすること」の意味ぐらいは、社会に出る前にちゃんと教育したほうがいいのではないでしょうか。

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