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今年の春は、六義園に桜を見に行こう。根津神社もいいな。外濠公園の桜もぜひ行きたいな。そうだ、京都行こう。なんて思ったりしてもいた。

しかし、あれよあれよと言う間に春は終わってしまった。住んでいる街の大通りの桜も青々と茂ってしまい華々しいピンクの装飾が消えてしまったようで寂しい気持ちになった。

一年間で、春が一番好きだ。いや、そんなことはない。どの季節にも素晴らしいタイミングがたくさん存在する。

ただ、春というのは何か特別な気がする。一つの要因として桜が大きな力を持っている気がする。そして何よりピンクなのだ。

ピンクというあの色が絶大な力を発揮しているのだと思っている。

女性らしさや可愛らしさをイメージする方が多い桜だが、自己受容という意味もある。

近年、多様化した日本社会の中で自分を受け入れる時間がないけれど、人が皆桜を見に行くのは自然界に現れるピンク色の集合の美しさと、それを愛でる一方で自分の全てを包み込んでくれる母なる愛を感じているからなんだなぁと思っている。自分も含めて。

春というのは、出会いと別れの季節なんてよくいうが、それは人間界の話であって、生物全般で言えば出逢いの季節である。

新しい命の芽吹き、長らく休んでいた生き物が活動をし、暖かい日差しに伸びをするそんな季節。

別れなどはない。

生命の美しさをありありと教えてくれる素晴らしい季節。

外を歩けば、たくさんの新しさを共有してくれる。

正月よりも一年の始まりを教えてくれるのは、桜が咲き誇る暖かな日差しの日である。

今日から一年!!ではなくて、あ〜、なんとなく一年始まったのかぁ。。

なんて思っている方が一年を大切に過ごせる気がする。

一年に一度しか訪れない桜の季節。

80歳まで生きるとしたら、後52回しか見れない桜を毎年大切にして行きたいと思う。

また来年、この場所であなたを見れることを願って。

hrys

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