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15歳の僕へ贈る。

15歳の僕へ、初めて手紙を書きます。
僕は30歳になりました。ちょうど切りのいい数字だし15歳のあなたに伝えたいこともあるのでここに書いて置いていきます。

15歳のあなたは、中学3年生でとても多感な時期の真っ只中にいます。
誰に似たのか身体が大きく、誰に似たのか口が達者なあなたは何かと目立つ存在でした。でも、本当は黙っていても目立つその存在感が鬱陶しくて仕方ないんですよね。
成績もさほど良くないのに、知識だけは豊富で嫌な子供です。

ネット社会というものが徐々に世界を侵食していくなかで言葉の面白みを見出して、今思えば黒歴史のような前略プロフィールを作ったり、小説を書いたり、挙句の果てには作詞をしていました。
友達といえば数えるばかりでしたが、それでも何かと中心になることが多く、側ににいてくれた人たちは今も思い出します。泣かしてしまった人も怒らせた人もいます。ちゃんと謝っているといいな。

15歳のある日とても大きな心の変化を受けることがあります。
それは一つ夢を諦めるということです。
幼い頃、よく大泉逸郎の「孫」という曲を歌ったのを覚えていますか?
祖母ちゃんがとても喜んで上手い上手いと褒めてくれました。
それをきっかけに自分は歌手になって祖母ちゃんを笑顔にしたいと思いましたよね。
でも、将来は歌手になるから東京に行って歌の専門学校に行きたいという思いは簡単にねじ伏せられてしまいました。当時はなんで頭ごなしにうちの両親は否定するのだろう?と怒りと困惑の混ざった気持ちを抱いたことを覚えています。大人になるにつれ理由がわかるようになりました。そういう世界は甘くないと教えてくれていたんです。
ただ、その事件をきっかけに自分に自信がなくなっていきます。

人一倍繊細で目立つのが嫌いで、涙もろく、いろんなことを気にしすぎる男は自分を愛せなくなっていってしまいます。
何をするにも心のどこかで自信がなくなり。周りの声などが煩わしくなっていきます。
鏡に映る自分が嫌いで布をかぶせたり人の目を見て話せなくなる日も来ます。

しかし、中学校の卒業式の日に初めてあなたは自分の長所を知ることになります。
卒業アルバムの最後のページにみんなから一言ずつもらう中で先生方がこぞって書いてくれる言葉です。

「人並外れた視野の広さを大切に。」

この日初めて僕は人より周りをよく見てることを知ります。
そして今でもその言葉と視野の広さは僕の大きな武器になってます。
たまに傷ですが。

15歳のあなたはこの先、いろんなことが起こっていきます。
高校受験に失敗しますが、大学には行けます。学会にも参加して、憧れていた留学にもいきます。そして就職で東京に行くことになるでしょう。

でも、ここでやはり自分の自信のなさや変に器用なことで自分の心が壊れていくことを感じていきます。

そういえば、あなたの通っている中学校の体育館に飾っている学校のスローガンを覚えていますか?

「気品と実力」

中学生へのスローガンとしては難易度の高いものですが、あなたの視野の広さ、繊細なところ、感情が豊かなところは気品に繋がり、変にストイックなところは実力に繋がります。

だから大丈夫。自分を信じて生きてください。
そして、みんなに好かれなくても大丈夫です。
僕が生きている今は世界に80億人の人がいます。
100人のうち1人があなたを好いてくれても8000万人があなたの味方です。

最後に、たくさん本を読んで素敵な言葉を積み重ねていってください。
ダサいと思ってることも経験してください。
流行りの歌は聞かず嫌いをせずにたくさん聞いてください。
勉強はほどほどにもっと友達と馬鹿なことをする時間を増やしてください。
親と家族にはちゃんと感謝して過ごしてください。

そして未来のあなたは15歳のあなたを宝物のように愛していることも忘れないでください。

上手くいかないこの世界を必死に生きている自分を褒めてあげてください。
未来であなたを待っています。

hrys


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