Jリーグクラブの上場・秋春制移行問題の絡み合い

先日のJリーグかのニュースリリースで、Jリーグクラブの将来的な株式上場を見越した規約の改正が発表されていました。

すぐに株式公開・上場するクラブが出てくることはないのでしょうけれど、個人的には浦和レッズや横浜F・マリノス、鹿島アントラーズあたりは可能性あるのではないかと思っています。

我が愛するガンバ大阪は、今も昔もパナソニックの子会社ですし、多分こちらはそのままでしょう。もしあり得るとしたら、パナソニックの業績が大幅に悪化したり、事業再編がガンバにも及んで切り離されることになる場合くらいでしょうが、良くも悪くもガンバ大阪というクラブは、こういうことで先陣切って上場するタイプのクラブではないですね。

上場で得た資金でスタジアムを新設したり大幅改修する、という動きはヨーロッパではいくつかあるのですが、日本の場合はそもそも立地の問題もあるのでどうでしょうね。先に挙げたレッズ・マリノス・アントラーズはいずれもホームスタジアムが築20年以上経過していますので、先を見越したらいずれはやりそうに思えます。

このリリースと同日に、JFL所属でJリーグ百年構想クラブ資格を持つ鈴鹿ポイントゲッターズに対して、同資格の停止処分も発表されました。

この問題が出たときのTwitter界隈は不穏な雰囲気でしたが、そこから自体はさほど動きがあったようには見えず、結局今回の処分となりました。鈴鹿が所属するJFLからの発表では、

とだけあり、同クラブの発表も上記2件のリリースと同様です。

最終的には日本サッカー協会による処分待ちとなっていますが、JFL開幕の3月13日が近付いていますので、早々には出るんじゃないでしょうか。

しかし、この鈴鹿のような件は稀ですし、Jリーグ所属クラブの不祥事でもありませんが、もしこんなことが将来的に上場したJクラブで起きていたらとんでもない事態になったでしょう。株式上場している企業にはより一層の透明性、法令遵守、ガバナンスが強く求められます。JFAがどんな最終決定を下すか気になります。

また昨月には、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)が2023年〜24年シーズンから秋春制に移行することが発表されました。これまでは春秋制でしたらからリーグ自体も春秋制だったJリーグは楽だったものの、秋春制だったオーストラリアや中東などのクラブは不便を被っていました。それがこの移行によって逆になります。このままではJリーグが春開幕、ACLが秋開幕となり、ACL出場のJリーグクラブにとっては、ACLのシーズン中にチーム編成を行うことになります。

こうなると当然、Jリーグの秋春制への移行が議論になります。これまでは、豪雪地帯での試合開催の困難さや、夏休みの書き入れ時に試合開催できないこと、高卒・大卒選手の入団時期がズレることなど、様々な理由で反対されていて、私自身も反対の気持ちが強かったです。しかし、最近では酷暑により真夏の開催は難しくなってきたと思います。

その一方で特に今年のようにとんでもない大雪があれば、試合開催どころか選手の練習もまともに出来なくなります。北国のクラブが冬場はアウェイゲームの連戦で、かつ本拠地での練習も出来ないとなると公平性の問題にもなり得ます。

それでも秋春制になるとしたら、現実的には
9月開幕
12月に一時的に中断
2月上旬にミニキャンプ
2月下旬から再開
7月に閉幕
7月〜8月はカップ戦、キャンプ
というスケジュールになるのではないでしょうか。

この場合、涼しい地域でのキャンプをするクラブが増えて、その点では北海道などの地域の経済効果はあるでしょう。大赤字の札幌ドームを用いて、連続での試合開催でミニカップ戦なんかも面白いかも知れません。

とはいえ、先の上場の話に無理矢理つなげると、雪国のクラブが上場していたら秋春制移行は減収や成績悪化につながりかねず、一層の反対が見込まれます。逆にこのまま春秋制だと、ACL参加する強豪クラブが上場していたら、ACLでの成績や広告効果の機会損失ということでこれまた問題になります。

多くの問題が複雑に絡み合ってきそうなクラブ上場と秋春制移行問題について、全会一致は無理にしても出来るだけ極端な不公平が生じない形での結論が出ることを祈ります。

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