いいツッコミとアーリークロス

明石家さんまを始めとする多くのお笑い芸人が、テレビを見ているとボケに対するツッコミは間やタイミングが重要であって、言葉はなんでもいいからとにかくツッコめばいい、ということをよく見かけます。

ボケに対して気の利いた上手い台詞でツッコむと面白いのは確かですが、時宜を失うと面白みが当然減ります。ボケがあってのツッコミですから、ボケの面白さを消してしまってはその一連の下り自体が台無しになるのでしょう。

逆に、ボケに対して平凡な言葉でも良いタイミングでツッコむことが出来れば大きな笑いになります。ボケの時点で笑いが成立していれば、最後の一押しを適切な間でツッコむことで、観客・視聴者に笑いが発生するのです。

もちろん今ではボケもツッコミも様々なパターンがあって、どこで笑いを発生させるかという間も様々なパターンがあるのだと思いますが、やはり間が悪いと思われると笑いは起きません。

サッカーを見ているときにも、今できているこのスペースにボールが入ればビッグチャンス、というところで、ボールホルダーがその通りにプレーする場合と、キープに時間をかけてしまってチャンスが潰れる場合があります。

素人が外から見ているのと、中にいる選手とでは状況判断も異なるとは思いますが、相手の守備が整う前にボールを入れて攻め込む、というのは確実にチャンスになるでしょう。

アーリークロスなんかもそうですが、ボール一つもズレないように正確なキックに時間をかけるよりも、少々アバウトでもいいからタイミング良くボールが入った方がゴールにつながります。

そのパスを受ける側の選手が、ピンポイントのパスでなくてもある程度の範囲にパスが来れば収められる能力があるのなら、より得点の可能性は高くなります。

逆に攻め込む良いタイミングを逸してしまうと、守備側の態勢が整ってしまい遅攻を仕掛けることになりますが、前線のスペースを消されてよっぽど良いパスを連続でつなげないとゴールは奪えなくなります。

常にいつでもアーリークロスが良いということではありませんが、攻めるタイミングを逃すと良い結果に結びつけるのは難しいことは確かです。

お笑いとサッカーを無理に比較しているようになってしまいましたが、要はタイミングが良ければ、適当な言葉の「ツッコミ」でも、ピンポイントじゃない「パス」でもいい。時宜を得る才能があれば他の技術が劣っていても活躍できるのではないでしょうか。

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