大学生は、責任を取る成人か、守られる対象か

名門と言われた日本大学アメリカンフットボール部の廃部が先日、正式決定しました。

色んなことがあってのこの結論なのですが、赤の他人の立場からすれば、まあしょうがないでしょ、といった感じに思えます。もちろん、無関係な部員やOBにしてみたら他人事ではないのでしょうけれど。

学生を擁護する声も多かったですが、何度も薬物事件による摘発が続いたこともありましたので、大学内部の廃部方針もかなり強い支持を集めていたのでしょう。

日大内部の上層部では理事長や学長やその他色々な立場の人が色んなことを言って、ややこしさが際立っていますが、悪い意味での伝統から脱却できるかどうかが肝なんでしょう。出来なければまた同様の事件やゴタゴタは続くと思います。

逮捕・摘発されていない部員は無関係なのだから廃部はおかしい、という意見もよく見かけました。連帯責任も今では古い悪習だとも言われます。しかし、アメフトはれっきとしたチームスポーツであり、一部の部員がやらかしたことが他人に影響を与えることは、部員自身が誰もが知っていたはずなのですが、その当たり前のことを何度もやらかしても徹底できなかったのは、部そのものに大きな根本的問題があったと思わざるを得ません。

第一、部員がいた学生寮での犯罪行為であり、アメフト部そのものが無関係だという主張には無理があるでしょう。

もしこれが大学のクラブではなく、どこかの企業で起きた事件だとしたら、その企業は徹底的に叩かれるでしょう。逮捕された従業員はもちろん、経営者も同罪のように言われるはずです。その結果、企業が倒産して無関係の社員が路頭に迷っても(実際はすぐに失業保険が出ますが)、誰もその企業を擁護しません。

日大アメフト部は企業ではないから、あるいは大学生だから大目に見るべきなのでしょうか?

18歳成人となった以上、飛び級入学でもない限り、全ての大学生は成人なはずです。成人である以上は自身で責任を取るべきです。部が無くなるのは無関係の部員の責任ではないですが、やらかした部員が何人もいたら、その部そのものに問題があるので潰します、という結論はおかしいものではありません。

「今の」アメフト部が廃止された後、また新たに「別の」アメフト部を立ち上げる予定もあるそうです。学生リーグの一番下から参加することになるので、元いたトップリーグに戻るのは最低でも数年かかるとのことですが、結局それが落とし所なのでしょうかね。

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