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JFLのFC神楽しまねの退会について個人的感想

サッカーのアマチュア最高峰リーグであるJFLに所属する、FC神楽しまねが事実上の経営破綻に陥り、結果として開幕直前に当たる1月下旬にJFL退会となりました。

これまでのJFLの歴史でも、Jリーグ入りを目指しているチームがプロ化し、人件費や運営費がかさんで結果として潰れてしまう、ということはありましたが、この時期の強制退会は記憶にないですね。もしかしたらあったかも知れませんが。

これにより今年のJFLは奇数となる15チームで行われることになりました。奇数でのリーグ戦は運営面でのややこしさが問題になってきます。最終節で優勝争いやJリーグ昇格を争う複数のチームがあったとして、1つは最終節が試合無しのターンになっていると、他のチームが試合状況によっては2点差負けはダメだけれど1点差負けならOKとして、ロシアワールドカップの日本代表のポーランド戦のような、負けている状況で攻めない選択肢が出てきます。ポーランド戦は日本が敗退する可能性もあったのでギャンブルでしたが、このJFLの場合は争う相手が試合無しなのですから、1点差負けでOKならそれで終わりです。敗退行為によって優勝や昇格が決まるのは本当に問題です。

だからこそ、通常のリーグ戦はチーム数を偶数にして必ず最終節は同時刻キックオフにするのです。一時、J3が奇数で運営された年もありましたが、参加していたJ1チームのU23(ガンバ、セレッソ、FC東京)のどれかを最終節試合無しにすることで、問題を回避していました。U23チームには優勝も昇格も関係ないですから。

昨年の全国地域CL決勝ラウンド3位で惜しくも涙を飲んだ栃木シティFCにしてみたら、もっと早くに神楽しまねの退会が決定していたら、栃木シティのJFL入りもあり得たのですから、そこの関係者は今回の神楽しまねの退会に関しては思うところもあるでしょう。また、過酷な関東リーグを勝ち上がり、全国地域CLの予選ラウンドを勝ち上がって決勝ラウンドに挑まないといけないのですから。

神楽しまねの退会はそのチームの問題ではあるのですけれど、巨視的に見ればアマチュアリーグからプロリーグに昇格(正式には参入)するという仕組み自体に問題があるとも言えます。アマチュアリーグに所属している状態で、プロリーグ入りのために組織を整え、設備を用意し、選手とプロ契約をして、アマチュアチームと戦うのですから、費用を入場料やグッズ販売、スポンサー料などで回収するのも難しいです。

だからといって、遠征費用を削るために全国リーグであることを止めるわけにもいかないでしょう。JFLがアマチュアチームの最高峰リーグであることは、アマチュア選手にとっては侵されざるべき権利だと思います。

Jリーグ入りを目指すチームと目指さないチームの混在が一番の原因なのですが、じゃあ分離するかといってもJ3の下にJ4やJ5を作るのが解決策にもならないでしょう。結局その下部リーグに参加しているチームの経営がいい加減なら破綻するだけです。

JFAやJリーグやJFLの偉い人も色々考えているでしょうけれど、ズバリ完璧!となるような解決策なんて無いですよね。誰かが我慢か不公平か損害を負うことになるでしょう。そしてその度に将来のJリーグ入りを目指している人の夢と時間と労力が奪われるのはなんというか、Jリーグファンとしては複雑であり残念でもあります。

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