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サンマと環境保護と保守派とフードロス

個人的にサンマの塩焼きが好きで、秋にはたいていの定食屋さんでもメニューに加わるので楽しみにしていましたが、去年や今年はサンマが記録的な不漁が続いているため、お手頃に食べられる魚ではなくなってしまいました。

チェーン店の定食屋で言うと、やよい軒や大戸屋でも毎年美味しい生のサンマを食べられました。今年も大戸屋ではメニューに入らない一方で、やよい軒ではこの秋に復活したので食べてきました。

さんまの塩焼と牛肉炒めの定食
https://www.yayoiken.com/menu_list/view/26/827

でもあまり以前ほどは美味しくなかったというか、冷凍物ですかね。お店で焼くので別の店舗にも行ってみないといけませんが、サンマが安くて美味しい魚という地位に戻ることはあるのでしょうか。

ウナギやサンマの漁獲高の減少は日本人の食生活にとって大きな影響を及ぼしますが、水産資源の減少は日本だけの話ではありません。クロマグロもそうですが、世界的にも問題になりつつあります。日本人だけが獲りすぎているというわけでもなく、そもそも世界人口の増加が一番大きな原因でしょう。みんながみんな肉や野菜を食べるわけではありません。沿岸部に住んでいれば、船を出して魚を捕ればカロリーを賄えるというメリットがあります。相対的に貧しい国にも漁獲制限を課するのは難しいでしょう。

ただ、人口増加だけが全ての原因でもなくて、自然環境の急激な変化も理由の一つにあります。海水温の上昇によって魚の生息環境が変わり、不漁や魚の減少につながっているという面もあります。

そうなると、当然ながら環境保護の圧力が強まってくるのですが、環境保護のための様々な規制やルール・マナーに対しては反対も起きます。

経済的な悪影響を理由に各種規制を嫌がるのは、道徳的にはともかく理屈としては分かります。コロナの問題とも共通する点はあるように、規制をかけてストップしたらお金の流れが止まるのは当たり前です。

世の中を保守とリベラルに仮に二分したら、日本人にとって大事な和食を守るのに必要な漁獲高の減少は保守にとって大問題なはずですが、環境保護による経済制限は多分保守派には認めがたいものでしょう。

そういう点では矛盾が生じているわけですが、そこで矛盾を非難したりあるいは無視したりするのではなく、逆にそこから対立を昇華して解決策に導ける知恵が出てくればいいと思います。

単に環境保護のために何でもかんでも規制をすべきだと言うよりは、賛成も増やせるでしょうし、文化も経済も守れるでしょう。とは言っても、さすがにトランプ大統領やボルソナロ大統領みたいに環境破壊をがっつり見逃すレベルだとどうしようもありませんが。

サンマに限ったことではありませんが、少なくともフードロスを減らす仕組みは多くの賛成を得られるはずです。それが経済的に悪影響を及ぼさない形で実現することが必要ですが、機会損失のリスクとフードロスのバランスをどう取っていくかの解決はまだまだ難しそうです。

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