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フロッピーディスクという旧メディアを批判する新聞という旧メディア

6月14日、河野デジタル相がフロッピーディスクでの提出が必要な行政手続きを6月中に全廃するとの発表を行いました。

これに対しては、
「遅い」「まだあったのか」「意味が分からない」といった批判の声もありますが、一応は河野大臣がその職責を果たしているのだからその点くらいは褒めても良いんじゃないかと思います。それ以外のところが嫌いな人もいるでしょうけれど。

ただ、件のFD強制撤廃は、「アナログ規制」と言われているようですが、フロッピーディスクに入っているデータ自体は紛れもなく「デジタル」なんですけれど、それを物理手段として提出させるのが「アナログ」なのでしょう。そもそものアナログである「紙」媒体による提出は無くさないのであれば、「アナログ規制」が残っていると思うのですが。

そして、この一連のフロッピーディスク廃止のニュースを、「紙媒体」の新聞が取り上げて、時代遅れだと政府批判のネタにしているのは、なかなかなレベルのシュールなジョークですね。

新聞自体、旧時代の媒体だと言われたらどうするんでしょうか。

それに対しては新聞や紙の本の支持者にとっては魔法の言葉があります。

「紙には温かみがある」

ほんと、お決まりの言説なのですが、そんなこと言い出したらフロッピーディスクにも温かみを感じる人がいる可能性は考慮しないのかと言いたい。

そもそも、フロッピーディスクが世の中で使われていないのは、アナログ・デジタルどうのこうのよりも、他の製品・サービスが数十年前より圧倒的に向上したため、フロッピーディスクが相対的にもはや役立たないからです。

特に、行政手続きではもうネット手続きを推し進める動きが一般的である以上、物理メディアは不要になりつつあります。

この一連の論理展開は、マスメディアにも応用できるわけで、ネット上の記事ならともかく、紙の新聞なんて同様に不要と言われると反論できないのではないですかね。

個人的には紙の優れた点として、一気に広げられるというメリットはあると思います。小さなメモを机いっぱいに広げて検討するような方法は、現状のデジタル媒体では全く不可能です。いちいち画面切り替えたりしてられません。

ただ、旧メディアだからといってFDを使う省庁を蔑むのは、旧メディアである新聞を読む読者層を新聞自体が蔑むことにつながりかねないのではないですかね。

書いている人はそんなこと考えてもいないのでしょうけれど。

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