隠れトランプ支持者がいるなら隠れ反トランプ主義者もいるはず

前回の大統領選挙では世論調査の結果と異なり、実はトランプに投票した「隠れトランプ支持者」の存在があったことが、トランプ大統領を生みました。

住んでいる場所や仕事や立場や様々なしがらみもあって、大っぴらにあるいは世論調査にも
「トランプに投票する」
とは言えなかった人が結構いた、ということです。

おそらく今年の選挙でもそういう人はいるのでしょうけれど、逆に「反トランプ主義者」も特に政府部内で結構いるのではないかと思います。

トランプの大まかな思想・政策は共感してても、実際の発言・ツイート・行動を見ると支持できない、という役人・高官もいるんじゃないかと思ってしまいます。発言の数時間後に真逆のツイートするとか、人格が本当に一つなのかなと疑念を抱くことも多々ありますが、そういうトップに仕え続けるのは大変です。

アメリカの政治制度・組織では、大統領が代わると、特に政党が代わると役人の大きな入れ替えが起こります。共和党のトランプ大統領が当選して、共和党が選んだ役人ですので本来では役人はみな現職が当選することが自分の利益につながります。

ただ、政策をひっくり返されたりしてたら忠誠心も限りがあるでしょう。第一、共和党支持者とトランプ支持者は必ずしも重なりません。民主党を支持すると自分が首になるので仕方なしにトランプを支持していた人たちも、さすがにこれは、と思ってあと4年も任せられない、と考える共和党支持者もいるでしょう。

役人だけではなく、トランプ支持を公言しているようなグループの中において、トランプはもうダメだと思っていても口には出せないような雰囲気もあるかも知れません。

ただ、まさに同じことが反トランプグループの中でバイデンに対しても思っている人もいるでしょう。息子が中国企業、ウクライナ企業の役員をかつてしていたことはずっと前から分かっていましたが、さらにそこでのスキャンダルも出てきましたし、バイデンを支持出来ないと考える民主党支持者、あるいは反トランプ主義者ももしかしたらいるかも知れません。

そもそも、バイデンが勝って大統領になったとしてもアメリカ社会の分断は無くならないでしょう。トランプ大統領が分断を生み出したわけではなく、分断がトランプ大統領を生み出したからです。ここ数年で分断が進んだことは確かです。トランプ大統領が社会の分断を修復せずに広げたのは確かだと思いますが、自らを産んだ分断を修復するわけないですよね。倫理的にはともかく、自己利益として考えたら分断があった方がトランプ大統領にとっては都合がいいのは当たり前です。

ただ、その分断の進行に疲れてしまった人達もいるでしょう。先述の隠れ反トランプ主義者もその中に含まれます。主義思想レベルではなくこのままではアメリカが危険だと思って揺り戻しがあるかも知れません。その流れを上手く掴めれば、バイデンの勝利となります。

さて、バイデン大統領が実現したら社会の分断は収まるでしょうか? 分断を縮めるにはトランプ支持者の一部を切り崩すような政策が必要になります。民主党が非難してきた政策への事実上の妥協となってしまいますが、実現出来るでしょうか?

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