使用電力が一番少ないデバイスを利用するべきか、一台のデバイスのみを利用するべきか

デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンと大きいものから小さいものまで、ITデバイスとして存在する時代になりましたが、そのデバイスで行う作業も特定のデバイスでしか出来ないというものも減りました。

使いやすさや効率、性能を無視すれば、メール、SNS、イラスト作成、写真撮影・編集、動画撮影・編集、文書作成、オフィス事務作業、電子書籍閲覧、動画視聴、ウェブサーフィンなど、たいていのデバイスでたいていのことは可能です。

もちろんデバイスとしての特性や、作業自体の特性を考えればそれぞれ得意不得意が存在します。そのためにパソコンでMSオフィス文書を作成し、スマホで動画を撮影して、タブレットで漫画を読んで、といった使い分けをすることになります。

ほとんどの作業を一つか二つのデバイスで済ませる人がいる一方で、多くのデバイスを所有して使い分ける人もいます。通信のためのモバイルルータや、Kindleなどの電子書籍専用端末、デジカメのような撮影機器といった特定の用途専用デバイスを含めれば組合せのパターンはさらに増えます。

一台に集約すると持ち運びが楽ですし、使用スペースも電気も節約できるでしょう。しかし、そのデバイスが故障したり不調になったりすると途端に困ります。

その一方でデバイスを使い分けすると、持ち運びに手間もかかり、使用するための空間を多く必要とします。

使い分けた方が良いか、一台でまとめた方が良いかは人それぞれによって向き不向きがあるでしょう。それは当たり前のことで、不自由なく選べるときには各人が自由に使えばいいだけの話です。

しかし、自由にデバイスを使用出来ない場面では何かを諦めないといけません。

例えば、出先、特に旅行や出張などで移動している途中や移動先で利用する時には、デバイスを自宅のように自由には使えません。移動時の持ち歩きを考えると出来るだけ持ち物は減らしたいところです。

例えば、パソコン・タブレット・スマホ・モバイルルータ・デジカメ・電子書籍端末を自宅で使っている人の場合、荷物を減らすならタブレット・デジカメ・電子書籍端末を持たず、パソコン・スマホで代用することもあるでしょう。スマホの通信容量データを節約することを考えなければ、モバイルルータも持たなくても良いでしょう。移動先での利用内容によってはパソコンではなくモバイルキーボード+スマホでも済む場合もあります。

究極的にはスマホだけでなんとかなります。実際、確か高木剛氏や、Twitter社CEOのジャック・ドーシー氏はiPhoneだけで仕事をこなして移動時もその他のデバイスを持ち歩かないと聞いたことがあります。

仕事でも遊びでもスマホだけでなんとかなるのであれば、それはそれで持ち運びも楽ですが、向いていない作業も当然あります。それは許容出来ても、スマホが壊れたりバッテリ切れなどで使えないときに即、困ることにもなります。

また、電子書籍を読むだけならスマホよりも電子書籍端末の方が消費電力は少ないです。モバイルバッテリや充電器の使用頻度の違いも出先では重要でしょう。それは逆の場合も同じで、ただ動画を見るだけならパソコンやタブレットよりもスマホで見る方が消費電力は少なくなります。

平時の旅行先・移動先であれば途中で買い物をしたり誰かに助けてもらうことも出来るでしょうから、それほど困った事態にはならないでしょう。そもそも、そこまで移動時のITデバイス利用について悩む人もあまりいないかも知れません。

しかし、例えば大規模災害時の避難場所での電力利用に悩むことは、誰にとっても起こりうることです。コンセントの数も限られますので、ずっと一人が一つのコンセントを使い続けるわけにもいきません。一つで何でも出来るデバイスのみ充電するか、用途に応じて消費電力が少ないデバイスを使い分けるのか、どちらの方が望ましいのでしょうか?

特定の用途に応じた最も電力効率のいいデバイスを使うメリットは、トータルでの消費電力が少なくなることですが、その代わりデバイスごとに充電が必要です。一つのデバイスで何でもやる場合は充電が簡易というメリットがありますが、用途によっては電力の無駄遣いもあり得ます。

用途ごとに使い分けた方が良いか。デバイスを絞った方が良いか。

充電効率、電気の利用効率から考えるか、充電のしやすさやコンセントのシェアを考えるか。

クリーンエネルギーを求める声が増えていく今、人間単位や時間単位における生産性、生産効率だけではなく、使用電力に対する生産性や、充電・電力供給の共用・共有を考える時代が来るかも知れません。

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