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「心に刻まられるレストラン」に育てていきたい

レストランサービス技能検定 archive

資格取得を目指す方、人材育成・教育担当の方々のご参考として、
会報誌「HRSnews」2024年春号に掲載された「1級レストランサービス技能士 INTERVIEW」佐藤 智香さんのエピソードをご紹介します。

Q1:現在のご所属は?
株式会社倉敷国際ホテル 料飲部、 レストラン ウイステリアに勤務しています。

Q2:この道に進んだ理由は?
倉敷美観地区が好きで、バスガイドかホテリエか迷っておりましたが、
高校時代の恩師の勧めでホテルへの就職を決めました。
内定後の在学中に、授業でテーブルマナーを当ホテル、倉敷国際ホテルで
受講する機会がありました。スタッフの方が優しく声を掛けてくださり、お料理のサービスをする姿を見てホテリエへの憧れが強くなりましたね。

Q3:1級レストランサービス技能検定を受検したきっかけは?
これまで資格を取ろうと思った事はなかったのですが、人事・総務の方に「せっかく長く勤めているのだから挑戦してみたらどう?このホテルで女性初の資格取得者なんてカッコいいじゃない!!」と言っていただき受検を決めました。
流石にいきなり1級を受ける事になったので、ストレートで合格することができず、学科試験で苦戦しましたが、会社のマラソンチームで鍛えた粘り強さで、今回何とかゴールすることができました。

Q4:1級レストランサービス技能士に合格した時の心境は?
実技試験は会場の空気に圧倒されましたが、事前の説明で「100点でも60点
ギリギリで合格しても同じ1級なのだから簡単でしょ。」という言葉に少し心が軽くなったのを覚えています。
実際はミス連発で大慌てでしたが、自分がダメだと思い込んでいる事は、他人から見たらどうでもいい事かもしれない…
と言い聞かせながら帰りました( 笑) 合格発表までの約1ヶ月半が本当に長かったです。HRS のホームページで自分の受検番号を見つけた時は半信半疑で何度も確認をし、合格通知が届いて、じわじわ喜びが湧いてきました。

Q5:合格に至るまでの協力者や恩師とのエピソードは?
入社時からの私の上司である支配人が一番身近な1級レストランサービス技能士であり、恐れ多いとは思いながらもレッスンをお願いすると、お忙しい中時間を作ってくれ、作業時間の短縮の方法を一緒に考え、美しい所作のポイントなど、笑いを交えながら、たくさんのアドバイスをいただきました。また、シェフ達の熱い応援もあり、食材の調達から、食材の特徴、骨のある場所なども丁寧に教えてもらい、「感覚を体で覚えられるくらいやったら
いい」と何度も鯛を焼いてくれました。自分ひとりのために、多くの人達が応援してくれていると思うと、自然と絶対に負けられない!!と思わざるを得なくなりました。

Q6:1級レストランサービス技能士として、また資格取得に向けた努力が役に立ったシーンなどは?
取得したばかりで、技能士としてという場面がなかなかないのですが、実技試験のために身につけた、失敗したときのリカバリー力や指先まで力を抜かない「美しく、丁寧に見せる所作」は発揮できているのではないかと思います。

Q7:1級レストランサービス技能士として目指す料飲サービスとは?
サービスの正確さや技術はもちろんですが、後輩の目標となる存在。これから就職する若者たちが、ホテル・レストランであんな風に働いてみたいと憧れをもってくれて、少しでも今後のホテル業・観光業が盛り上がってくれたらいいな、と思っております。

Q8:後輩やこれから受検される方へのアドバイスは?
「他人の良いところを真似する」ですかね。先輩や上司、尊敬する人を真似てスキルを高める。動きや、話し方、ちょっとしたことでも良いと思うところはオリジナルの模倣をしつつ、自分の色を加え独創性を打ち出して自分のものにする。実技の練習中に同僚から「フランベの手本を一度見ただけで、けっこう出来ているところがスゴイと思う。普段から身近なスタッフのモノマネをしているからなのかな?」と言われました。

Q9:これからのご自身の方向性・希望、考えている事や夢は?
資格を取得したことで、ゲリドンを取り入れたサービスを調理スタッフが提案してくれたりしているので、「心に刻まれる、魅せるサービス」を普通にできるレストランに育てて行きたいです。

名画をモチーフにしたお料理「モネの食卓」

Q10:佐藤さんにとってプレミアムなレストランは?
倉敷の文化を受け継ぐ白壁の町に建つクラシックホテル、倉敷国際ホテルのレストラン「ウイステリア」をご紹介いたします。
ホテル内の中庭や隣接する大原美術館の「新渓園」に囲まれ、緑豊かでゆったりとした時間が流れるレストランです。“ 晴れの国・岡山”と呼ばれるほど、温暖な気候、豊かな自然の恵みが育んだ季節の野菜や、丹念に育てられた畜産物、瀬戸内で水揚げされた旬の海の幸を、季節の趣を感じられるお料理や、大原美術館の名画をモチーフにしたお料理などでお楽しみいただけます。倉敷にお越しの際はぜひ倉敷国際ホテルにお立ち寄りくださいませ。

~上司のコメント~

佐藤さんは毎月幹部だけで行う会議では唯一の女性社員で、レストランの運営を担っていただいており、年間のイベントスケジュールなどそつなくこなし、成果をあげていただいています。今回、HRS の試験で身につけたスキルを今後、現場にどう伝えていけるか、若手社員の教育にどう活かしていくか、円滑なコミュニケーションを含め、チームのスキルアップを期待します。今後もテーブルマナー講師認定試験やソムリエの資格取得を目指し、幹部候補生としてチームの模範になっていただきたいですね。

*2024年4月23日発行の会報誌「HRSnews春号」より転載


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