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【読書感想文】村上海賊の娘

村上海賊の娘 / 和田竜 / 新潮社
1~4巻全巻文庫本、市立図書館蔵書

図書館貸出時のメモから

1巻 2023/9/14~21
2巻 2023/11/1~10
3巻 2023/12/7~18
4巻 2023/12/20~23
2巻以降は"沈まぬ太陽"のシリーズ読了をまって再開した感じなので時間があいている。


読みたい本リストには入れていたのではあるが、読み始めたきっかけは特に深い意味はない。8月末から9月初めにかけて長編を読みすぎてつかれていたので、中旬から軽い本を数こなすように読んでいたのだが、軽すぎるのも疲れるので適度に内容のある文庫版の小説を読もうとして選んだ。

内容的には石山合戦、特に第一次木津川口の戦いで毛利方対織田方が争った中で、主人公の景を含む海賊衆の戦いに焦点を当てた話。毛利も織田も輝元や信長はでてくるが話の都合で少しでてくるだけで、話はほとんど船の上である。

第一次木津川口の戦いは、天正4年に毛利氏と織田氏との間に起こった海戦である。戦闘は主に大阪湾木津川河口で行われた。 戦国時代、織田信長と本願寺顕如との間で十年にわたって争われた石山合戦における緒戦の一つ。

Wikipedia"第一次木津川口の戦い"より

作者の和田竜さんの作品は本作が初めてで他を読んでないので相性云々は言い難いのだが、すごく躍動感があって楽しい戦闘場面に比べ、そうでない場合たとえば駆け引きで戦闘が延ばされている場合などはつまらない。(とはいえ日本の小説作品の平均以上ではあると思うが)
作品全体を通すと戦闘場面が星5つで他が星3つ、全体で評価すると星4つみたいな感じになるだろうか。
今回文庫版で読んだので読む勢いや巻の切れ目も多少影響があると思うが、特に3巻はじめの方はたるんだ感じで読むのがしんどい感じだった。

繰り返しになるが戦闘場面は躍動感があって非常に面白い。表現がうまく映像作品を見ているかのように登場人物たちが動いていると感じる。特に三巻の後半から四巻を通しては両水軍の全面対決となり退屈するところなく一気に読める感じである。

おそらく戦闘場面の表現のうまさの対比で静かな場面での表現が退屈に感じられているのであると思うが(一巻を読んでいた時は比較的楽しく読めたので)、その辺は他の作品も読んで作者の作風を確認したい。


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