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「還元」

噛んだ欠伸の小さな吐息が
春を動かすそよ風ならば

深く冷たく澄んだ瞳が
宇宙の端の惑星ならば

その瞳から零れた涙が
地へ落ちて草木を伸ばし
また地に戻り流れながれ
やがて海に出て地球を包むのならば

君はきっと神様でもなく
天使でもなくもっと粗末な
地上に佇む
僕の愛する人だ

僕の世界をつくるのも
富をもたらすのも緑を枯らすのも
ぐちゃぐちゃにひねり潰してしまうのも

君にしかできない御業で

その様は美しく
穢れている





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