就活うまくいかなすぎて遊牧民になりたい
昨年末に書類選考で落とされて以来サボっていた就活を再びはじめたが、面白いほどにうまくいかない。大学のキャリアセンターに行くと、対応してくれる職員さんは違うのにアドバイスは毎回同じだ。「作品のクオリティも作った量も申し分ないんですが、作風にマッチングする企業は少ないです。ご自分で探してみてください。ガッツはあるようですから、これから頑張っていきましょう。卒業して夏くらいに進路が決まる方も、多くはありませんがいないこともないですので」…
実際は、もっともっともっっっと遠回しな表現なのだが、大体こんな内容だ。「ご自分で」ってことは、キャリアセンターの力をもってしてもお手上げということか…
私の作品には、卒業制作の切り紙アニメの他にも、自分で製本した絵本やイラスト(絵の具やPhotoshop、Illustratorなどツールは色々)がある。自分で言うのもアレだが、どれもかなりファンタジーな作風だ。企業が就活生向けに出している資料を調べたりすると、社会で求められている絵というのは、リアルな絵柄か、アニメのような作風でデッサン力が必要なもの、それからキャラクターデザインが多い。自分の作風が商品としてウケないことを痛感する。単に力不足なせいもあるけれど…
私の通っているコースでは、他の学科と比較するとデッサン力がほとんど問われないし、グラフィックデザインを授業で学ぶこともない。技能的な面だけで言えば、私が作品を通してやってきたこととは微妙〜にずれている(もともと私はグラフィック系の学科を志望して何箇所か受験していたのだが、画力が低すぎて全部落ちた)(でも今の学科が結果的には一番合っていたので、その話は別の記事で書こうと思う)。
一番就職先として多いのは、映像関係やゲームの仕事だと思うが、私はアニメを専攻しているくせに画面酔いにとても弱く、映画を一本鑑賞するだけでもぐったりしてしまう。おそらく、この分野に進むことはない。
スーパーやドラッグストアにいるだけでも頭がぼーっとしてくる体質なので、蛍光灯など人工の強い光が体に合っていないのだと思う。自分で映像を編集する分には、やることが決まっていていつでも休憩できるからか、そんなに支障を感じたことはないけれど、どこかに所属して毎日決まった時間に仕事をするとなると話は変わってくる。
人工の光以外にも、私は電車が大の苦手で、帰省などでどうしても長時間電車に乗らなくてはいけない時は憂鬱で仕方がない。ホームに降り立っただけで嫌悪感を覚える路線もある。ましてや、通勤で毎朝電車に乗らなければならないとなるともう、憂鬱を通り越して生きる気力が枯れそうになる。
しかしそんなことを言っていたら、クリエイティブ職の現場は都心に集中しているわけで、就職先を見つけるのはかなり困難になってしまう。人工の光と爆音と電車と人でごった返す世界有数の大都市トーキョーで、果たして私は生き残れるのか…その前に職が見つかるのか…
ああ…大事に育てられていい大学に行かせてもらえたのに、いい先生や友達にたくさん出会えたのに、好きなことを思う存分勉強したのに、なんというポンコツ加減。恵まれた人間が、必ずしもその分社会に還元できるわけではないことを、自ら証明してしまっている。家族、先生、ごめんなさい。
だけど、今まで自分がやってきたことは決して後悔していない。作品だって、一つ一つ真剣に作っている。私は不器用なので、卒業制作と就活の両立はできなかったし、もしそうしていたら卒業制作のクオリティは今よりずっと落ちていただろう。授業外の作品も、常に自分のやりたいことや作りたい世界観を優先して作った。自分の作品を愛せないような制作ばかりしていたら、死ぬ間際に後悔する気がする。いや、絶対にそうだ。だからまあ、就活生としてはダメだけど、少なくとも自分の選択は間違っていないと思う。人生全体で見れば…
就活で何よりもつらいのは、全く心がときめかないことだ。なんだか嘘をついてるみたいで嫌だな〜と思いながら履歴書を書く。肩の可動域が狭すぎるスーツに、足の指一本動かせないパンプス。手間ひまかけてお金もかけて…これをみんな当たり前にやっているのがすごすぎる。そしてその当たり前のことすら億劫に思う自分。
うう…制作がしたい…早く新しいコマ撮りアニメ作りたい…全部放り出して、どっか知らないところへ逃げるか、家の中でこもっていたい…
そういえば大学受験が終わったとき、通っていた画塾の先生に「お前、遊牧民に向いてるよ」と言われたことがある。なれるもんならとっくになっとるわ、遊牧民。時間とか社会ではなく、自然に従って生きることができたなら、どんなにいいだろう。
現実的な選択肢を考えたら、普通に頑張って就職するか、あるいはリモートワークを探すとか、もういっそ地元に帰ってフリーターになるとか、そのあたりだろうか…
あーもうマジわかんね〜〜〜〜〜〜野原に寝っ転がってたまに変なアニメ作ったりしながら食っていきたい〜〜〜〜〜〜〜キャリアセンターに遊牧民の就職体験記とかないかな〜〜〜〜〜ないよね〜〜〜〜〜
まず自分は就職が嫌なのか、それとも就職活動だけが嫌なのか、わからなくなってきている。最初は、就活さえ乗り越えれば大丈夫だと思っていたのだけれど、企業の資料を読んだり具体的な話を聞いても、自分が就職したあとのビジョンが全く見えてこない。まずい…どんどん舵を切ってはいけない方向に…遊牧民になれない現実を、いったん黙って飲み込まなくては…
もう全てがめんどくさい。今すぐに考えなくてはならないことと、考えなくても良いことの区別がつかなくなってきた。というか、卒業制作が終わったばっかりなのにガツガツ就活しようとしてる時点で無理がある気がする。なるようにしかならん。ほどほどに頑張ります。
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