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酷評で有名な【打ち上げ花火、下から見るか、横からみるか】酷いと思った人は一度この記事を見てほしい!!

みなさん、しっかり自粛は心がけていますか?とか言いながらそろそろ家にいるのも飽きてきたこの頃です。さて、そんな時に偶々見た映画について自分なりに話して行こうと思います。

【打ち上げ花火、下から見るか、横からみるか】

みなさん、一度はこのタイトルを目にしたことがあるのではないでしょうか?
私は、上映前からこの映画がかなり気になっていたのを覚えています。君の名は、によってある意味アニメのイメージが良い方向に傾いてるいた翌年、有名俳優の起用、主題歌には当時から波に乗っていたアーティスト、そして、なんと言ってもインパクトのあるタイトルに、何処か心を惹かれてしまうCM。いやぁ、あのCM見て興味湧かない人は居ないと思うってくらい良かったんですよ。絵も綺麗だし。

いやぁ、ヴィジュアルも良い!! 

そんな褒めるなら見に行ったのか?

   恐縮ながら答えはNoです。

理由は上映当時からの余りの評判の悪さに見る気が失せたからです。友人もそうだったみたいで代わりに新作のスパイダーマンを見に行ったのは今でも覚えています。
そんな映画を今更見ることになるとはこれもAmazonプライム様々といった感じです。
では、それを見て個人としてどう思ったのか?
分かりやすい五段階の評価でいうと3.5です。
3.6とかでもいいかな、でも、4は行き過ぎ、だけど、3.5より下はないという結果です。
これを見て、みなさんは、へぇ、まぁまぁってことね、で肩をつけると思うのですが待ってください。

これAmazonでの評価、2.5なんですよ。

調べてみたら他の動画サイトも大体似たような感じで、全体的にかなり低いです。
これがどれだけ低いかって言ったら、実写版進撃の巨人やハガレンと良い勝負。(これがどれだけ酷いことかは分かる人には分かる)
これを見て自分も低くね?!って思った訳ですよ。
何がそこまで悪かったんでしょう、レビュー欄には以下のようなコメントが残されていました。

・ストーリーの意味が分からない。
・結局何だったの?
・声優起用がクソ。
・え?主人公死んだの?
・何も伝わってこない。
・単純につまらない。
・ヒロインが主人公を好きになった理由が意味不

あららー、ボロクソだなー、声優に関しては、今回菅田将暉さんと広瀬すずさんが担当していました。二人とも本業はプロではないです。それ故に批判は仕方ない気はしますね。(ちなみに私はたまに違和感感じる程度で、そこまでは気にならない程度でしたね。)
1番の批判はストーリーについてみたいですね。特にラストが意味不明だったというコメントがたくさん見受けられました。
それもあって、人によって解釈が沢山あるみたいなんですよね。主人公たちが死んだエンドとか、並行世界に行ったエンドとか、他にも多数。

私も自分なりの解釈を持ちましたがこれが正しいかどうかは分かりません。ですが、少しでも興味がある方は拝見して行ってください!!

自分なりの解釈

話の本筋はヒロインのなずなと主人公典道のとある夏の少し不思議な一日の話です。

彼らはまだ中学一年生ですが、なずなは年齢以上の大人びた雰囲気で描かれていて、何処かミステリアスさを感じさせます。そんな彼女に主人公は序盤から揶揄うように弄ばれ気味です。

(取って、捕まえてよ)
これは自分でもこんな顔になる💦


一方、主人公は、ストーリー序盤から、なずなに何らかの感情を抱いていることが見て取れます。
しかし、これは、好きという具体的な感情では無くもっと前の段階の形に出来ないモヤっとした状態です。実際のところ、小学生から上がりたての中学一年生という時期は難しいもので、恋愛感情というのが芽生え始めはするものの、そう言ったものは小学生の自分たちとは無縁のものだったわけで、自覚しろというのも酷な話です。

で、そんな主人公は、彼女に特別な感情を抱きつつも、それを表すような行動はしません。ですが、その感情は途中で行動として現れます。だから、最初のなずなが彼女の母親に連れて行かれた時、主人公はその原因を作ってしまった友人に激怒してましたね。
彼女を助けられなかったことに関して後悔する典道ですが、とあるアイテムによって時間を巻きもどすことになります。
この時、やり直す前の記憶は蘇ってないような感じでしたが、心は覚えていたのか、彼女の逃亡を手伝うのことになるのです。

そして、場面は駅のホームに移ります。ここでも本気なのかどうか分からない揶揄いまじりの口ぶりで主人公に話しかけるなずな、その途中で、主人公は彼女に、私と駆け落ちしない?と問われます。それに主人公は動揺します。いや、これは仕方ない。誰だってそうなる。で、その動揺してる間に、再びなずなの両親が登場しなずなを連れ戻そうとします。この時、なずなの声でやり直す前の記憶が半端戻ります。そして、なずなを取り返そうと抵抗するのですが、そうは言ってもまだ中1、再婚相手の父親に一髪殴られ簡単にあしらわれてしまいます。

その後、落ち込んだ表情で夜道を歩く典道。いや、やり直せよ、って思うかもしれませんが記憶も半端な状態で大人に殴られれば誰だって萎縮してしまうと思うのです。(しかも、主人公が中1ってこと考えると)
ある意味主人公らしくはないとは思いますが笑

そして、この帰り道で典道は彼の友人たちと出会います。この時、1番仲の良いであろう祐介になずなのことを聞かれます。しかし、典道は曖昧な返事しか出来ません。なにせ、主人公はまだ彼女への気持ちを自覚しきれていませんから。

しかし、灯台に登った時にそれは変わります。
そこから見た花火の形は平べったかったのです。
その時、ここは自分のいた世界でないことに気づき、ここに来るために自分が一度やり直したことについての記憶が完全に蘇ります。この時、主人公のなずなへの気持ちは具体的なものへと変化します。そして、なずなは俺が取り返す、と祐介に言い放ち2度目のやり直しをします。

そして、今度は見事になずなの両親を振り切り、電車に乗った二人。この時、なずなは楽しそうに笑います。普段は何処か作ったような笑顔を浮かべていた彼女ですが1度目も2度目も典道が予想外の行動をした時だけ本音で笑っているように見えます。そして、この列車の中で、なずなはこのまで明かされてなかった自分についての話を主人公にします。
父親についてや、母親の再婚について。
(父親の下を見る限り、最初の海辺で手紙を持っていたのは引っ越しする前に父親に別れを伝える為だったのかな、と思いました。)
この流れからして、なずなは典道に対して心を開いていきます。というか、なずなに関しても元から典道に対して好意はあったように思えますね。最初のプールの競争のくだりと1度目の二人だけでの会話のシーン的に多分そうです。(まぁ、でも、駆け落ちを思いついたのは本当に偶々で、典道がその相手になってくれたらいいな、くらいの軽い気持ちだったと思います。)

そうして、逃亡を続けた末に3回目のやり直しをし、今度こそ、誰に止められることのない二人だけの世界にたどり着きます。しかし、空は相変わらず自分たちの世界とは違うことを知り、主人公もなずなも、ここは自分たちの世界とは違うことに気づきます。
ここで分かることは、結局、二人のいた現実は、なずなが親に捕まってしまう世界であり、いくら別の世界に逃げてもそのは彼らのいるべき場所ではないのです。
つまり、現実に戻るということは彼女との別れを意味します。
それを察しててもなお、主人公は現実よりもなずなと一緒にいたい、と言いました。
それを聞いて、複雑そうな表情をする彼女。
電車の中でのセリフでありましたが、彼女はこの駆け落ちに意味なんてないことに元から分かってました。わかっていても、何かしらの形で反抗したかった。それをして少しでも母親を困らせれたらそれで良かった。
こういうところは、いくら大人びた少女として描かれていても中身は年相応の子供だということが見て取れますね。

しかし、何の奇跡か彼女と典道は親や友人から逃げ切ることに成功してしまいます。
そして、逃走の過程で互いに心が近づいた二人。
それは本当に不思議で幸せな事で出来るならこの瞬間がずっと続けば良いのにと思ったことでしょう。
ですが、彼女は自身の現実と向き合うことを選びます。これは過程の中でそう変化したのではなく元から決めていたことだと思います。
そもそも、悪者として描かれているなずなの母親ですが、彼女自身はその母親に不満を持ちつつも彼女のことを嫌っているわけではないように見られます。だから、母親が昔から歌っていた曲なんて口ずさんだりしませんよね。
何度も男を変えてその男の為に引っ越しまでしようとしている母親に呆れながらも、やはり、それはなずなの一人しかいない母親であり、唯一の家族なのです。だから、彼女の勝手な引っ越しも内心では受け入れてます。ただそのまますんなりと受け入れてしまうのは癪だと感じたので、この一日だけ迷惑をかけさせてやる、とこの駆け落ちという行動に移したわけです。
だから、幾らこの逃亡が上手く行ってもこの時間は今日で終わります。少なくとも彼女はそう決めていました。
そうして、海の場面へと切り替わります。楽しそうに泳ぐなずなですが、主人公は、もう別れを察しているのか少し複雑そうです。
そして、典道がやっと自分の気持ちを彼女に伝えようとしたその時です。真の悪いことに、花火師がもしも玉を花火と間違えて打ち上げてしまいます。
これにより、もしもの世界は崩れ二人は現実へと戻ることとなります。(根拠としては割れた瞬間、空が元に戻っています。)
そして、その飛び散った破片の中に、二人は自分たちが歩むかもしれなかった可溶性を見ます。
その中の自分たちは本当に楽しそうで、幸せそうで。しかし、それはなずなにとってはあり得ない未来なのです。
それを見た主人公は心に動かされるように海へと飛び込みます。そこでキスを交わす二人。これはお別れを意味するキスだったのでしょう。それを理解してか、主人公の顔は笑いながらも泣きそうな表情をしています。そして、最後に、なずなは、今度会うときはどんな世界かな、と言って、水面(自分たちを待つ現実)へと戻って行きました。で、そのままエンディングになります。このエンディングで二人はいません。ここで上のような批判が生まれたわけですね。
そこで私はどう思ったのか?
私の解釈では、二人は現実の世界へ戻ります。なずなは自分の家族と向き合うことを決め、転校してしまいます。それの根拠としては、最後に先生が出席を取る時、なずなの名前はありません。しかし、主人公の名前は呼ばれます。だけれど、それに呼応する声はありません。典道は教室には居ませんでした。
なら、何処に行ったのか。私はなずなに会いに行ったのだと思います。
そう思った理由は、二つあります。
一つは、今度合う世界はどんな世界かな、というなずなのセリフ。これは再び会うことを暗示してるとも言えますよね。
二つ目は、典道はまだ、好きだ、という言葉を伝えれていないからです。いや、キスしておいて何を今更って思うかもしれませんが、これはストーリーに一貫して無理にでも言わせなかったセリフであり、唯一、典道が言い残したことだと言えます。なら、この過程で彼女への気持ちを自覚した彼ならきっと最後の言葉を伝える為に彼女こ元へ向かったことでしょう。
これには反論も出るかもしれませんが、この方がスッキリするしハッピーエンドなので私はそう思い込んどきます笑

と言った感じの私の解釈でした!!これだけ書いたけど自己評価3.5なのは、いくつか理由があります。

・一つ目は登場人物の行動理由が分かりにくいこと。

無論、敢えて具体的にしてないのは意図的だと思いますし、まだ中学一年生である子供にちゃんとした理由と根拠を持って動け、というのも変な話ですが物語である以上、一定の説得力というのは必要になってしまいます。この映画は中学生という立場で描いた結果、こういう立ち振る舞いになっているのでしょうが、それを理解していないと登場人物の気持ちや行動に苛々したりする人もいるかもしれません。

・二つ目は解釈を視聴者に任せすぎなこと。

今だから見返せて考察も出来ますが、劇場ではそれが出来ませんしね。一般客をターゲットにしていてなおかつ劇場で上映するなら一度見ただけで内容がある程度理解出来るような作りを配慮するべきだったと思います。

・三つ目は、社会的なメッセージ性の薄さ。

物語には視聴者に何らかの意図を伝えるメッセージが存在するものですが、これには無いよう思いました。強いて言うなら、これを見て貴方は何を感じましたか?というのがメッセージですかね。これは決して悪いことだとは思いませんし、そういう映画なのだと済ませてしまえば終わりですが、これ故に、何を伝えたかったのか意味が分からなかった、という批判が出てしまったのも事実です。

とは言え普通家で見る分には充分過ぎる良い映画だし、心に何かしら残る物もありました。(少なくとも無理やり纏めた青春系映画よりは何倍も良い)
なので、これを見て興味を持った、もしくは今まで敬遠していたという方は夏が訪れる前に一度見て見ては如何でしょうか?