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#4 「ジェンダー」について

さて、今月から授業が本格的に開始しました。

なので今回は自分の専門についてとうとう書こうと思います。


私はジェンダー学、その中でも経済分野における性差別、ジェンダーバイアス・キャリア形成における日独比較を研究してい(く予定で)す。

(これはあくまでも卒業論文で書きたいテーマなので…)

〇ジェンダー問題との出会い

私が「ジェンダー問題」に興味を持ったのは中学二年生のころ。

小学6年生くらいから新聞にドハマりしていた私は中学二年生の時、「ジェンダーギャップ指数」について解説している記事を読みました。


当時の日本の順位は110位。

私はこの低さに驚きました。え?日本ってそんな遅れてたの?!


その次の年、私は卒業作文のテーマをジェンダー問題にしました。その作文を書くために法律を調べたりしました。今考えれば大学で書くレポートの基礎の基礎ですかね。

その中でも「男女が同賃金でない」ということに大きな衝撃を受けます。「法律で同賃金にするってあるのに何でしてないんですか?!」と若い男性の社会科の先生に問い詰めたことは今でも覚えています。ごめんなさいK先生。。。今考えれば「自分で考えていったん答えだせや」と思います、はい。


このレポートを書いた当時はジェンダー問題を学ぶことが楽しくて仕方なかったですが、私はこの問題を大学生になるまで再び思い出すことはありませんでした。(音楽にのめりこみすぎていたのです)

その後大学生になり、とある尊敬するお姉さまのお誘いで女性地方議員の方にお会いする機会がありました。そしてそれまでジェンダー問題から離れていた自分の熱が再燃します。

「政治家って雲の上の存在だったけど、こんなに自分の街のため、子供のために活動してる人だったなんて!ていうかえっ女性の地方議員って10%程度しかいないの?!」

その女性議員の方は「女性地方議員のためのコミュニティ・勉強会」を運営していらっしゃる方。定期的な勉強会のほか女性地方議員が少ないためにおこるトラブルに対するノウハウも共有されているそうです。


再びジェンダー問題に興味を持てたきっかけは政治分野でしたが、今の私の研究は労働分野です。この二つは日本のジェンダーギャップ指数の低さの足を引っ張っている分野です。皆さんも女性議員の少なさや、女性の管理職の少なさ、同賃金未達成など思い浮かぶ点は多々あると思います。


〇ジェンダーギャップ指数

このジェンダーギャップ指数というのは、毎年「世界経済フォーラム」が公表している、各国がどれだけジェンダー平等を達成できているかを示す指数のこと。分野は健康・教育・政治・経済の四分野で、その合計指数で順位が決まります。

ちなみにドイツは14位。私はこの「数値の高さ」に驚き留学を決意したのですが、「数値はあくまで数値でしかないのか」、と思った話はまたいつか…

〇子育てとキャリア

さて、ここからは私の研究について。

突然ですが質問。あなたは子供を持ちたいと思ったことはありますか?

子供を持ちたいと思った人。何人くらい子供を欲しいと思ったことがありますか?

女性の人は子供を持った後も仕事を続けたいと思いますか?

男性は、パートナーに対して、出産後も働き続けてほしいと思いますか?


Cook Japanという会社の調査結果によると、日本の女性は他国の女性に比べ、「子供を欲しい」と考える女性の割合が低いそうです。

また、子供を欲しいと思わない理由として他国の女性は「現状のライフスタイルに満足しているから」と答えているのに対し、日本の女性は「子育てをする自信がないから」だそうです。


正直今の日本は、女性が子育てをしながら働き続けるにはまだまだ理解は進んでいないのかな、と思います。

男性の育児休暇取得率も、政府は2020年度までに13%を目標としていたけれども最新のデータで6.6%。自民党は議員有志で「男性の育児休暇の義務化」を目指す連盟を発足したそうですが、果たして義務化しただけでいいのだろうか。。。ちゃんとした制度整備をしなければ、「見えかけの育休(5日だけ、等)」が増えてしまうのではないか?と私は思います。

私のパートナーをはじめ、私の周りですでに社会に出て働いている人の話を聞いていると「うちの職場で、男性で育児休暇を取っている人はいなさそう」「そもそもそんなものを男性が取れる雰囲気ではない」「女性は出産したら辞めるのが当たり前」…などなど、今って本当に令和だよね?!と思うことがちらほら。

これは前回書いた「圧」の問題にもつながると思いますが、「母親はこうあるべき」というという考えも強く影響しているのではないか?と思います。


〇他国の同世代は、キャリア形成・ジェンダーに対してどんな価値観を抱いているのか

一方、私が今いるドイツは日本と同じ経済規模・人口構成ではありますが、決定的に違うことが二つあると私は思っています。

一つは移民の数、もう一つはジェンダーギャップ指数。

ドイツにおける移民の歴史は長く、現在ドイツが人口減少せず維持できているのは移民の人の出生率の上昇があるといわれています。

またジェンダーギャップ指数も14位であり、日本よりも遥か上にいます。


これから残り10か月をかけて、私は現地企業でのインターンシップ、現地学生や他国からの留学生を対象にしたフィールドワークを行います。

日本の女子学生は就職活動をする際、「結婚と出産と自分のキャリア」について少しは考えることがあると思います。だからこそmanmaが提供する家族留学は存在しているし、OG訪問などもあるんだと思います。(男性ももちろん考える人は一定数いると思いますし、その数が女性と同等になることを私は望んでいますが)


自分自身のキャリア形成・経済分野におけるジェンダーバイアスに対する価値観って本当に国ごとに違うんです。

例えば、

フランスの友人「私は子供もいらない。将来は監査として働きながらいろんな国に行ってみたいの」

韓国の友人「韓国は少子化が問題になっているけど、私たち若い世代からしたらそんな問題関係ない。だって子供を産みたいと思わないし、私はずっと仕事がしていたいの」

ルーマニアの友人「子供なんて作ったらわたし殺しちゃうそう。。自分の時間を自分の好きに使えないのはやだ、無理

フランスの友人B「えー!私はキャリアのことは深く考えてないけど、とりあえず子供は5人ほしいんだよね!」

いろんな国の友人の考えを直接聞けるのはすごく面白いです。これこそ百聞は一見に如かず。。。


自分自身の将来はまだ今はあまり考え(ないようにしている)ていないのですが、一回きりの人生、自分は何を優先したいのか?国?キャリア?家族?趣味?…その価値観で分かれるものだと思っています。



私の尊敬する方が以前、私にこう話してくださったことがあります。

「子育てって、やっぱり社会全体でしたいよね」

私もまったく同じ考えを持っています。

ドイツにきて暮らして1か月、ベルリンはまさしくそれがすごく浸透している街なのかなと感じます。

学生のシッターも多く、公共交通機関で子供がいても場の空気は暖かく、そもそも公共交通機関で子供を見かける機会が多い!

私の通う大学の図書館内にもキッズスペースがあるほどです。(これは結構衝撃的だった)

そんなこんなですが、これからの授業ももちろん、いろんな人に話を聞きながら、自分の考えを深めていきたいのです!

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…実はこの記事、10月頭に書いてたのですがどうしても公開する勇気を出せなくて、温めすぎました。笑

ちなみに学期が始まって1か月が経ちますが一向に授業になれる気配は起きませんし、むしろこれはこの学期中に慣れるものなのか?とさえ思ってしまいます… 

でも授業自体はものすごく楽しくて、ジェンダーについて深く学べること、しかもそれをドイツで学べていることが本当に自分にとって新鮮でならないです。


この1年は絶対的に「当たり前」の1年ではないと強く感じています。だからこそ、1日でさえ無駄にすることがないように濃い毎日を過ごすようにしています(すみません、その結果がnoteの更新停滞です…苦笑)





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