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【海外HR事情】職務外で社員の交流を促す、月100ドルの「お付き合い手当」

業務時間外の社員同士の付き合いに手当を支給している会社がある。その会社は米国のコンプライアンス・ソフトウエア会社Ethena。社員同士での付き合いに月100ドルまで支給する。

こんな制度を始めたきっかけはコロナ禍だった。もともと同社はニューヨークに50人分のオフィススペースを確保していたが、リモートワークが始まったことに加え、通勤圏内にこだわらず全国から採用を行うようになったため、オフィススペースが活用されなくなってしまった。

そこで、2021年にオフィス賃貸を打ち切り、予算を他の用途に振り分けることにした。オフサイトオフィスを数か所確保したことに加えて、社員同士の付き合いへの手当を含む、従業員エンゲージメントを高める施策を開始したのだという。
社員同士で仕事の後にバーにいくことや、演劇を見ること、ネイルサロンに行くこと、カヤックを借りることなどは、すべて手当の対象となる。大きな出費をしたいときには、3か月分を貯めて申請することもできる。

同社人事部は、「社員同士が集まれば、結局仕事の話が避けられないものです」と語っている。

会社主催のハッピーアワーなど、エンゲージメント施策はしばしば無理強いの色を帯び、思ったような成果が上がらない場合があるが、同社では戦略的に「人間関係を深めるための活動は、社員自身に決めさせる」ことにしている。
「ハイパフォーマーのリテンションが主な目的です」と人事部は語っている。「1人、2人が悪用することもあるでしょうが、リスクを避けることば主目的ではありません。それよりも、社員が仲良くなって、当社に居続けてくれればよい、と思っています」

ちなみにその後、会社が確保したオフサイトオフィスも、利用率が低いために廃止した。必要に応じて、社員がコワーキングスペースを申請できるようにしたのだという。


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