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経営のパートナーとなるために、人事ができること|ハーモスラボイベントレポート

こんにちは!ハーモスラボ運営チームです😄

「採用活動は人事だけの仕事ではない」と感じていても、経営層や各部門の理解を得て、全社的な採用活動を推進するのは簡単ではないことを実感している方は少なくないと思います。
そこで今回は、【経営のパートナーとなるために、人事ができること】をテーマに4月13日に開催されたイベントの内容をご紹介。株式会社イグニスの松澤悟さんと、株式会社TBMの舟木祐介さんに語っていただいた内容をお届けします。

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株式会社イグニス「組織的な採用活動に向けた仕掛け」
中途/新卒採用担当 松澤悟さん

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松澤:株式会社イグニスは、恋愛・婚活マッチングサービス「with」や、ディープコミュニケーションSNS「INSPIX WORLD」、適性検査クラウド「Jobgram」など多角的な事業を展開している会社です。

今回は、我々採用チームが「経営陣や現場との協働を、どのように構築・進化させたのか」についてお話ししたいと思います。
今から1年前、イグニスの採用チームは、経営陣や現場責任者からオーダーを受けて活動し、その結果をフィードバックする、いわゆる“請負型”の採用活動を行なっていました。このスタイルによって生じていたのは、選考中に改善に向けた議論ができず、人事が介在する価値が不明瞭になってしまったこと。
そこで、意思を持って採用活動に取り組む採用チームになるために、解決すべき2つの大きな課題解決に取り組みました。

・抱えていた2つの課題

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①やみくもな採用活動
これまで、経営層や現場からオーダーを受けて採用活動を行なっていたため、その結果が良かったのか悪かったのかを振り返る仕組みがなく、再現性がありませんでした。
市場分析や調査が不十分のまま、現場に言われるまま採用マーケットには存在しない人材を探し続ける状況が続いており、そもそも採用活動全体を可視化できていない、データはあっても活用できていないという課題がありました。

②関係者個々で認識がバラバラ
採用チームは求職者やエージェントからの情報を持っていますが、それを経営層や現場に接続できておらず、一方で経営層や現場に採用課題や疑問があっても採用チームに伝わっていませんでした。双方の連携が不十分だから、認識がバラバラのまま採用活動を続けていたのです。
こうした課題を解決するために、実施した施策は3つ。

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1. 分析&可視化

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まず、採用活動を分解し、それぞれの要素がどんな状態なのかを可視化して、採用活動全体をモニタリングできるような基盤作りを行いました。
その上で、半期ごとに具体的なテーマとアクション、ゴールを設定。

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全テーマを可視化し、それに対してどのようなアクションを取ったのか、週次でのモニタリングを1年間継続したことで、自分たちの進化の過程がわかるようになり、施策が途中で放置されることもなくなりました。
さらに、各施策の特徴やコストをマッピングして、条件に応じてベストな条件を選択できるような仕組みを構築したことで、マーケットに存在しない人材を探し続ける非効率な活動がなくなりました。

2. 仮説検証
次に、各職種の採用ニーズはどれくらいの期間で充足するのか、有効な応募経路は何か、仮説検証を実施。

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これにより、ステークホルダーがデータに基づいて「見立てる」ようになり、採用チームと経営層・現場がデータを基軸に議論ができるようになりました。
この仮説検証の仕組みを整えて良かったのは、議論が「組織の作り方」や「チームビルディング」など、採用にとどまらない議論に進化したこと。これは、採用チームが一歩前進したと感じられる要因になりました。

3. 連携強化
最後は、経営層・現場の意思を採用メッセージに盛り込むことによる、連携強化です。

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今まで、採用に関する発信は採用チームが主導していたので伝わらないことも多くありました。それを、事業を作り上げている現場の人たちの思いや経営層の思いを汲んだ制作物やメッセージに変えたことで、採用チームとの連携をより強固なものにしたのです。

これは、何か一つの制作物を作って終わりの取り組みではなく、ステークホルダーが感じている採用に関する課題を常にピックアップして、メッセージとして発信し続けています。

こうした活動を1年間続けた結果、オーダーを受ける請負型の採用チームから、意思を持って経営層や現場と議論できるパートナー的存在に変わり、採用チームが介在価値を発揮できるようになりました。

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今回、我々がステークホルダーを巻き込めたのは、組織的な採用活動に価値を感じてもらえたことが大きな要因だったと感じています。
やみくもにスペシャリストを採用するのではなく、必要な人材を社内でカバーするのか、外部の力を活用するのか、それとも新しく採用するのか。どういった手法がチームにとってベストなのかを議論できるようになりました。

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株式会社TBM「採用を起点としたHRビジネスパートナーへの進化と事業貢献」
コーポレート・コミュニケーション本部 マネージャー 舟木祐介さん

舟木:株式会社TBMは、サステナビリティ革命を牽引するトッププレイヤーを目指して、地球規模で環境・社会課題解決に挑むものづくりベンチャーです。
具体的には、プラスチックや紙の代替が可能な新素材「LIMEX(ライメックス)」をはじめとした環境配慮型の素材および製品の開発・製造・販売を通じて、資源枯渇問題や環境問題に貢献しています。

今回は、そんな同社の採用チームが「採用を起点としたHRビジネスパートナーへの進化と事業貢献」のために、具体的に何に取り組んだのかについてお話しします。

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まず前提として、昨年より、コロナ禍を含む外部環境の変化と、事業の拡がりといった内部環境の変化があり、採用難易度は大きく上昇しました。

採用計画を柔軟かつスピーディーに見直す必要性が生じた結果、採用する人材の質や職種が多様化し、採用目標数は約100名以上に。加えて、採用数の半数を占める営業や開発の採用ターゲットは素材メーカーなどの業界経験者に絞っていることで母集団形成が限定的になってしまうことから、なかなか思うように進捗しないという現状がありました。

さらに、経営としてはコスト意識を高めて筋肉質な会社にしたいニーズがあり、採用においても十分に投資対効果を見極めた施策の実行が求められている状況でした。そこで、採用活動においては積極的なダイレクトソーシングやオウンドメディアを通じた直接応募の獲得にも注力をしてきました。こうした変化の中、浮き彫りになった課題は大きく3つありました。

1つ目は、現場で採用することが先に決まって、人事は後追いで知るというタイムラグが発生したこと。2つ目は、経営ニーズと現場ニーズの乖離が生じていたこと。3つ目は、各部署がそれぞれの優先順位で個別最適に動いていたことです。

これらを解決するために、経営と現場の両方の目線を持ち、採用の効果と効率を両立させる体制づくりや施策を実行してきました。

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この目的を達成するために、取り組んだことは以下の10項目です。

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そのなかでも、今回は青字にした4つの取り組みについて触れます。

・部署別採用体制
まずは部署ごとの変化に早期にキャッチアップしながら理解を深めたうえで採用活動を実施できるように、部署別採用体制を構築。担当部署を持つことで、コミットメントの強化を図りました。

・事業計画×採用計画の同期
今までは、どちらかと言えば現場からのニーズをベースに採用計画を立てていましたが、昨年末はFY21事業計画を立案するタイミングから人事も参加し、事業計画を達成するために本当に必要な人員について、経営層および各部署責任者と膝詰めで議論をするようにしました。それにより、会社を成長させるために必要な採用計画を現場ともしっかり握ったうえで作れるようになりました。

・部門責任者との採用定例MTG
人事が事業計画の立案時から参画したことで、各部署の採用計画達成に向けて現場側のコミットメントを醸成することにも繋がり、採用活動をタイムリーに改善していくための採用定例ミーティングは重要な位置付けに変わりました。

・部門横断の採用進捗レビュー機会の設定
担当部署制にしたことで個別最適に陥りすぎないように、部署横断で採用進捗レビューができる機会を設定しました。これにより、各部署で新しい採用ニーズが発生したときにも、全体最適で採用の優先順位などを議論できるようになったのは大きな成果です。

主にこれらの取り組みを通じて、採用は人事だけの仕事ではなく、経営課題であるという認識のもと、結果、現場も採用目標数をKPIに持つようになり、採用面接に更にコミットしてくれるようになったのです。実際に、前四半期と比較して、内定数も増加しています。

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今回お話しした内容は、直近半年間ほどの取り組みなので、まだまだ解決できていない課題はたくさんあります。人材流動性の低い製造業をターゲットにした採用市場において新しい機会をいかに作り出せるか、サステナビリティ領域の採用市場をいかに拡大できるかが、これからの課題です。

最後に、この1年で私たちを取り巻く環境はガラリと変化しました。前例のない変化に対応し、強い組織を作っていくためにも、採用や人材に関わる人たちとコミュニケーションが取れるハーモスラボは、積極的に活用したいと考えています。同じように、当たり前のようにハーモスラボを活用する人事が増え、最先端の知恵やノウハウを共有できる場になれば嬉しいです。

おわりに

イベント内でも紹介があったように、ハーモスラボでは参加者同士のつながりをつくり、採用力を爆アゲするための情報交換やアウトプットの場としてみなさんに活用していただけたらと思っております。

そんなハーモスラボを紹介するページがこの度完成しました!ハーモスラボの活動目的や活動内容がよくわかるページになっておりますので、ぜひ目を通してみてください!(*゚▽゚*)

次回のイベントもお楽しみに!引き続きハーモスラボをよろしくお願いいたします^^



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