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驚きの組織カルチャーをもつスキルのフリーマーケット【株式会社ココナラ】のビジネスモデル調査と人事課題推測

最終更新日:2024/4/5

当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。


資金調達額の推移

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累計25億6,700万円を調達
調達した資金の多くは、利用率向上のための広告宣伝費やプロダクト機能拡充・技術開発のための人件費に充てられた。

企業概要

設立日 :2012年1月4日
資本金 :11億4,810万7500円
本社拠点:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20−1渋谷インフォスタワー6F

事業概要

ECサイトを通じて"知識・スキル・経験"を売り買いできるスキルマーケットを提供している。
また、最適な弁護士を探すことができる検索メディアサービスや、レッスンやハウスクリーニングなどの対面サービスを予約できるサービスも提供している。

ビジネスモデル図解

ビジネスモデル

事業における強み

1. モノではなくコトのプラットフォーム
ココナラでは、ビジネス代行(調査や執筆など)や相談といったコトの売買が行われている。個人間でモノを売買するオークションサービスやフリーマーケットサービスとは異なり、サービスをつなぐプラットフォームとなっている。

2. 出品の自由度の高さ
プラットフォームには240種類のカテゴリーが設定されており、出品内容も自由に設定できる。価格に加え、フリーワードでオプションを設定できるため、出品者は自分のオリジナリティをアピールできる。

3. リピーター顧客の獲得
中期的に安定した継続購入を実現している。ココナラで一度サービスを利用したユーザーは、複数カテゴリーから購入する傾向がある。これは、出品の自由度が高く、サービスの多様性に富んでいることと関係しているだろう。

市場規模

該当市場として、CtoC(個人間の取引)市場およびスキルシェア市場を選定した。

【市場規模の推定】
国内CtoC市場:1兆1,800億円(2019年)
⇒中でも、家事代行・ベビーシッターの市場規模は50億円(2019年)であり、3年で3.8倍(13億円)に伸びており、注目されている。
スキルシェアの市場:9,743億円~1.9兆円(2030年予想)
スキルシェアサービスの認知度向上と、ユーザーの利用意欲の向上に伴って、市場規模は最大で1.9兆円と予想される。

【市場全体のトレンド】
今後さらなる市場の拡大を目指すためには、ターゲット層の拡大が必要不可欠だと思われる。若年層をターゲットとしたCtoC市場は、物販分野を中心に順調に展開してきた。そこでCtoC市場では、サービスを利用していない中高齢層をターゲットとする動きがある。

今後、米国と同様の労働環境が整備されていくならば、国内のスキルシェア市場は拡大する余地を十分に持っている。総務省情報通信国際戦略局情報通信経済室 (2017)によれば、日本におけるスキル×シェアの利用率は3.7%であり、米国29.6%と比較して低い状況である。つまり、ココナラのマーケットシェアもスキルシェア市場が拡大する限り、拡大余地があるといえる。
また、近年国内の長時間労働の見直しが進んでいるため、スキルシェア市場において出品者側にも購入者側にもニーズの変容が見込まれる
残業削減による収入減に対して副業で収入を増加したいという出品者側のニーズと外部のスキルを活用することによる残業削減という購入者側のスキルシェアの活用ニーズが創出される流れがある。

【ベンチマークとなる企業】
ランサーズ、SKIMA、Askbe

マネタイズに関して

【事業全体の収益性】
2017年以降、前年比150%以上の伸び率で着々と営業収益が増加している。

【キャッシュポイントの額と頻度】

出品者のサービス提供完了時に、取引金額の25%を手数料として得る。
しかし、出品者の取引金額が5万円を超える場合には、取引金額の手数料が25%より下がるため(具体的な%は不明)ココナラが得られる手数料は段階的に低減する可能性もある。
主要事業であるcoconalaにおいて、出品者は「制作・ビジネス系」では500円~100万円、「相談系」は500円~10万円の範囲で価格設定が可能である。

【固定費】

人件費、広告宣伝費、システム費

【変動費】
不明

【事業に関する考察】
一般消費者のターゲットのうち中高年層に対して、ココナラの事業の根幹であるスキルや代行サービスを提供できる余地があると考えられる。
市場規模(推定)より、
➀国内CtoC市場では家事代行・ベビーシッター分野における伸び率が著しいこと
➁スキルシェア市場では中高年層にサービスを訴求できる余地があること
が分かった。これら2点を踏まえると、労働環境にある中高年層には、日々の暮らしをサポートとなるような家事代行サービスのニーズや、休日の趣味となるような体験アクティビティやエンターテイメントのニーズが潜在していると考えられる。
ココナラは、モノの売買ではなくコトの売買を提供している企業であるため、ターゲットの潜在ニーズを満たすようなサービス提供が期待できる。

経営層

代表取締役会長:南 章行

    慶応義塾大学卒業
1999年 住友銀行(現三井住友銀行)入行、運輸·外食業界のアナリスト業務などを経験
2004年 企業買収ファンドのパイオニアであるアドバンテッジパートナーズ入社、投資案件を担当し、投資先企業の役員としての経営改善活動や、良好な投資リターンの実現に貢献
2009年 英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)修了、現地で出会った「音楽を使った若者向け社会起業プログラム」ブラストビートの日本法人(NPO)および、NPO法人二枚目の名刺の立ち上げに参画
2011年 アドバンテッジパートナーズ退社
2012年 株式会社ウェルセルフ(現株式会社ココナラ)設立
    一般社団法人シェアリングエコノミー協会理事


代表取締役社長CEO:鈴木 歩

    早稲田大学法学部卒業
2006年 株式会社リクルート入社、HR・ブライダル領域での商品企画・営業、アドテク新規事業での事業開発を経験
    株式会社リクルートホールディングスにて海外経営企画として、グローバル・ガバナンス・組織体制検討、海外リサーチ、海外グループ会社サポートなどを担当
2016年 ココナラ入社


取締役:新明 智

    慶応義塾大学卒業
    大手外資系ITベンダーで製造/流通業の基幹系システム構築を経験
    独立系ITコンサルティング会社の設立メンバーとして参画し、toB・ toCの領域を経験
2008年 日本初となるマイクロファイナンスファンドの企画に従事
2012年 株式会社ウェルセルフ(現株式会社ココナラ)設立


執行役員CFO:中川 修平

    慶應義塾大学卒業
    三井住友銀行入行、マーケット部門でディーリングを経験
    みずほ証券で、大企業、成長企業に向けてコーポレートファイナンスの組成やアドバイザリー業務などを担当、米国では債券の組成、引受け業務にも従事
2018年 ココナラ入社


執行役員 事業開発担当 兼 戦略担当:石川 善洋

    東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻修了
2003年 マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京およびフランクフルトオフィスにて、ハイテク、クリーンエネルギー、製造業を中心とする企業に対する戦略立案、業務改善などのコンサルティングに従事
2013年 ソーラーフロンティアにおいて海外事業開発部長を担当、経営企画、海外事業開発、発電所開発事業、海外子会社管理、新プロダクト開発マーケティングに従事
2017年 クックパッド株式会社入社、事業開発担当として、複数のCtoC事業開発および運営を経験
2020年 ココナラ入社、全社事業戦略、新規事業開発を担当


執行役員 CHRO 兼 経営企画担当:佐藤 邦彦

    早稲田大学政治経済学部卒業
2008年 株式会社リクルート入社、HR領域での法人営業、事業企画、マネジメントを経験
2015年 株式会社リクルートホールディングスにてシェアリングエコノミーの事業開発、働き方変革推進のプロジェクトリーダーを歴任
2017年 一時退職し、約9ヶ月に渡り世界30カ国を家族で放浪。帰国後に、起業
2018年 ライフシフト・ジャパン株式会社の執行役員を担当、株式会社リクルートキャリア社長直下プロジェクトとのパラレルキャリアを経験
2020年 ココナラ入社


執行役員 開発担当:村上 正敏

    大阪府立大学大学院工学研究科知能情報工学専攻修了
2007年 株式会社日立製作所 システム開発研究所入社、エンタープライズシステム開発における先端研究に従事
2014年 株式会社リブセンス入社
2015年 ザワット株式会社入社、Web系ベンチャー企業を中心にエンジニアリーダーとして大小さまざまなプロダクト開発を経験
2016年 エベリスト株式会社にCTOとして参画、サービスの売却を経験
2019年 ココナラ入社


CTO:石原 佳典

    韓国忠北大学卒業
2000年 韓国富士通株式会社入社
    日本の富士通株式会社に出向し、通信システムの設計、開発、チューニング、トラブルシューティングなどシステム全般を経験
2009年 Sierとしていくつかのプロジェクトを担当
2013年 楽天株式会社でDevOps、R&D、バックエンド設計・開発を担当
    LINEの名刺管理アプリmyBridgeのCTOを経験
2020年 ココナラ入社


常勤監査役:矢冨 健太朗

2004年 あずさ監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所
2017年 株式会社ココナラ 監査役就任(現任)


監査役:服部 結花

    京都大学法学部卒業
2004年 リクルート入社、人事部にて西日本採用責任者を経験した後に、事業開発室で大手総合商社とのJV設立プロジェクト、社内新規事業(保険事業)立上げプロジェクト等に責任者として従事
2011年 インクルージョン・ジャパン設立
    創業当初からココナラを全面的に支援


監査役:石原 一樹

    神戸大学大学院法学研究科卒業
2013年 ヤフー株式会社入社
2015年 ホーガンロヴェルズ法律事務所外国法共同事業入所
2015年 窪田法律事務所入所
2017年 Seven Rich法律事務所設立、代表就任(現任)
2017年 株式会社ココナラ 監査役就任(現任)

スキルマトリクス

スキルー1
スキル―2

【ガバナンスに関しての考察】
取締役の多様性には偏りが見られ、経営陣に女性が1名しか存在しないことが懸念点として挙げられる。
一方で、事業成長やリスクマネジメントの項目では適度な分散が見られる。リスクテイク経験や高度IT専門性に長けた人材も多いため、今後さらなる事業の発展や、技術開発・機能拡張にも順応できる可能性が高いと思われる。

※スキルマトリクス図とは取締役の素養・経験及び取締役会におけるバランスを一覧表にまとめたものである。各社で開示されているガバナンス内容を元に僭越ながら推測させていただいた。要求水準・選定定義に関しては企業により差が生じるため、ここではCGCで求められている水準・選定定義を基に設定した。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション
個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする全ての人に結びつけ、個人をエンパワーメントするプラットフォームを提供する

ビジョン
一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる

バリュー
One Team, for Mission
Beyond Borders
Fairness Mind

人事制度設計

【基本情報】
・従業員数:110名
・役員人数:11名
・平均年齢:35.2歳
・勤務時間:10:00-19:00
・勤務形態:リモートワークOK、短時間勤務制度、副業OK
・休日:完全週休2日制(一部職種を除く)、祝日休み、リフレッシュ休暇、年末年始休暇、入社時特別休暇

【採用】
・新卒採用:無
・中途採用:有
・媒体  :自社HP、Wantedly、転職サイト
・採用職種:マーケティング、法律相談、カスタマーサクセス、デザイン、プロダクト開発、プロダクトマネジメント、HR、R&D、バックエンド開発、開発基盤、フロントエンド開発、アプリ開発
・求める人物像:ココナラのビジョンに共鳴している人、ココナラの目指す世界観に合う人。仕事をする上で大事にしているバリューである、”One Team, for Mission”、”Beyond Borders”、”Fairness Mind”を備えた人

【等級・配置】
記載なし

【評価制度】
・成果評価(ミッション達成レベル)50%
・行動評価(バリュー実践レベル)50%

【報酬】
・報酬水準:平均年収 613万円
・表彰制度:MVP・バリュー賞、グッジョブボーナス、リファラルインセンティブ

【教育】
・人材育成委員会(従業員と上長・組織長が、キャリアプランや育成方針を会話する)
・勉強会参加支援
・資格取得支援
・書籍、備品購入支援
・適切なデバイス貸与、ITヘルプデスク

【その他、福利厚生など】
・社会保険(ITS)、労働保険完備
・フードデリバリー、フリーアルコール
・各種費用負担(人間ドック、婦人科検診、予防接種)
・オフィスドラッグ、仮眠室完備
・ココナラかかりつけ医(産業医)

インターン生による考察

公式HPには、入社後の評価制度や教育制度、福利厚生について十分な記載があった。バリュー評価制度では、成果と行動を同等に評価する点に関心を持った。R&Dやプロダクト開発では、中長期的な取り組みの結果、サービスの創出につながる。ココナラは技術職の採用も多いことから、数値で見える短期的な成果のみに着目するのではなく、日々の行動プロセスにも重きを置いているのだと推察される。
一方、報酬体制については記載がなかったことから、同業種と比較して給料が高くない可能性や、本人のスキルや経験ベースで給料が決定される可能性が考えられる。

※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:SAY

さいごに

スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら

弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから

【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。