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ビジネス領域に特化した日本有数のナレッジシェア・プラットフォーム【株式会社ビザスク】のビジネスモデル調査と人事課題推測

最終更新日:2024/4/5

当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。


資金調達額の推移

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⇒累計資金調達額は約3.3億円

企業概要

設立日 :2012年3月
資本金 :3億8,800万円(2021年2月現在)
本社拠点:〒153-0042 東京都目黒区青葉台4-7-7住友不動産青葉台ヒルズ9F

事業概要

ビジネス領域特化の日本最大級のナレッジプラットフォーム 『ビザスク』 『ビザスクlite』の運営、新規事業創出/組織開発に関するコンサルティングを行っている。

ビジネスモデルの図解

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事業における強み

1. 10万人を超える国内アドバイザーデータベース
多くのアドバイザーが在籍していることで、マッチング時に収集される情報が数多く蓄積されており、蓄積データの量と質の向上に貢献している。

2. 高い参入障壁
何度もアドバイザーがクライアントと対話することでより精度の高いマッチングが実現可能であり、それが高い参入障壁となっている。

市場規模

該当市場として、BtoB情報プラットフォーム市場を選定した。

【市場規模の推定】
BtoBプラットフォーム市場:2900億円以上
※出典:株式会社ビザスク 成長可能性に関する説明資料

【市場全体のトレンド】

2020年2月期の第3四半期末時点には、ビザスクの知見プラットフォーム全体の売上高は11.2億円であり、市場シェアはおよそ0.3%程となる。したがって、市場規模に対するビザスクのシェア率はまだまだ序章であり、上昇余地は十分にあるだろう。

【ベンチマークとなる企業】
株式会社アイドマ・ホールディングス

マネタイズに関して

【キャッシュポイントの額と頻度】
ア ドバイザーとクライアントがマッチングするたびにサービス利用料が発生し、クライアントからビザスクに支払われる。案件の単価は不明。
⇒開発投資で知見のマッチングスピードを大幅に改善している。今後は、AI技術活用によってさらなる効率性の向上を目指し、収益性をさらに向上させる見込みである。

【固定費】
人件費、システム運用費用、プロモーション費用

【変動費】
不明

経営層

代表取締役:端羽 英子

2001年 ゴールドマン・サックス証券会社(現ゴールドマン・サックス証券株式会社)入社
2003年 日本ロレアル株式会社入社
2007年 ユニゾン・キャピタル株式会社入社
2012年 株式会社ビザスク設立代表取締役CEO就任(現任)

取締役:瓜生 英敏

1999年 ゴールドマン・サックス証券会社(現ゴールドマン・サックス証券株式会社)入社
2005年 ゴールドマン・サックス・アンド・カンパニーサンフランシスコ・オフィス勤務
2006年 同社投資銀行部門テクノロジー・メディア・テレコム・グループヴァイス・プレジデント就任
2006年 ゴールドマン・サックス証券会社(現ゴールドマン・サックス証券株式会社)投資銀行部門アドバイザリー・グループヴァイス・プレジデント就任
2012年 同社マネージング・ディレクター就任
2018年 株式会社マネーフォワード社外監査役就任(現任)
2018年 株式会社ビザスク取締役CFOコーポレートグループ長就任
2018年 株式会社ビザスク取締役COO就任(現任)。

取締役:ケビン・コールマン

    コロラド大学卒業、バブソン大学F.W.オーリンビジネススクールでMBAを取得
1996年 マルテックス入社、営業担当副社長就任
2003年 コールマン・リサーチを立ち上げ
2021年 コールマン・リサーチのCEOとビザスクの取締役を兼任


社外取締役:堅田 航平

2003年 モルガン・スタンレー証券会社(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)入社
2005年 Och -Ziff Management Hong Kong Limited 入社
2008年 ネットライフ企画株式会社(現ライフネット生命保険株式会社)入社
2013年 同社執行役員CFO就任
2014年 スマートニュース株式会社入社
2014年 同社ヴァイス・プレジデント財務担当就任
2018年 Kipp Financial Technologies 株式会社社外監査役就任(現任)
2018年 Appier Japan 株式会社CFO就任
2019年 株式会社ビザスク社外取締役就任(現任)
2019年 五常・アンド・カンパニー株式会社CFO就任(現任)
2019年 株式会社空社外監査役就任(現任)

常勤監査役(社外):久保 雅子

2003年 鳥飼総合法律事務所入所
2010年1 Allenand Gledhill LLP入所
2013年 西村あさひ法律事務所入所
2013年 株式会社三菱東京UFJ銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)シンガポール支店出向
2018年 株式会社ビザスク 社外監査役就任(現任)


スキルマトリクス

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⇒ゴールドマンサックスやJPモルガンなどの外資系金融機関出身者の役員が多く、財務・ファイナンスの観点で厚みのある経営陣が揃っているといえる。多様性の観点からも、経営陣女性比率が40%と非常に高いことがわかる(一部上場企業の取締役女性比率は8.7%)。一方で、事業成長性の観点ではリスクテイク経験(事業経験者)が脆弱であるため、経営執行機能に期待が高まると考える。

※スキルマトリクス図とは取締役の素養・経験及び取締役会におけるバランスを一覧表にまとめたものである。各社で開示されているガバナンス内容を元に僭越ながら推測させていただいた。要求水準・選定定義に関しては企業により差が生じるため、ここではCGCで求められている水準・選定定義を基に設定した。

ミッション・ビジョン

ミッション
組織、世代、地域を超えて、知見を集めつなぐことで、世界のイノベーションに貢献する

ビジョン
世界中の知見をつなぐ

人事制度設計

【基本情報】
・従業員数:166名 (2021年5月時点)
・役員人数:6名(2023年2月時点)※2024年4月5日追記
・勤務時間:10:00〜19:00(休憩 60 分)
・休日:完全週休2日制、祝日、年末年始、自己啓発休暇、有給休暇

【採用】
・新卒採用:有
・中途採用:有
・媒体  :自社HP、doda、Wantedly、Goodfind
・採用職種:プロダクト・マネージャー 、リサーチ・マネージャー、エキスパートサーベイチーム、グローバル事業開発、事業開発チーム、アシスタント職

【等級・配置】
記載なし

【評価制度】
・年2回のレビュー(昇給と成長の機会と位置付けている)

【報酬】
・報酬水準:約482万円

【教育】
・書籍、イベント参加費補助

【その他、福利厚生など】
・健康診断オプション
・男性の産休5日
・借上社宅制度
・実験環境の用意
・副業可能
・通勤手当(上限3万円)

インターン生による考察

「特定のナレッジを求める企業とビジネスの知見を活かす機会を求めているアドバイザーのマッチングプラットフォーム」というユニークなビジネスモデルをしており、その参入障壁の高さから現時点では明確な競合となるような企業は存在しない。その一方で、BtoBプラットフォーム市場における市場占有率は0.3%とごく僅かなため、伸びしろがあるといえる。
21世紀である現代社会において、インターネットやデジタルデバイスの普及によりクラウド上に無限に情報が蓄積できる。いわばこの「情報過多」の時代を上手く生き抜くためには、いかにして必要となる情報を厳選するかが鍵である。また、その情報の正しさにもこだわる必要がある。ビザスクのビジネスモデル上、アドバイザーからの一次情報を対話形式で取得できるため、顧客にとってまさに「正確」かつ「本当に必要である情報」のみを抽出することが可能である。今後さらに情報洪水化してゆく現代社会に求められているサービスであると考えるため、これからの成長に期待したい。

※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:SHO

さいごに

スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら

弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから


【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。