ペット用品・健康食品から化粧品に一転し遂にマザーズ上場!【株式会社Waqoo】のビジネスモデル調査と人事課題推測
最終更新日:2024/4/5
当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。
資金調達額の推移
⇒累計資金調達額は9億1,900万円
企業概要
事業概要
炭酸スキンケアブランド「HADA NATURE」を運営する企業である。
主力ブランドである「HADA NATURE」は、“全力で人生を歩む、全ての方にエールを”のブランドコンセプトに基づき企画・開発から販売までを自社で行う。
ビジネスモデルの図解
顧客:売上構成は、2020年度通販92%、店舗5%、その他3%
事業における強み
1. 安定的な収益が見込めるストック型のビジネスモデル
都度購入に加えて定期購入サービスモデルを採用している。定期購入者を獲得することで、継続的なキャッシュ・フローが期待できる。
2. 顧客体験価値を追求した製品開発
顧客の反応や要望を直接汲み取り、製品企画・開発を行っている。継続的に商品を購入してもらうためには、顧客と長期にわたる良好な信頼関係を築く必要がある。そこでWaqooでは、まずはモニターテストを通過した商品を小ロットで販売して随時顧客の反応をキャッチすることで、商品改良を重ねつつ販売量を増やしている。顧客のニーズに沿った商品開発の実現が期待できる。
市場規模
該当市場として、化粧品市場や化粧品・医薬品市場のEC市場を選定した。
【市場規模の推定】
・国内の化粧品市場:約3.8兆円(2019年)
・化粧品・医薬品市場のEC市場:6,611億円(2019年)
⇒EC化率は、6.00%にとどまっている
【市場全体のトレンド】
国内の化粧品市場はすでに成熟しており、大手企業のマーケット占有率が高い。さらに、グローバルコンペティターの影響力の拡大や他業界からの新規参入が懸念されるため、競争環境の激化は加速している。
日本の化粧品市場がより早く成長するためには、名目GDPの成長率が高い海外市場に進出するべきである。なぜなら、一人あたりの名目GDPと化粧品にかける消費金額は強い正の相関を示すと分かっているからだ(ほぼ比例関係にあるといえる)。大手企業はマーケット占有率が高い分、海外進出が遅れている。そのため、新規企業であっても、スピーディに海外に進出して需要を獲得することができれば成長が見込める。
また、今後さらなるEC化が進むことは確実である。EC化にあたって注目するべき点は主に3点ある。それは、「オフラインの販売チャネルニーズが強いこと」「デジタルマーケティングの難易度が高いこと」「即時性を実現するドラッグストアや専門店の利便性が高いこと」である。
マネタイズに関して
【キャッシュポイントの額と頻度】
ECサイトを活用し、流通業者を介さずに直接一般消費者に自社製品を販売している。都度購入サービス(商品を必要な都度購入してもらう)と、定期購入サービス(同一商品を一定の間隔で継続的に購入してもらう)モデルで収益を得る。
【固定費】
人件費、減価償却費
【変動費】
原材料費
経営層
代表取締役社長 井上 裕基
EO(世界的起業家団体)所属。松下幸之助塾卒業。ソフトバンクアカデミア所属。
専務取締役 中上 慶一
取締役 早川 明宏
社外取締役 池上 久
常勤監査役 山嵜 秀雄
スキルマトリクス
⇒リスクテイク経験に優れた人材が多い。
Waqoo D2C Platform事業の新規展開に伴い、マーケティング・事業開発や高度IT専門性に強みのある経営陣構成であるため、今後の大きな企業成長が見込めるだろう。
一方で、海外展開や、顧客ニーズに応える化粧品の開発拡大が迫られた可能性を考慮すると、経営陣に女性が存在しないことやグローバル経験については懸念点が挙げられるといえる。
ミッション・ビジョン
ミッション
テクノロジーの力で自国の未来に希望を創る
ビジョン
世界史の教科書に載るような偉大なことを成す
ービジョン実現に向けて全従業員に求める4Stepsー
➀意欲ある人に豊富な成長機会を提供し、さらなる進化を促す
➁人と社会に喜ばれる、画期的な商品やサービスを生み出す
➂世界に通用する優れたビジネスを育て、日本のプレゼンスを世界に示す
➃人々の暮らしを根底から変えるようなインフラを生み出す
行動指針
Vision Driven 全てはビジョン達成のために
Give First 利他の精神
Great with Team 組織で非凡を成す
人事制度設計
【採用】
・新卒採用:有
・中途採用:有
・媒体 :自社HP、Wantedly
・採用職種:ビジネス職、エンジニア職、デザイナー職
【等級・配置】
記載なし
【評価制度】
記載なし
【報酬】
・報酬水準:月給 30万円以上
※内定期間中に社員同様に週5日程度働けて目標達成にコミットできる方は成果に応じて初任給が変動(~月額50万円までを想定)
※別途、結果・能力に応じてインセンティブ・ストックオプションを支給
平均年収 512.5万円
【教育】
・ビジネスインターンシップ開催(選考通過率1.5%、優勝賞金有)
選考方法 会社説明会→選考会→面接(複数回)→1day JOB→社長面接→参加
【その他、福利厚生など】
・各種社会保険完備
・服装・髪型自由
・社員割引(自社商品等)
・表彰制度(月間・四半期・年間)
・ストックオプション制度
インターン生による考察
今回調査させていただく中で、大きく2つの観点からWaqooの自社HPに魅力を感じた。
1つ目は、消費者のリアルな声を活用して用途ごとに異なる製品の紹介を行っている点である。HPを訪れた新規顧客が共感を持ちやすく、ページ滞在時間が延びるような構成であると感じられた。
2つ目は、人気タレントの特設サイトを設置している点である。一般的に、化粧品産業のコスト構造は他産業と比べて売上原価率が低く、販売促進費やマーケティング費の比率が相対的に高い。Waqooでは、媒体を用いた広告運用にとどまらず、自社HPを広告手段とすることに成功していると感じられた。Waqooの現在の顧客層は、F2層(35~49歳の女性)がメインである。さらなる顧客数の拡大を目指すWaqooでは、タレント起用によって新規顧客の獲得が期待できると思われる。
Waqoo は2020年にLOFTのベストコスメ賞を受賞するなど、すでに高い注目が集まっているが、新サービスである“Waqoo D2C Platform”事業にも着手しており、今後も期待が持てる企業である。
※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査記入:SAY
さいごに
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【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。