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IPO有力候補!業界最大の事業規模を誇る【株式会社akippa】

最終更新日:2024/4/1

当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。


資金調達額の推移

公開されていない調達を加えて累計調達額は約35億円

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企業概要

設立日 :2009年2月2日
資本金 :20億円(2021年6月11日現在)
本社拠点:大阪オフィス 〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中2丁目10番70号なんばパークスタワー14F

事業概要

駐車場のシェアリングサービスを提供している。
契約されていない月間駐車場や個人宅の車庫などをネットで予約して貸し借りできる事業となっており、介護に伴う一時的な利用/観光業の発展に伴う駐車場の確保など、社会課題解決にも貢献しているビジネスである。
業界最大レベルの事業規模を持ち、近年では有力なIPO候補として名を馳せている。

ビジネスモデルの図解

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市場規模

市場規模の推定
富士経済による「自動車関連インフラシステム/パーキング&シェアサービスの市場予測 2019」を参考にした。
・駐車場シェアリング(2018年見込は35億円)
―2030年には1094億円に達する予測。
・パーキング系インフラシステム(2018年見込は1964億円)
―2030年には4996億円に達する予測。

【市場の全体トレンド】
場所のシェアリングエコノミー市場、自動車関連のシステム・サービス市場のどちらを見ても現在成長途中にあるため今後の伸びも期待できる。市場の伸びを見込んで新規参入が増加傾向にある。

【ベンチマークとなる企業】
スペースマーケット/タイムズなど

マネタイズに関して

【事業全体の収益性に関して】
駐車場利用者と個々人の空いた駐車スペース(一般的な駐車場や個人宅の駐車場など)をマッチング

【キャッシュポイントの額と頻度】
支払われた駐車料金の50%、利用者側へ有料サービスの提供(月額300円)

【固定費】

人件費、(サーバーの運営費)

【変動費】
不明

経営層

代表取締役社長CEO 金谷 元気

1984年 大阪府生まれ
高校卒業後 Jリーガーをめざし関西リーグなどでプレー
引退後 2年間は上場企業で営業を経験
2009年 合同会社ギャラクシーエージェンシー設立
2011年 Akippaサービス提供開始
2014年 日本最高峰のベンチャーイベントである「Infinity Venture Summit 2014 Fall Launch Pad」で優勝
2015年 社名をAkippa株式会社へ変更

取締役 松井 建吾

1986年 生まれ
    大手通信キャリアの業務委託企業にて営業を経験
2011年 株式会社化時点より役員就任、Co-Founderとして、akippa事業の新規創出や各事業チーム・HRの立ち上げを歴任

取締役 杉村 大輔

1980年 生まれ
    新日本監査法人にて監査業務に従事
    ベンチャー企業入社、取締役管理部長として東証マザーズへの新規上場・東証一部への市場変更を経験
2016年 Akippa株式会社入社

取締役 小林 寛之

1978年 生まれ
大学院在学中 公認会計士試験合格
修士課程修了後 監査法人トーマツにて監査業務に従事
2007年 国内証券会社系のプライベートエクイティファンド入社、バイアウト投資およびその後のハンズオンでの経営改革を経験
2014年 株式会社トリドール(現:株式会社トリドールホールディングス) 入社、常務取締役CFOなどを歴任
2015年 TDインベストメント(トリドールの投資子会社) 代表取締役社長就任
    Akippa株式会社入社

社外取締役 杉山 全功

1965年 生まれ
2004年 ザッパラス代表取締役に就任、同社は05年に東証マザーズ上場、09年に東証一部の市場変更を経験
2011年 enish代表取締役就任
2012年 同社 東証マザーズへ上場、13年に東証一部への市場変更を経験、投資先はウォンテッドリー、GLM、akippa、Emotion Intelligence、フーモアなど

社外取締役 今野 穰

    東京大学法学部卒業
    経営コンサルティング会社(アーサーアンダーセン、現PwC) プロジェクトマネジャーとして、中期経営計画策定・PMI(Post Merger Integration)・営業オペレーション改革などのコンサルティング業務を経験
2006年 グロービス・キャピタル・パートナーズ入社
2012年 同社 パートナー就任
2013年 同社 パートナーおよび最高執行責任者(COO)就任
2019年 同社 代表パートナー就任
    akippaの他に、アグリメディア、スマートニュース、アンドパッドなどの社外取締役就任

社外取締役 中村 愼一

2000年 パナソニックハイホーのポータル・コンテンツ企画を担当
2001年 ハイホーのコンテンツビジネスを担う、株式会社ハイホー・シーアンドエー設立
2002年 同社 代表取締役社長就任
2008年 パナソニックの会員サイト「CLUB Panansonic」の創業期から参画、統括責任者として会員規模1,000万人、月間2億アクセスの集客力でマーケティングを経験
2017年 損害保険ジャパン株式会社 執行役員 ビジネスデザイン戦略部長 就任
2019年 DeNA社と合弁の「個人間カーシェアのDeNA SOMPO mobility社」「マイカーリースのDeNA SOMPO Carlife社」設立
2019年 駐車場シェアリング事業のakippa社を出資によりグループ化、DeNA SOMPO MobilityとDeNA SOMPO Carlifeの代表取締役副社長、株式会社Akippa 取締役就任

社外取締役 久保田 和史

1994年 安田火災海上保険(現:損害保険ジャパン日本興亜)入社
    主に自動車ディーラー向け営業及び営業推進、関連生命保険会社への出向にて代理店向け営業推進を担当
2019年 株式会社DeNA SOMPO Mobility 取締役営業本部長、DeNA SOMPO Carlife 代表取締役社長就任

社外取締役 原田 明典

    NTT入社
    NTTグループ各社にてB2Bのシステム開発、B2C向けインターネット、モバイル関連事業に従事
    株式会社ミクシィの代表取締役副社長、株式会社ディー・エヌ・エー 取締役を経て、常務執行役員ネットサービス本部長就任
2020年 akippa株式会社 社外取締役就任

社外取締役 松尾 優
▼ 公開経歴無し

監査役 清水 保彰

1981年 東京都生まれ
    早稲田大学大学院卒業
2008年 新日本有限責任監査法人入所
    株式会社髙松コンストラクショングループにて業務に従事
2017年 株式会社WORKERS DOCTORS入社
2018年 顧問就任
2018年 akippa株式会社 監査役就任(現任)

社外監査役 村田 雅幸

1961年 奈良県生まれ
1991年 関西学院大学卒業
    大阪証券取引所 入社デリバティブ部門、上場審査部門を経て、広報部長、東京支社長、執行役員を歴任
2013年 東京証券取引所 執行役員就任、上場推進部門などを担当
2018年 PUBLIC GATE LLC設立、代表就任
    中小企業診断士
2018年 akippa株式会社 社外監査役就任(現任)

社外監査役 山口 要介

2007年 北浜法律事務所・外国法共同事業 入所
2016年 岩谷・村本・山口法律事務所 開設、IPOサポート等。iCureテクノロジー株式会社、クリングルファーマ株式会社、株式会社MJEでの社外監査役就任
2020年 akippa株式会社 社外監査役就任(現任)
    M&Aが専門

スキルマトリクス

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MISSON・VISION・VALUE

Mission
“なくてはならぬ”をつくる
Vision
あなたの"あいたい"をつなぐ
Essential Value
ホスピタリティ

ーakippaが考えるホスピタリティとはー
WIN-WIN となることを目的とした「思いやり・心くばり」のことを指し、誰かの一方的な献身のうえに成り立つものではない。
また、「ひとはみな原則として善い状況を目指す」性善説に基づいている。
考え方や捉え方は個人によって差があるが、どんな場面でもまずは「相手を信じる」性善説の考え方に立ってみる多角的な想像力を持つことが大事。

Value
Think and Rush(最短を考え、最速で走ろう)
Done with Pride(使命感と責任感を持って、最後までやりきろう)
Win by Team(チームで最高のパフォーマンスをしよう)

akippaのブランドコンセプトは、
「PARK UP. anytime anywhere.」である。
2017年7月より社内でブランディングの再定義を目指したプロジェクトが立ち上げられ、ブランドが確立された模様。
一貫したブランドを基にマーケティングおよびサービスを展開するという思いが伝わる。

人事制度設計

【基本情報】
・従業員数:90名
・役員人数:15名
・平均年齢:33歳
・勤務時間:9:00~18:00
・平均残業時間:10-30時間
・休日:土曜、日曜、祝日(年間休日129日)、年末年始休暇、特別休暇  GW、夏季休暇など

【採用】
・新卒採用:不明
・中途採用:有
・媒体  :自社HP、Wantedlyなどの求人媒体
・採用職種:営業、広報、iOSエンジニア、Webエンジニア

【等級・配置】
・異動有無:有

【評価制度】
・行動、能力評価:有

【報酬】
・報酬水準:年収500万円~800万円程度
・各種手当:通勤手当、住宅手当、家族手当、残業手当
・給与改定:年4回
・賞与構成:年俸制のため無し

【教育】
・その他教育
 非エンジニア向けのプログラミング研修

その他、福利厚生など
・ストックオプション制度
・PC支給
・書籍購入補助、
・社員用akippaクーポン
・各種社会保険完備

インターン生による考察

個人が持つ駐車場だけでなく、商業施設などの繁忙時・閑散時の差が激しい駐車場も巻き込むことによってお互いにとってWin-Winな事業となっている点が魅力的である。また、akippaが駐車場を持たずに仲介だけを行うというビジネスモデルは、駐車場事業においてネックとなる土地の固定費を0円に抑える画期的なアイデアだといえる。

一方で、事業における主な懸念点が2点考えられる。

1点目は、駐車場の掲載数が増えなければ大きな伸びが見込めない事業であることだ。
駐車場の利用料からマネタイズしているので、駐車場の掲載を増やしていかなければ売上が伸びない。しかしながら競合他社も同じ状況に置かれているため、今後は営業による新規駐車場の取り合い合戦になる可能性がある。

2点目は、akippaの手数料が高額なことだ。
akippaは初期費用が掛からない代わりに、駐車場利用料金におけるakippaの取り分が他社と同等か高額な割合になる。この現状が続けばakippaより手数料が低額な他社へ乗り換える駐車場貸主が増加する可能性が高い。業界最大規模のサービスである今のうちに貸主が損を感じないように手数料などを見直し、貸主の囲い込みを行う必要があると考える。
駐車場利用料金だけでなく、保有するオウンドメディアと観光地・企業の提携や広告枠提供などを通してマネタイズ化の方法を分散させると収益基盤がより安定すると考える。

この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:YUK

さいごに

スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら

弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから

【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。